真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

ろくでなし達のもがき「ラッキーブレイク」(2001)

ピーター・カッタネオ監督作品。

 

同監督の撮った「フル・モンティ」が好きだ。男性のストリップショーという奇抜なアイディアもさることながら、何ともうらぶれた、うだつの上がらぬ冴えないおっさん達が、そこに至る工程を、シニカルかつ愛情をもって描いていた。その丹念な作りが私の心の琴線に触れ非常に印象に残っている。故に 同監督の次回作も非常に期待していた。で、本作なのだが…15年前の作品である。という事は必然的に「フル・モンティ」は20年も前の作品になるのか…。いやはや、光陰矢の如しとはよく言ったものだ。先人たちは流石に偉大だね。よく世の理を分かっていらっしゃる。って、そんなことはどうでも良くて、本作の話である。好きだと書いておきながら何で15年たってから見てんだよっ!という突っ込みが聞こえてきそうであるが、実はこの作品、発売直後購入している。多分13,14年ぐらい前の話。それからずっと熟成してしまったのだ。何というか、買って満足してしまったのだ。見ればいいのに見ないんだなこれが。自分のことながら困ったものである 。

 

前置きが長くなってしまったが本題に入ろう。本作の内容は監獄が舞台の脱獄物である。主人公であるジミー・ハンズは相棒であるルディと銀行強盗を試みるも無残に失敗。囚われの人となり監獄へと収監される。そこでミュージカル好きな所長を利用する脱走計画を思いつき実行に移そうとするのだがそこで色々と物語が…というようなお話。監獄×ミュージカル×脱獄×コメディというような感じ。

 

監獄物で英国物と言うと真っ先に思いついたのは「ミーン・マシーン」だったりする。あれは監獄×サッカー×コメディだったが、やはり単純な監獄物では何かが足りないという事なのだろうか?まあ、確かにこの手のシチュエーション物は最初にやったもん勝ちみたいなところはある。やり尽くしちゃうから後続に続くものは×何かが重要になってくるかもしれない。「アイディアとは、既存の要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない」という言葉がしっくりくる。正しくそんな感じだ。ただ、何でもかけ合わせればいいというもんでもない。が、この監督はそこら辺のバランス感覚が優れているんだろうね。無理のある話をけれんみたっぷりに味付けしてるんだけど非常に面白かったですよ。

 

キャラクターもわかりやすく屑しか出てこない。ほぼ屑。まあ監獄物の前科者ばかりの話なので当たり前なのだがね。銀行強盗を働くほどの屑ながら、どうにも悪に染まり切れないヘタレな主人公。それに準じる相棒。物腰柔らかな詐欺師の屑。放火魔の屑。トマトの栽培に全ての愛を注ぐサイコな屑。囚人の登場人物に関して言えば、屑、屑、屑の群れ。唯一の例外は主人公と同室のクリフのみ。彼は善良かつまともな人間なのだが何とも間が悪い人間なのだ。色々な意味で…。囚人以外でもミュージカル好きな監獄所長。意地悪な刑務官。刑務所の女カウンセラーなどいろいろ出てくるが、皆なんかいろいろなタイプのダメな人間でキャラが濃い。

 

まあ最終的にはそれぞれの大円団を迎えることになる。一人を除いて…。正確には2人か?。まあよくまとまった良い映画だと思う。あとラストのエンドロールで流れる「サミー」が良い!死ぬほどいい。単純に私がこの曲が死ぬほど好きなだけなのだが。クリフがピアノで弾き語る「サミー」は凄まじく良い!元曲はバリバリのディスコミュージックなんだけど、カバーするのは皆こうゆう弾き語り風になるのは何なんでしょうか?まあ歌詞とかは弾き語りに相応しいような歌詞だからかな?よくわからんが個人的には奥田民生バージョンが好き。全く関係ない話ですが。

 

結局の所、人を変えるのは人ですよ、っていうような映画でした。あと、主人公の相棒ルディが嫌々始めたミュージカルにだんだん嵌っていく様が、個人的にツボでした。

 

なんつって。ぎゃふん

 

 

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 主人公のジミーの風貌は、ダークサイドの落ちたマッカトニー、もしくはチンピラ臭を薄めたギャラガー兄弟みたいで、犯罪者面が様になっていて個人的には凄い納得しました。ダメかな?ぎゃふん。

DAYSの中沢監督があまりにも素晴らしかった話

酒もたばこも女も止められるのに漫画を読むのがやめられないボンクラです。ごめんなさい。

 

もう結構日がたってしまったのですが、感動が一向に薄まる気配がないのでここに記したいのです。

 

漫画の話です。すみません。

 

冒頭にも記しましたが、私は漫画を愛するボンクラです。

子供の頃、大人になったらきっと自然と卒業するのだろうと思っていたのですが、そんなことは全然なく、いまだに夢中で読んでます。ごめんなさい。

 

もはやおっさんですが、相変わらず夢中です。

 

さて本題に入りましょう。今回ここに記したい漫画は、現在週刊マガジンに連載中の作品「Days」です。

今年アニメ化もされたメジャーな作品ですからご存知の方も多いでしょう。高校サッカーが題材のスポ魂ファンタジー作品です。読んでる方は分かっていただけると思うのですが、ファンタジー要素の濃いサッカー漫画です。キャプつばほどではないですが、相当です。でも面白いんです。

 

因みに私はアニメの方は全くもってダメでした。見てられなかったです。ごめんなさい。

 

…それはさておき本題です。私が記したいのは週刊少年マガジン11月23日号のDAYS「175th day 信頼と尊敬」です。

これが本当に良かったんです。ここ最近読んだ漫画で一番ぐっとくる話だったのです。あまりにも良すぎてマガジン買っちゃうぐらい良かったんです。大分日も立ってるんだけどいまだに読み返すぐらい良かったです。くどいけど本当に良かったです。良いのです。ですです。

 

因みに私がひつこく良かったと思うのは話の後半なのです。正直前半の件はどーでもいいのです。私が激しく心を掴まれたのは、物語の中盤、聖蹟高校サッカー部の顧問の中澤先生が試合前の控室で選手に話しかけるところからの一連の流れが本当に素晴らしいと思ったのです。高校サッカー最強、十傑と呼ばれる(中2病っぽいね)傑出した実力を持つプロ入りが内定したプレーヤーを3人擁する梁山高校との対決を前に中澤先生はある告白を選手たちにします。

 

俺は、現役時代大した選手ではなかったと、そのことを伝えます。まあでもそれは、物語の中でもほとんど周知の事実であり、選手たちも知っていました。ただこの後に続く告白からの流れが本当に素晴らしかったのです。

 

俺がメンバーに選ばれたのは、高校3年間で1度だけだった。

スタンドから見ていた聖蹟イレブンは、いつもカッコ良くて俺の憧れだった。

その気持ちは今も寸分も変わらん。

 

 正直、うわっと思いました。これは凄いと。これってサッカーに限らず全ての分野のスタンドから、その先を眺める人の大半の気持ちをびったッと言語化してる!っと思ったのです。そうなんですよね、いくら年を取ろうが、老いぼれようが、いつまでたってもその先に立つ者たちへの羨望や憧れ、尊敬は変わらないんですよね…。悔しいし虚しいかもしれないけど、決してその先に足を踏み入れられない人間にとって、そういう風に見つめるか、完全に目を逸らすかの二択しかないんです。いや、このセリフは本当にグッときます。そのあと、中澤先生のモノローグに入ります。

 

中澤、腐るなよ。

厳しかったがいい監督だった。

あの人ならこんな時選手が欲しい言葉を言えたんだろうな。

俺は大した監督ではない。それは十分認識している。

目を見張る戦術も、劇的な演説も、何一つない。

ただ一つ、俺にできることは選手たちを心の底から尊敬し、最後の最後まで味方でいてやることだけだ。

俺はずっと支えてくれたお前たちにこれぐらいしか言えん…。

 

ノローグの最中、中沢監督は選手たちに歩み寄り、ただ一言「頑張れ」と声をかけていきます。いや、この「頑張れ」は正直相当な重みをもった「頑張れ」ですよ。全てのそちら側に行けなかった者のそちら側に立つ人間に託す思いです。これは、この言葉は殆ど呪いです。凄まじく重い思いです。

 

1年から2年、そして3年生へと一人一人の名前を呼び、ただ「頑張れ」と声をかけていくんです。1年はその頑張れの意味がイマイチ理解できません。2年は、一部の人間はその頑張れの意味を理解しています。そして3年は、その頑張れの意味を痛いほど理解しているんです。この時、これまで名前すら作中で紹介されたことのない控えの三年生部員3人の名前を呼ぶんですが、この時の控えの部員たちの表情が凄まじく良いんです。特に伊藤。そしてレギュラーの5人の3年生に続く件がもう最高なんですよ。灰原と国母の表情なんかもう何て書いたらイイのか分からないぐらい心を鷲掴みにされるんです。

 

そんな中沢監督の言葉をキャプテンである水樹が片手をあげて遮り一言中沢監督に声を掛けます。

 

大丈夫。監督。めちゃくちゃ頑張ります。

 

いや、良かった…。何度読んでも痺れます。この件。本当に最高です。基本私は、人から頑張れと声をかけられたら「てめーが頑張れ、このボケなすがぁ!」言い返してしまいたくなる衝動に駆られる荒北イズム*1の人なんですが、流石に素直に感動しました。中澤監督は自らをポンコツと自嘲しますが、相当なモチベーターです。中澤監督の「頑張れ」に対する水樹の「めちゃくちゃ頑張ります」の返しも本当に素晴らしいと感じました。

 

いやもう続きが本当に楽しみなんですが、余韻に浸りたくてその後マガジンを全く読んでいないので全く分かりません(笑)けれどこの話で終わっても別にいいくらい大満足してしまったのです。

 

つまるところ私的にDaysが不朽の名作になったっという事を明記したかったのです。そういう話でした。お粗末。

 

 

DAYS(20): 週刊少年マガジン

DAYS(20): 週刊少年マガジン

 

 多分このエピソードはこの巻に収録されるはず。この巻だけは必ず買わねばなるまい。

…ぎゃふん。

 

 

 

青春×自転車。「ヤング・ゼネレーション」(1979)

ピーター・イェーツ監督作品。

 

青春とは挫折と失敗の連続である。

それに劣等感をプラスしたら完璧と言える。…個人的な意見ですがね。

 

自転車に夢中でイタリアかぶれ。ちびと言われると切れるちび。過去の栄光を引きずった大学生コンプレックスのこじらせくん。何だかよくわからん馬鹿…。

 

本作の主人公たちも上手くいかない青春を過ごす側の人間だ。

イケてない、何か鬱屈したものや劣等感を持って生きている。ああ合掌…。

 

物語は石材所のある街を舞台にした青春ドラマ。

街には大学があり、学生たちは他所からやってきた裕福な家庭の人間が大半。

町の人間は、地場産業である石材所を基盤にした裕福ではない家庭が多い。

当然ぶつかる二つの文化。大学生と地元民との軋轢。

大学生達に「カッターズ」と揶揄され馬鹿にされる地元民。原住民と軽んじられている。

そんな舞台を背景に自転車狂でイタリアかぶれの主人公が、大学生に恋をして…と言った話。

 

まず最初に断っておく。私は青春映画と言う奴に弱い。

好きなんです。

惨めで恥ずかしくて頭が悪くて一途で無鉄砲で時に罪をもいとわないダメな感じ。

どうにもこそばゆいこの感じ。

嫌いじゃない。というかむしろ好き。

 

自分自身の青春を振り返ってみれば、漆黒と言って差支えない暗黒しか見えないのだが…。

ならば普通は、その手の青春映画など唾棄しつつ中指を突き立て、悪態の一つや二つ吐きそうなものなのかもしれないが、そんなことは全くない。

 

全然余裕で楽しめる。不思議なもんだね。

 

「グッド・ウィル・ハンティング」「遠い空の向こうに」「テレインスポティング」等好きな映画が多い。

 

良いね青春映画。憧憬しているのかもしれない。

 

本作も相当面白かった。というか面白すぎた。

アカデミー脚本賞受賞作なので当たり前か。

 

とにかく主人公が良い。自転車狂でイタリアかぶれのちょっと痛い子ぶりも良い。

憧れの自転車チームの現実を知り、打ちのめされる様も良い。

好きになった大学生の女の子に、イタリア人留学生と嘘ついて付き合った結果、最終的に嘘を自白して盛大にびんたされ、フラれる様も良い。

イタリアかぶれが理解できずにいたに親父に励まされて、自分の人生と向き合うさまも良い。

最終的にそんな鬱屈した気持ちを自転車レースにぶつけ炸裂するさまも最高だ。

そしてオチ。もう反則だ。

自転車狂の主人公ゆえにそのオチはある程度予測していたが、それでもニヤリとせざるおえない、洒落乙なラストまで本当に最高でした。

 

程度の差はあれ、世の中の大部分の人間は憧れられるような青春を送ってはいない。

どうにもうまくいかない、つまらない青春を送る人間がほとんどだ。

それでも何とか折り合いをつけて、生きていかなくてはならない。

現実を受け入れるなり、打破するなり何らかの方法で生きていかなくてはならないのだ。本作の主人公は最終的に挫折とか劣等感から解放される。まさしく原題であるBREAKING AWAY(離脱)したわけだ。いや、ホントよくできてる。傑作だ。

 

 

 因みに私はいまだに色んなものから離脱できていない…。泥の中である。

ぎゃふん。

 

 

 

 

 

 

これは怖い。「それでも僕はやってない」(2007)

周防正行監督作品。

 

私は好きな物を最後の最後にとっておくタイプの人間である。

しかもダメなタイプのとっておき型だったりする…。

 

要は、大抵、失敗するのだ。

 

時機を逸し、機会を逸し、旬を逃すのである。

 

全くもって、あほである。

 

しかし、そんなことは重々承知しているのだが治らない。というか治せない…。

如何し難い人間なのである。それが私だ…。ぎゃふん…。

 

 

周防正行監督の撮る作品は相当面白い、そういう印象がある。

 

ファンシィダンス→しこふんじゃった→shall we ダンス?

 

凄い流れである。

 

何たる高水準、高打率!もう最高である。

しかもだんだんとメジャー指向になっているにもかかわらず、どれもこれも面白い。

まるで出世魚のようにグレードアップしているじゃないか!

しかもエンタメ指向!素晴らしい。

 

個人的にはファンシィダンスが超ツボで、後にも先にも漫画原作でこれほど面白く感じた作品は他には無かった。当時はまだビデオテープだったんだけど、比喩表現なしで録画したテープが擦り切れるまで何度も見てた。それくらい超好き。

 

それから、周防監督作品を追っかけるようになったのだが、shall we ダンス?からのインターバルが長すぎたため、ちょっと熱が冷めた。まあそれでも面白いんだろうなと思い、いつか見ようと思っていたのだが、まさか公開してから9年たってから見ることになろうとは思いもしなかったよ。

 

結論から言うと、凄く面白かった…。

 

ああ、しまった!もっと早く見ればよかった。

痴漢冤罪物の社会派映画との触れ込みを聞いていたので、今までのエンタメ指向と若干毛色が違うのかと思っていたのだが、そんな題材にもかかわらず、十分エンタメしてた。

 

うおー‼‼‼‼。私は間違いなく損してる。返す返すも、もっと早く見ればよかった‼‼‼と、思った…。

 

映画は、まの悪い主人公が、電車で痴漢と間違われてからの顛末を描いているのだが、何とも不条理な物語である。

 

無実の主人公は最後の最後まで報われない。

 

不条理であり、不平等であり、最終的には滑稽ですらある。

無実の人間が、最後まで報われないという事は、何ともやるせなく、切なく、虚しい事か。色んな意味で日本の司法制度というものを考えさせられた。

 

しかし、よくある話でもある。

現実社会も、往々にして不条理で、不平等で、滑稽なものだ。

社会に出ると、大人になるとホントに感じさせられるよね…。こん畜生…。

 

よくよく考えると、これは怖い話でもある。

いつ自分の身に降りかかて来てもおかしくない話だ。

満員電車で、まが悪ければ、男であれば起こりうる事態なのだから…。

 

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…ってそういや私は、社会人になってから電車通勤したことない…。ぎゃふん! 

 

 

 

 

 

魔の屋敷との対決。「双亡亭壊すべし2」 藤田和日郎

 

双亡亭壊すべし 2 (少年サンデーコミックス)

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 あかん。面白いい!!ってこればっか書いてる気がするが仕方がない。事実面白い。やるなサンデー、小学館!!

 

藤田さんと言えば、血みどろ、スプラッター、怪異の三点セットが定番で、これまた期待通りの物語でぃーす!(シマリス風)

 

ホラー・オカルト物の定番、館モノで内容は題名の通り、「双亡亭」と呼ばれる幽霊屋敷とそれの破壊を望む人間との攻防を描いているんですが、いよいよ本巻では、双亡亭の破壊作戦が始まります。そして衝予想通り、早くも暗雲が立ち込める悪夢的展開になっております。

 

しかし怖いですな。何というか館、屋敷って、古いものになればなる程、その存在に何とも言えぬ迫力を普通に感じますもんね。そこに幽霊とかお化けとか言うキーワードをつけちゃうともう恐怖しか感じないもんね。根源的な恐怖ですよ。そんなんだからオカルト・ホラーものではど定番ジャンルなんですが、そのど真ん中ジャンルを藤田さんがどう描くのか非常に楽しみです。…まあ血で血を洗うホラーアクションものになるんでしょうけど(笑)楽しみです。

 

因みに個人的には宿木さんが1番気になるキャラクターです。もっと活躍すると良いな。いや、ヒロインの紅も良いんですけどね。

 

 

自分を探す不思議な美少女「柊様は自分を探している。2」

 

 あかん。面白い。

西森さんの代表作と言えばデビュー作「今日から俺は 全38巻」なのだが、それ以来コンスタントに良作を作り続けている印象が強い。まあ、若干外し気味の作品もありますが、私は結構好きで、ほぼ全作品を読んでいる。個人的には特に「お茶にごす。全11巻」がクリティカルに面白く、再注目して、その後の作品を楽しみにしていた。でもその次の「鋼鉄の華っ柱 全9巻」も面白かったんだけど、クリティカルとまではいかなかった。で、本作である。クリティカル!いやもう西森ワールド全開である。ストーリーテリングの妙は相変わらずで、ヤンキーも相変わらず(笑)。個人的には伝奇チックなストーリも気に入ってます。何よりも主人公である柊様がいい!黒髪ロングで能力者で美少女でちょっと邪悪って最高ですか!ひょっとすると今一番次が楽しみな作品かもしれない。最高!

週末が近づくとワクワクするね。プレミアリーグの話。

それに尽きます。

もう週末にプレミアリーグが無い生活は耐えられないのです。

 

あ、フットボールの話です。

 

しかし、月曜のリバプール対ユナイッテド戦は何だか上手い事やられた感じですね。

 

さすがモウリーニョと言ったところでしょうか。

 

リバプールの良い所を完全に潰しに来てましたね。攻撃は放棄してましたが…。勝ち点1をきっちりアウェーで奪う守備的戦術。ズラタンのワンパンにかけてました。まあ、そこさえ潰しとけば良いんでリバプールの守備陣でもなんとかなりましたが(笑)。今季初のクリーンシートですよ。めでたい。

 

今節はウエストブロウィッチ戦ですが、JSPORTSさん今季は生放送が少ないのでリバプール戦は録画放送です…。悲しいなあ。待ち遠しいなあ…。

 

 

レスターの奇跡

レスターの奇跡

 

 昨シーズンのプレミアの話題を総ざらいにしたのは間違いなくレスターシティーだろう。開幕前からそのチーム自体は知っていた。ゲーリー・リネカーの出身チームであり、岡崎慎司の移籍先のチーム。しかしまさか優勝するとは露ほども思わなかった。本書はレスターの3部時代から取材し続ける番記者が綴った公式ブログを一冊にまとめたもの。…しかし優勝オッズが5001倍のチームが優勝って…。エルビス・プレスリーが生存している確率も5001倍の模様…。想像を絶する奇跡だね。うらまやしいぜ…。

 

 

君はひとりじゃない スティーヴン・ジェラード自伝

君はひとりじゃない スティーヴン・ジェラード自伝

 

 リバプールでのラストシーズンを中心に過去、現在、未来をリバプールのレジェンド、スティーブン・ジェラードが語る自伝。私がリバプールを好きになったきっかけの人。結構、正直に気持ちを綴っている印象を受けた。ああ、やっぱり我らが誇り高きレジェンドはホントはもっと勝って勝って勝ちまくりたかったんだろうなぁという気持ちがひしひしと伝わってくる一冊。本国で発売したときから欲しくてたまらなかった本。発売日に買ったものの、すぐ読むのがもったいなくてずっと積読していた。何たる本末転倒…。いや面白かった。最高です。レッズファン的には一家にに一冊の必読書。

 

 

プレミアリーグ観戦レシピ

プレミアリーグ観戦レシピ

 

 プレミアのトリビア本。私は基本リバプールの事しかよく知らないことが本書を読んで発覚。プレミアファンではなくリバプールファンな模様…。

 

 

ヨハン・クライフ「美しく勝利せよ」

ヨハン・クライフ「美しく勝利せよ」

 

 因みに私が持ってる本の帯には、この本を読まずしてフットボール&Wカップは語れないとのコピーが…。いや!語れるだろ!と思わず突っ込んでしまいますな(笑)…しかし本書を読んで確信しました。遠くで見ている分にはカッコいいし面白いしイカしているが、実際近い所にこんなんがいたら厄介過ぎる(笑)。天邪鬼でアー言えばこー言う天才。カッコいいが厄介。それがヨハン・クライフと思い知った一冊。

 

 

という事で、試合観戦までにテンションを高めるため、いろいろフットボール関連の本を読んじまったぜ…。そんだけの話。ぎゃふん。
 

 

 

正直予想外。真田丸。

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真田丸の中盤戦を一気に見た。結論から言うと面白かった。いや、それでは足りない。凄く面白かった。本当に。

 

序盤の上田城攻防戦ぐらいまでの感想は以前書いたのだが、正直イマイチだった。

その評価は今も変わらない。どーにも軽い物語。うすら寒い笑い。ちんけ過ぎる殺陣とアクション。時折、面白い所もあったが、正直キツイし辛かった。唯一の救いは草刈正雄さん演じるところの昌幸だけだったんですが…。

 

これがどうして、その後面白くなっちゃった。吃驚である。

 

軽い会話は相変わらずなんだけど、情報量が多くなった。これは、登場人物の増加も関係してるんだろうけど、かなりいい感じだった。テンポが序盤よりもかなりいい感じ。まあ、いろんなイベント満載の時代なので、矢継ぎ早に起きる出来事と軽い会話が何かかなりマッチしていい感じ。それでも色んなイベントを相当端折っちゃってるんっだけどこれが相当イイテンポ感を出している。最高です。

 

戦国歴史ものなのに合戦を全く描かないというのも功を奏していると思う。正直へっぽこなアクションやショボい合戦シーンを見せられるより、テンポのいい会話劇の方が全然良い。というかホントにそれが面白い。関が原が一瞬で終わるんだもの。この潔さとスピード感。何というか、それが非常に良いんです。正直これは会話群像劇としてかなり秀逸なんじゃない。いやそれくらい面白かった。

 

やっぱり秀吉と光成の登場がデカいような気がする。人たらしの老害狂気の猿と、官僚堅物融通の利かない堅物と言う、濃すぎる二人は相当いいキャラだった。そういったキャラのおかげでようやく信繁が生きてきたような気がする。それまで微妙な感じだった(何かくせが強い感じだった)のだが、この濃い二人のキャラに振り回されることによってやっと素直に感情移入して主人公として見れるようになった。というか、主人公よりも、先の二人の癖が強すぎた。もっと言うとそれ以外も癖のあるキャラだらけになったため、主人公の方が普通になってきてしまった。慣れって怖い。まあ、面白くなったのでオールOKなんですがね。

 

個人的に中盤で一番熱いなと思ったのは、北条氏政に秀吉に詫びを入れて命乞いをしろと説得に、徳川家康上杉景勝真田昌幸小田原城で一堂に会する場面。この面子が一堂に会するっていうのは相当妄想が捻りますね。最高でした。

 

とりあえず、昌幸の死ぬ回まで見たんだけど、この後も楽しみだ。ただ、さすがに大坂の陣は合戦も描くんだろうな。あえて合戦をすっ飛ばしてきたことにより面白くなってきた感があるののだが…。うーん。大丈夫だろうか?まあ期待しよう。

 

 

 

 

いよいよラスト「X-MEN アポカリプス」(2016)

ブライアン・シンガー監督作品。

 

 遂に新3部作完結編。原始にして原初のミュータントの没落から復活、そして破滅の物語...が添え物の物語。実際はプロフェッサーXとマグニート—との熱いブロマンス物語だ!(それっばっかでごめんなさい)でも、それが最高だ!

 

私のX-MEN映画の視聴の時間軸で行くと実はこの作品を1番初めに見ている。つまり1~5をすっ飛ばして、この最新作から見始めたのだが、結論から書こう。この最新作のボス、先にも書いたが、多分、人類で一番初めに誕生したであろう、ミュータントが本作のラスボスなのだが、これがシリーズ最もショボいボスなのではなかろうか?と思うような微妙なラスボスなのだ。

 

見た目は青く、ごつく凶悪そうなのだが、何だかショボい。やることなす事、何だかな~…。とつぶやきたくなるショボい奴なのである。何というか、能力も、結構シリーズ中でもかなり強いはずなんだけどやってることの印象がショボいんすよ。

大体こいつ、古代エジプトでその能力で世界を支配してたらしいのだが、能力のない人間たちの反乱であえなく封印される。命自体は手下のミュータントに守られ事なきを得たが、長くエジプトの地下深くに封印されることになってしまうのだ。

…もうこの時点でショボい。たとえ周到な計画がされていたとはいえ、特殊能力を全く持たぬ人間にいいようにやられるって…。しかも古代エジプトの民に…。これはミュータントを落とすべきか、古代エジプトの民を上げるべきなのか、何とも判断つけかねるんだけど、どっちにしろやられちゃってるミュータント、ショボ!という印象しか持たない…。

 

そんなこんなでなぜだか現代で復活する機会を得たわけなんですが、多分シリーズ最強の能力者なんだろうけど、その能力を最後まで発揮することなく滅せられる。一応見せ場はあるものの、結局の所、マグニートツンデレぶりを遺憾なく発揮させるための手段に過ぎず、プロフェッサーやジーンの引き立て役で終わってしまう。切ない。切なすぎるだろ!南無ぅ~…。

 

…だが、まあ仕方がないね。このX-MENと言う物語は、結局の所、プロフェッサーXとマグニートーの物語だからね。色んなキャラがいっぱい出てきても、最後は結局2人で締めちゃうもんね。まあ、好きだから良いんだけど…。

 

しかし、この作品最大の見せ場はロン毛のイケメン、プロフェッサーXがなぜイケメンスキンヘッドになったのかについての答えがあることだ。結論的にい言うと、後天的なものだったのね。可哀想に…。でも前作で、時間軸がちょっと変わってるはずなのに、このままでも第1作につながるって…。行き着く先は一緒なのか?ロードトゥーハゲなのか?まあカッケーから良いのか…。

 

 

 

長かった…。やっと私のX-MEN祭りが終わろうとしている。総評としては、プロフェッサーとマグニート—さえいればオールOK!みたいな。そんな感じの作品でした。というか他のキャラいらなくね?その分の尺をもっと二人に与えていればもっと最高の物になったのではなかろうか?などと妄想する今日この頃でした。

 

え、スピンオフ?

 

私はウルヴァリンって、もみあげの長さくらいしか興味持てなかったんだよな~…。

ぎゃふん!

 

 

g029.hatenablog.com

 

 

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大したこと書いてないのに、記事を書くのに相当時間がかかってしまいまった。作品自体は2日で全て見てしまったんですが(笑)。 嵌り過ぎか?キャラ的には、プロフェッサーXが1番好きですね。新旧ともにね。フォーエバー!プロフェッサーX!

 

 

まさかのターミネーターネタ…。「X-MEN フューチャー&パトス」(2014)

ブライアン・シンガー監督作品。

 

いや。まさかのである。もうタイトルで書いたのがまんまなのだが、まさかのターミネーターネタである。本作は時空を超える時間軸改変の物語、所謂ターミネーターまんまな物語なんですがもはや、恥ずかしいとか、臆面もなくとかそんな言葉を超越して清々しく、潔い感じの作品となっている。いや、面白さこそが正義である。その姿勢は正しいよ。さすがだよブライアン。

 

もしも「X-MENの世界観でターミネーターをやったら~」ドンドンパフパフ!という事をやってのけている。現在、過去、未来~🎶とどこぞの歌謡曲のような展開なのです。

 

マジです。あほです。最高だぁ!…。

 

何よりそんなあほな話を旧三部作、そして前作の収束点にしてしまおうとする力技。剛腕過ぎるストーリーテーラーぶり、不覚にも胸をときめかせてしまいました。点と点が線になっていく。この作品ですべての物語がリンクしていくのは結構痛快です。

 

相変わらずプロフェッサーとマグニートーのブロマンスは健在ですが、養分は少なめでちょい残念。しかし今回はその内容から、新旧のキャスティングが入り乱れるため、ファン的にはおいしいです。特にジジイな二人を再びこの目で拝めて幸せです。あと本作は、X-MEN史上、最もヘタレなプロフェッサーの姿を拝める最初で最後の作品であり、これまで出てきた伏線(はげるネタ以外)をすべて回収して、プロフェッサーが最強のテレパスになる過程が楽しめます。最高です。

 

ただ個人的に1番カッコいいと思ったのは、ミュータントたちを撲滅していくセンチネルだったりする…。

 

 

本来はウルヴァリンが…主人公だし、現在過去未来と行ったり来たりで大活躍っだったはずなのだが、まるで印象に残っていない…。あ、もみあげは相変わらず凄かった…よ。

 

ぎゃふん。

 

 

どんな苦難が彼の容姿をあそこまで変えたのか・・・。「X-MEN ファーストジェネレーション」(2011)

マシュー・ヴォーン監督作品。

 

新三部作第1作目。まず最初から書いてしまうけど、この作品が個人的には新旧三部作で1番面白いと思った。何つ~か一言で言えば、最高である。

 

時系列で言うと、物語の一番最初に当たるのが本作。若かりし頃のプロフェッサーとマグニート—との出会いから、袂を分かつまで、そこにキューバ危機を絡めて、突然変異者達の暗闘を描いている訳なんですが、これが良いんです。特に暗躍する突然変異者の親玉がケビン・ベーコン。これが最高です。好きなんだな、ケビン・ベーコン(笑)。見た瞬間、どんな映画でも一発で悪者だってわかっちゃうんだもんなぁ(笑)。そんだけ俳優としてのキャラが濃いんですけど、今回はナチスの残党の突然変異者(かなり強力)を演じています。ケビン・ベーコン、素敵です。

 

今作で一番危惧していたことは演者が変わることでした。なんせ、若かりし日の物語という事で、お爺ちゃんズでは無理。パトリック・スチュアートイアン・マッケランからジェームズ・マガヴォイとマイケル・ファスベンダーにバトンタッチとなったわけなんですが、これが不安だったんです。だって、基本X-MENって=ジジイ二人のブロマンス映画でしょ!

 

…要はジジイ二人が魅力的過ぎたんですよ!その二人を外して大丈夫なのかよ…と。

 

でもそれは杞憂でした。いや、マグニートーマイケル・ファスベンダーは正直、可もなく不可もなくなんですけど、プロフェッサーXのジェームズ・マガヴォイは相当イイです!いやぁ、正直1番不安なのがプロッフェサーだったんですが、そのプロッフェサーが今作一番キャラがたってます。知性があり勇敢で最強のテレパス、しかもイケメンで強メンタル。ほぼチートです。ヤッハー!でもそこが良い。ビバ!プロフェッサー!フォーエバー、パトリック・プロフェッサー!…。

 

しかし、一体どんな艱難辛苦をな舐めたのだプロフェッサーよ…。マグニート—の老いまでの変貌も大概だと思うけど、そんなの比べ物にならないくらいの変貌だろ…。ジェームズ・マガヴォイからパトリック・スチュアートって…。その変貌を妄想するだけで、どんぶり飯50杯はおかわりできるぜ!って、私だけか?

 

どうしてもシリーズ第1作という事で、顔見せ興行的なストーリや、若干物語のテンポの緩さがあるものの、旧三部作からの繋がりや、今後の展望を匂わせる丁寧で濃厚な物語を展開させる手腕も見事だと感じました。いい仕事してるぜ!マシュー・ヴォーン!

 

これを見ちゃうと、マシュー・ヴォーン監督の続編が正直見たかったなと思ってしまいました。…まあ次からまたブライアン・シンガーに戻るんだけどね…。

ぎゃふん!

 

 …結局、プロフェッサーとマグニート—の物語なんだよな…。いや、好きだけどね。

 

 

 

 

 

旧三部作完結編。「X-MEN ファイナル ディシジョン」(2006)

ブレット・ラトナー監督作品。

 

 本作は旧三部作のラストに当たるが、監督が交代している。なんでもこれまで監督を務めたブライアン・シンガー監督が、「スーパーマン リターンズ」の監督を務めることになり途中降板したらしい。まあ元々大味な作品なのでそこまでの違和感はない。ただネタを詰め込み過ぎて焦点がボケてると言うか、軸が何かぶれてる感じがした。

 

本作の最大のテーマ。突然変異は人としての進化か、それとも人としての病なのか。本作では「キュア」と呼ばれる突然変異の能力を無効化する特効薬が作られ、突然変異者たちに、その選択を迫る。能力のない人に戻るか、能力を持った突然変異者として生きるかと言うのがテーマの一つ。それとは別にシリーズ最大の力を持った突然変異者の覚醒とそれとの対決がもう一つのテーマなんですが、どっちも消化不良気味なんですよね。単純に尺が足りないというか…やっつけ感がありありです。特にサイクロップスとローグの件はもう少し何とかならなかったのか…。第1作から登場しているキャラなのに、…不憫です。いつもの事なのですが…。

 

人間と共存派のプロフェッサーX率いる一派は、キュアの使用を自由意思に任せる。そして、人間を撲滅して突然変異者達の世界を創造するマグニート—の一派は不満分子を集め、キュアの製造元の破壊と人類との決戦を挑む。それを向かい打つX-MEN達…。キュアーの秘密とシリーズ最大の能力者の覚醒が絡んでと…まあそんな感じの話。

 

完結編という事で画は非常に派手でカッコいい。非常に満足の出来である。しかし個人的には旧三部作でこの作品が一番楽しめなかった。私の中でX-MENとはプロフェッサーXとマグニート—とのブロマンス映画との認識があるので今作は少々、消化不良気味です。出番が若干少ないっす。ああ、プロフェッサー…。

 

しかし、少ないながらもやっぱり濃いのはお爺ちゃん二人なわけで、相変わらずこの二人はキャラがったってます。つくづく表裏一体と言うか、陰と陽と言うか、月と太陽と言うか、どこまでも2人で一セットな感じですねぇ。いやそこが堪らなく、ぐっとくるとこなんですが。…こればっか書いてるような気がするが、ホントにそこがこのシリーズは良いんです。

 

ところでこの二人の関係性って何かに似てるなとずーっと思っていたんですが、これってガンダムにおけるシャーとアムロの関係ですよね。マグニート—(シャー)とプロフェッサーX(アムロ)。…アムロに、より寛大な父性を持たして鋼のメンタルを装備させたハイスペックキャラがプロフェッサーXなんですが・・・。うーん、こうやって書くとプロフェッサーX、半端ねえな。ニュータイプと突然変異を変えてもシックリくるし、人類と地球を置き換えてもやはり同一の問題定義をしてると思うんですよね。人に絶望したマグニート—(シャー)と人に望みを賭けるプロフェッサーX(アムロ)。何かテーマが完全に逆シャーと被ってる感じなんですよね。まあそー言う話が好きなんで良いんですが。

 

ラストまで見ると、完結編と銘打ちながら続編作る気満々の終わり方。うーん。きっちり終わるのも一つの美しさだと思うですがね。本シリーズが気に入ってる方としたら妄想捻る感じで悪くないのかな。まあこの落ちで続編を決して作らないというのも結構美しい終わり方かもしれないと思いますが…。まだあるし続編…。なげーよ…。

 

しかし最後の最後で主人公ポジのウルヴァリンが活躍するするのは滾るね。

相変わらずもみあげスゲーし。って関係ないですか?そうですか…。

 

ぎゃふん!

 

 パトリック・スチュアートイアン・マッケランが最高でした。

 

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今度は共闘だ…。「X-MEN2」

2003年。ブライアン・シンガー監督作品。

 

2つの敵対する勢力の攻防を描く映画の続編を作る場合、一体どんな続編を作るのか?安直に考えるならば第三勢力を出現させ、敵対していた勢力同士が手を結び共闘を図る…。はっきし言って手垢がつきまくったこの誰もが考えるような展開を、恥ずかしげもなくやってしまってます。もはや安直とか、ベタだとか、恥ずいとかを振り切っちゃってもはや清々しい感じの作品となっております。

 

でもこの作品。捻られるよりも安直、単純、ベッタッベタな展開の方がしっくりくるのもまた事実。何といてもこの作品の肝は二人のおじいちゃんのブロマンスなのだから。今作でも期待を裏切らぬ、マグニート—のツンデレぶり。炸裂してます。そしてそんなマグニートーと敵対しつつも溢れる友情を隠し切れないプロフェッサーX。どんだけマグニート—好きやねん…。いや、その関係が素敵なんだけどね。もうこの二人だけの話でいいんじゃね?と思うくらいこの二人の絡むお話は素敵ですです。

 

しかしこの作品、サイクロップスは何処まで行っても可哀想な残念キャラですね。ほんとはリーダー格のキャラだと思うんですが扱いが酷い…不憫です。

 

ウルバリンはもみあげが成長した以外まるで成長していない…。

 

人類共存派と人類抹殺派とミュータント抹殺派のそれぞれの思惑を抱きつつ物語は進んでいくわけなんですが、冒頭でも書いた通り、ベッタベッタの、見ているこちら側の想像を超えるような展開は1ミリたりとも起こらない、本当に素晴らしき予定調和な物語が最後まで展開されます。うん。キャラムービーに変な捻りはいりません。ベタ最高!

 

いや、ディスってるわけじゃなく本当にそう思う。ビバ!ベタ!車田正美イズム!

 

ただ、ジーンの件はちょっと突っ込みたい!あれって外に出る必要あったの?艦内でもできたんじゃね?…ただ単にドラマチックに盛り上げんがために外に出させるというのは何か納得できないんだなぁ。ああモヤモヤする。

 

まあでもマグニート—とプロフェッサーXさえいれば俺的にはOKなんですがね。

要はパトリック・スチュワートイアン・マッケランは最高だってことで。

 

おあとがよろしいようで…ぎゃふん。

 

 

 とにかくジジイが最高です。

 

 

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SFと言うよりオカルト・伝奇ものと言った方がしっくりくる。「君の名は。」

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2016年公開、新開誠監督作品。

 

夏休みが空けた9月最初の週の月曜日、仕事があまりにも早く終わり映画でも見に行こうと思い立ち足を運んだ。実はリブート版のゴーストバスターズを見たかったのだが、その時間では吹き替えしかやっていなくて断念した。私は映画館では俳優さんの肉声まで楽しみたい派。最近は吹き替え版の方が放映回数多いんだと痛感しつつ別の映画を選択することにした。で、あとは何があるかなという事で選択したのが本作なのでした。

 

興味がまるでなかったわけではなかったが、積極的に見るつもりもまるでなく、何の気なしに見たのだが、結論から言いうと相当楽しめた。本当に面白かった。

 

これは私的にも意外であった。と言うのもこの作品、公開前に予告である程度の内容を知っていた。所謂人格入れ替わり(イケメンと美少女)もので青春恋愛もの…。切ないオブザ切ない。そんなんが売りの映画なんだろうなと予想できた。で、音楽がRADWIMPS。もう中2病全開の切ないオブザ切ない映画以外あり得ない…。で、見たらやっぱりそんな映画だった。

 

けれど、その切なさが意外にもぐっと来た。見てるこっちはおっさんだしそういったものが鬱陶しく感じるかなとも思ったのだが逆にその切ない感じが物語的に良い感じで、我ながら吃驚するのだが、そこにぐっと来た。色んなことに疲れているのかしら…私。

 

いや、そりゃぁ好きになっちゃうよね。入れ替わった相手があんなこ達なら。正直、自己投影して観るタイプの方にはきっつい話ではあるけれど(基本、人格入れ替わり云々はよそに置いといたとして、学生時代に美男美女で恋愛するなどと言うのは、無いとは言わないが一握りの選ばれた人種のみであろう…。)、客観的、俯瞰で見ると、物語としてはキュンキュン来る映画ですよね。お互いがだんだん相手に好感を好意を持っていく感じが、人格入れ替わりの装置をうまい事利用して分かりやすく描かれてて。ああ、俺、掌で完全に踊らされていると分かっていてもそれが気持ちよかった。正直そういった感情は枯れてるんだけど真剣にそこが良かった。ああキャッキャウフフしたい。

 

入れ替わりの際、それを分かりやすくするために胸を揉むシークエンスが挟まれてるのも感心した。時間の経過とともに、そのニュアンスが変わっていって、最終的に泣きながら胸を揉むというシーンに至っては、笑うどころか感動を不覚にも感じてしまった。きっと本来は笑いのシーンなんだろうけど、やけに共感してしまった。もう会えないはずの彼女に会えたら(入れ替われたら)、思春期ど真ん中なら確かに泣くよね。でも男の本能で揉むよね。うむ。正しいよ。

 

しかしこの映画、SF的だって言われてるけど、どっちかっていうとオカルト、もしくは伝奇物って言った方がよくね?そっちの方がしっくりくるし違和感ない感じなんですが。広域的に見れば確かにSFなんだけど、劇中のヒロインの友達が持ってる鞄の中にさりげなくムーとか入ってるし、意図的だと思うんですが。どーでもいいですか。

 

まあ、何だかんだで相当楽しめた。無論突っ込みどころも一杯あるのだけれど物語としてうまい事収束してたのであーだこーだと突っ込むのも野暮かなと思う。少なくとも、個人的には見てる間は映画の世界観に引き込まれていたので満足した。

 

正直な所その結末が若干モヤモヤする気持ちはあるのだけど、まあそれはそれでよいのかなと思う。作品は終わっても物語は続くというのは基本だよね。うん、好みだよ。

 

…しかしこの主人公は最後までぶれなかったね。結果的にではあるけど最後の最後まで年上の女性が好みなんだね。ほんとにどうでもいい話なんですが…。

 

ぎゃふん。

 

「ピース・メーカー」異世界西部劇。完結したので簡潔に感想。

全17巻。皆川亮二作。

 

まず最初に、俺はガンアクションものの漫画が結構好き。そして西部劇が好き。

 ちょっと前に完結。何となく感想を書きたくなったのでここに記す。

 

皆川亮二さんの書く漫画が俺は好き。単純に一番最初に読んだ「スプリガン」のインパクトにやられて現在に至る。単純にファンです。基本全作品読んでいる。そんな感じ。

 

本作は異世界西部劇。銃士と呼ばれるガンマンたちが席巻する世界。2部構成になっていて、1部は父の死にまつわる秘密を解明するために行方不明の兄を主人公が探索する話。2部は、1部から5年後の世界。G・O・D(ガン・オブ・ドミネイション)なる3年に1回開催される世界最強の銃士を決定する大会で新主人公(1部と主人公が違う)が挑戦する迄の道のりと結末までの話になっている。

 

基本皆川さんの書く主人公と言うのはテンプレでほぼ皆同じ性格である。多少のバージョン違いはあるものの、全作品ほぼ同じ性格である。本作も同じ。(D-LIVEの主人公が一番近いか?)

正義感があり、すっとぼけていて抜けているように見えて異能を持つ。少年漫画の王道のような主人公だ。まあ、安定感がある主人公です。舞台設定も良く、西部開拓時代ぐらいの文明レベルに設定されており、銃士と呼ばれるガンマン達の決闘(デュエル)と呼ばれる早撃ち勝負を魅力的に描いている。る、のだが…。

 

しかし、話を追うにつれやたらと既視感を感じてしまった。

これに似た話を俺は知っている。 …。

 

…まあぶっちゃけるとGガンダムである。西部劇版Gガンダムと言って差し使えない。

ガンダムファイト=決闘(デュエル)だ。

第1部の行方不明の兄を追う展開。第2部のG・O・Dに至る展開。

物語の骨組み自体がGガンダムのそれ。

実際の所、主人公=ドモン。兄=キョウジ&東方不敗。その他の主要銃士=シャッフルおよびその他のGFで余裕で脳内変換できる。

ただ、主人公が基本殺さずの不殺信条の、るろ剣チックなマインドな奴なのでめんどくさく、これがドモンであったならばと思う瞬間が幾度もある。が、一緒だとどいつもこいつもぶっ潰す話になってしまうので仕方ないか…。まあ最終的には希望の未来へレッツゴーと言うお話であった。(嘘です)

 

一番の見所はやはりG・O・Dか。もう出てくる銃士(もはや銃すら持たない者も多数いる)が超人ばかりの魑魅魍魎対決。特にラスト近辺の対決は圧巻。ゼータガンダムにおけるカミーユシロッコレベルのプレッシャーを持つ(目に見えるやつです)ものばかり。ヤザンが裸足で逃げ出すようなレベルの対決が繰り広げられる。最高かよ。

 

西部開拓時代から現代にいたる狭間で、戦争のあり方の変化をガンマン風情が止めようとする大風呂敷とけれんみ。最高だ。

 

しかし早撃ちで世界の命運を握れるって凄い世界だ。1番強い奴が1番偉いっていうジャイアン天国…。うーん。ダメだ。俺はこの世界じゃ生きちゃいけねぇ。最高なんだけども…。

 

でも漫画としては非常に滾るものがあるんだけどね。ぎゃふん。

 

 

PEACE MAKER 17 (ヤングジャンプコミックス)

PEACE MAKER 17 (ヤングジャンプコミックス)

 

 何にせよ完結することはいいことだ。皆川さんは安定感あるなぁ。