真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

完走したんで簡素な感想。『真田丸』(2016)

        

今頃かよ…我ながら今更感が凄まじい。終わってから2か月たって、ようやく見終えた。リアタイ視聴できない性質になってしまった…。とほほ…。

 

全然旬な話ではないが、ともかく初めて大河ドラマを完走した。見切った、我ながら凄い。…故に感想を書く。

 

これまでもいくつか大河ドラマは見ているんだけど完走したことはなかった。最初だけで挫折したり、中間の面白そうなとこだけ見たり、終盤の怒涛のラスト付近だけを見たりと言った典型的なありがたくない視聴者だったわけだが、今回は完走した。

これはひとえに真田幸村と言う題材のおかげだと思う。戦国最後の仇花、真田幸村。凄く良い。幼少のころから2番目に好きな歴史上の人物と言うのが一番の要因だと思う。因みに全く関係ないが1番好きなのは日本武尊だったりする。幼年期に読んだ漫画だの小説だのの影響で思い入れがあるのだが、結局そういうのが一番デカいモチベになったりする。

脚本家の三谷幸喜さんの書いた前回の『新選組!』は頭とケツを少し見たくらいなので、それ目当てで見たのではない。というか三谷さんは年々、面白くなくなってるという印象が強い。本作も正直諸手を挙げて称賛するというわけでもない。正直序盤はきつかった。慣れるまで、麻痺するまでは本当にきつかったんだけど、慣れって怖いもので、中盤からは結構スムーズに見れた。軽い、上滑りする独特の寒い笑いも普通に受け入れれる自分がいて驚いた。

正直な話、第一次上田城攻防戦の想像以上の合戦シーンのショボさ加減に見るのやめようかと思ったのだけど、あの時やめないで本当に良かった。中盤以降の、あえて合戦とかのアクションを全部端折って群像会話劇に仕立てたあたりが非常に良く、話の情報量を減らさず円滑かつ高速に物語を進行させるやり方には感心したし好感を持った。物語自体の筋の良し悪しは別に、物語の構成は秀逸だった。個人的にはツボだった。

で、終盤戦の話なのだが、これまた中盤以降の流れに乗っていてテンポが良く面白かった。話の筋自体はもはや分かり切っているのだが、判り切った上でも面白かった。これは、最初っから最後まで知ってる漫才や落語を何回も見たり聞いても面白く思う感覚に近いかもしれない。要はやり方や見せ方の問題なのだが、そこが良かった。

出てくる登場人物たちも、非常に分かりやすい個性を誇張しているところが若干鼻につく感もあったが、それでも良しと思えるほど魅力的だった。木村重成とか後藤又兵衛とか塙団右衛門とか毛利勝永とかが結構フューチャーされてて個人的にはうれしかった。講談とかの世界観、いいよね。しかし男闘呼組の人は相変わらず男前ですな。凄くカッコいい。というかこの人が幸村でもいいくらいカッコいい。あと一世風靡が浪人五人衆の二席を占めて居るのに時の流れを凄く感じた。

幸村役の堺雅人さんですが個人的ににやけてる顔のイメージが強い印象を持っている。引きつった笑い顔。そんな印象。別段そんなに好きでも嫌いでもない俳優さんなのだが、映画の「ゴールデンスランバー」とかの印象が強く、自分の中では何となく情けない、うだつの上がらない役の人という印象だった。

序盤から中盤はまさにそんな感じで、彼演じる信繁は、自由人な親父に、色んな意味で狂ってる太閤に、想像を絶する堅物石田治部に翻弄される。頼りにはなるんだけどどことなく抜けている情けない感じの青年だった。が、終盤ではそういった感じを残しつつも戦国最後の仇花らしい威厳のようなものも演じ、「ああ。こうゆうのが見たかったんだよ」と思えるような幸村を演じきっていた。素晴らしい…見事だと思ったのだが、よく考えるとこの人倍返しの人だったんだな。そっちは見てないので何とも言えないんだけど、幅の広い演技のできる優秀な役者さんなんだな。多分。

 

想像よりもいい終わりだった。良い終わりだったように感じた。満足した。

 

終わった。とにもかくにも見終わった…。ただ…長かったよ。50話は長い…。

終盤は適切な話の分量だったように感じたが序盤、中盤…。

 

面白かったけどね…ぎゃふん!

 

 

g029.hatenablog.com

 序盤はもう少しコンパクトにできたのでは…。

 

g029.hatenablog.com

 中盤は端折り過ぎたのでは…。

 

 

 

 

 

 

 

BD欲しい…ような気がする・・・・。ヤバい…。 

 

誰でも少し狂っている。頂点にいる者達は、相当狂ってる。「WILD FOOTBALL サッカー界の暴れん坊たち」(2017)手原和憲

本作の作者である手原さんの書くサッカー漫画が好きなんです。短編集「68m」で初めて知ってファンになり、前作の「夕空のクライフイズム」も相当良かったんですよ。特別ではない高校生フットボーラー達の情熱、もがきとかあがきを上手い事描いていて相当良かったんだけど個人的には本編よりも、もっと楽しみにしていたものがありまして、後書きの漫画が正直本編よりも面白かったんです。本末転倒かもしれないけど本当に好きだったです。サッカーに関する四方山話のエッセーテイストの漫画なんだけれど、これが抜群に面白くて楽しみにしていたんです。もういっそのこと全篇これを書いてくれればいいのにと思っていたら、そんな夢のような漫画が本作だったりするんです。意外と思ってることは皆一緒なのね…。めっちゃ嬉しいんですけど。

 

本作では過去の伝説的な選手から現役の選手まで、その選手にまつわるワイルドなエピソードを紹介していくだけの漫画なんですが、これが面白いんです。ほとんど知ってるエピソードばかりなのに面白いんです。何なんでしょう?この感じは。同じ漫才や落語を聞いてるのにずーっと楽しめるあの感覚に近いのかな。話の筋としてはサラリーマンの男がスポーツバーのメガネ美女にサッカー選手についてのエピソードをレクチャーされるという体をとったお話です。有名な選手、監督、経営者が紹介されていくわけなんですがワイルドですよ。まあアクの強い人間をチョイスしている訳なんで当然と言えば当然なんですが…それでも濃いです。

 

個人的にサッカー界のワイルドな人間と言われて思い出す人物が二人います。エリック・カントナズラタン・イブラヒモビッチの二人です。暴君の双璧です(笑)。嬉しいことにこの二人も本作で紹介されています。奇しくも二人ともマンUの選手なんですね。私はマンUファンでは無いのですがこの二人、凄く好きなんです。生粋のCFタイプで俺様体質、エゴイスティックなまでのゴールハンター。パスは二の次でとにかくゴールを狙うその姿勢。素敵です。そしてその二人のエピソード、クレイジーです。イブラは自伝も読みました。やはり可笑しいですこの人。まあ言動は完全に痛い人なんですが、その能力は折り紙付きで規格外の選手なんですよね。ロナウド(大五郎のほう)と対戦した時のエピソードとか最高です。そしてなんといってもキング、エリック・カントナ。もうカンフーキックのエピソードが全てを物語ります。完全に規格外すぎます。最近この二人、マンUのキングの称号をめぐってマスコミを通じて論争してましたが、存在感が似てますよね。タイプは違いますが。まあ二人とも遠くで眺めている分には面白いけど、近くにいたら厄介過ぎるんでしょうが…。実力があって頼りにはなるんですが、それゆえ扱いが難しく厄介な所も似ている…。類は友を呼ぶとはよく言ったもんですねぇ。

 

…でもそんな選手が好きなんだなぁ…ぎゃふん!

 

 

 

 

 

いつも心にブロンソン。『スーパーマグナム』(1985)

めっちゃ好き。ブロンソン。何が良いのかよくは分からないのだが、なぜだかその雄姿を目撃すると胸が熱くなる…。それが私のブロンソン。…いや正確には私の物ではないのだが、人はみな心にブロンソンを持っている。持ってない人は持つべきだと最近思う。強く思う。結構マジである。

 

f:id:G029:20170207215242j:plain

サインとか全然興味ないけどブロンソンのはちょっと欲しい…。そん位好き。

 

私とブロンソン作品との最初の邂逅はデスウィッシュシリーズ2作目「ロサンゼルス」だったと思う。…幼少の頃、TVで見たのだがトラウマ級に胸糞悪いお話であった。悪党どもに娘をレイプされ殺された主人公、ポール・カージーの復讐譚…。幼少の時期に本来見るべき映画ではないような気もするがこの作品を見て、アメリカ、ロサンゼルス=この世の地獄。アメリカ人はまともな奴とヒャッハーの2択。アメリカは銃がないと生き延びれないような治安の悪い国。そして悪党はバンバン殺す!=アメリカ!怖え!そんな風に幼少期に刷り込まれた作品であった。正直、ブロンソンを見るまで私は、見た目がカッコいい風貌=主役と言ったお子様的な外面でしか判断できない未熟な子供でしたが、この作品を契機に男のカッコ良さとはそういったものではないのだ!と悟りブロンソンの野暮ったい男くさい風貌に魅了された人間になったのでした。毒された。

 

本作「スーパーマグナム」はシリーズ3作目にあたる。シリーズものにとって3作目というのは…鬼門である。伸るか反るか、当たりか外れかハッキリしている。外れの可能性が異様に高い。そんな印象を個人的に感じるのだが、本作はある意味あたりであると言える。ある意味で、ある。これまでは、主人公が殺人に対するある程度の葛藤、救いようのない悪党を殺すにしても良心の呵責や殺人を犯す恐怖なるものが多少なりとも描かれていたように感じたのだが、本作にはそれがほとんどでない。というか無い…。もはやリミッターはない。悪党は高く吊るす。悪党には死を。もはやハムラビ法典から脈々と続く古典的な法しか其処にはない。目には目を、歯には歯をである。悪党には死を。テーマはもはや無いに等しい。全二作よりも、完全にはっちゃけている。悪党皆殺しエンターテイメントである。…もはや好みの問題であるが、私はこれは有りだった。大いにありである。面白い。最高だ。老齢の親父が町のダニどもを皆殺しにする様は、醜悪や滑稽を超越してもはや清々しい。ちなみに私が久しぶりに見たのはDVD版で日本語吹き替えが無かった。本作がTVで放映したときの吹き替えのセリフで脳裏にこびりついて忘れられない台詞がある。老婆が通りで町のギャングどもを撃ち殺す主人公の様を見て「見て!カージーさんが町のダニを撃ち殺しているわ!」と言うあまりにもファンキーすぎるセリフを記憶していたのだが、それが無く残念だった…。印象深い素敵な台詞だったので本当に残念だった。

 

と、ここまで書いといてなんだが、本作は映画としては雑であり、正直人に薦めれる映画ではないことを明記しておく。何しろテーマが無いに等しい。悪党には死を!しかない。主人公のカージーさんもカッコいいんだけど薄っぺらい。行動の動機とか、心情とかとにかく薄っぺらい。大体が町に来ていきなりラスボスに目をつけられ「ぶっ殺す!」と因縁つけられてるのに、あんま気にせず女弁護士と良い仲になるカージーさん…。あんたとかかわると大抵の人が不幸になってるのに、まったく学習していないカージーさん…。しかもいい仲になった彼女を悪党にどーにかされちゃうのだけど、え!そんな感じなの???というぐらいあっさりしているカージーさん…。薄っぺらい…。あとは、悪党が北斗の拳や、MADMAXに出てくるモブのようなTHEイカレポンチしかいない。まあ北斗の拳はこの作品の影響下の作品ですがね。原作者、武論尊ですもの…。でも北斗の拳やMADMAXに出てくるイカレポンチたちの方がまともかもしれないような薄っぺらいイカレポンチの群れが、当時のNYの街にはびっこているという設定…。どんだけ治安悪いんだよ。例えるものが荒廃した未来が舞台の漫画と映画より酷い現代舞台の街並みって…。誇張があっても怖えよアメリカ…。あとラスボスの逆モヒカン…。怖さより先に笑いが来る。ギャグじゃん…。

 

しかし、そんな些細なことはどうでもいい。正直それでも好きなのだなこの作品。もうねブロンソンムービーなのですよ!ブロンソン64歳当時の作品ですよこれ!まあ動きは鈍いしキレはないけど、それでもカッコいいんだもの!凄いなぁ!64のアクションスターだよ!風貌こんなんで動きも鈍い親父が悪党を次々に処刑していく様は、もうそれだけで感動モノです!結局の所、話の筋がどーとか、展開がアーとかどーでもいい。ブロンソンが出てればそれでいいのだ。それで成立するんだから本当に凄いよ。ブロンソン。…マジで好きなんだけどね。どーも伝わらないんだなこれが。

 

ぎゃふん!

 

 

 

 BD化激しく希望!マジで‼‼‼

 

 

「志村‼後ろ‼後ろ‼』じゃないアニメの方。 ドリフターズ(2016)

ちなみドリフだと「8時だよ全員集合!」の舞台セットがはけていく所とセットが展開する場面が凄く好きだったりする。

 

f:id:G029:20170206230725p:plain

     

原作 平野耕太 監督 鈴木健一 作品

 

原作が好きで楽しみにしてたら地上波で放送しないというこの事実。隣の岐阜、美濃の国では放送されるのに、織田信長のご当地である、愛知、名古屋…尾張の国では放送なしのこの現実。非常に厳しい。なんか信長終焉の地である京都では放送があったそうな…。というか放送地域少な!5つしかない!その代わりインターネット配信があったそうなんですが…期を逸してしまいました。そんなわけで今回、全話まとめて視聴したんですがこれが非常に面白かったというお話です。

 

好きな歴史上の人物で仮想ウォーゲームを!という歴史好きがちょっと頭を打ってしまってこじらせちゃったような本作ですが、やっぱり面白いんですよね。正直、日本人がちょっと多すぎるような気もしますがそれでも面白いんです。実際な所、原作も最初はどうかと思ったのですが、国盗りものになったとたんに面白くなってきました。アニメもやはり国盗りものになってからが最高でした。

あとアニメだと首おいてけ感が半端ないですね。原作の時よりも首おいてけ感が濃いような気がします。なんか作中の薩人の表現が…なんかこれ鹿児島の人はどんな感じなんですかね?結構派手にディスられてるような気もしますが…むしろ誇らしいのか?

 

個人的には豊久が妖怪でハンニバルが素敵で信長がイカシテいると思います。あとおかまのサンジェルミがコメディーリリーフとして秀逸だと思ういますね。個人的にはスキピオあたりがもっと活躍することを期待します。

 

原作がそこまで進んでないんで、そんな感じで終わるんだろうなと想像していましたが、やはりそんな感じで終わりました。

 

だろうね。だろうよ!

 

 

 2期の製作が決まったそうですが、原作あんまリ進んでないので、一体どれはど先のことになるのやら…。間違ってもオリジナル展開とかはマジ勘弁してほしい…。

1月も今日で終わる…。

一月の感想です。

 

新年明けてから…何もやってねえ!

初詣もいってねえ!

お年玉は…強奪された!というか奪いに来やがった!

忘却したい、やりたくねえ事だけはきっちりやってる!

なんかやりたい、やらなくてはいけないような気がすることは本当に何にもやれてねぇ!

 

…まあ、そんなデホルトな1月でした。

休みもほとんど外に出なかった。本屋ぐらいしか行ってねえ…。

これはいい歳したおっさんとして大丈夫なのだろうか。いや多分駄目だろう。

しかし今に始まったことではないし、じたばたしても仕方がない。寒いしね。

受け止めよう。潔く、受け入れよう。

 

ああ、ダメだ。1月はダメダメ。

 

正直こんなおばさんに無言でファインダー向けられたら相当怖い「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」(2013)

ジョン・マルーフ、チャーリー・シスケル監督作品

 

正直、写真の良し悪しが分かるような人間ではない。残念ながらそういった感性は皆無である。もっと言うと絵画の良し悪しも正直分からん。色彩感覚的な事も、技術的な事もさっぱりである。多分説明されてもすぐ忘れる。多分5秒ぐらいしか覚えていないであろう。そういう自信はある。威張って言うようなことではないが、間違いないのである。とりあえず私はそんな程度の人間だという事を理解していただきたい。

 

本題に入る。本作は、ヴィヴィアン・マイヤーなる写真家に焦点を当てたドキュメンタリー映画である。もっとも写真家と言ってもこのヴィヴィアン・マイヤーなる人物は、生前は全く作品を発表していない。というかその作品は全て死後に公開されたものである。本作はその公開に至る顛末と、そこから始まるヴィヴィアン・マイヤーなる人物の足跡をたどるドキュメントである。

 

2007年、本作の監督の一人であるジョン・マルーフが歴史の資料にと、オークションで大量の写真のネガフィルムを手に入れたところから話は始まる。その写真の出来の良さに驚き、それを確かめるためブログに一部をアップしたところ、熱狂的な賛辞が次々と寄せられる。これにメディアも乗っかって絶賛。調子に乗って写真集を発売したら全米売り上げNO1を記録。展覧会を開けば押し寄せる群衆。撮影者の名は、ヴィヴィアン・マイヤー。すでに故人になっており、職業は元乳母。15万枚以上の作品を残しながら生前には公表することはなかった…。なぜ?…本作はその何故?を追っていく映画である。

 

この映画のトレーラーをテレビでたまたま見たのだけれど、これが良い感じだった。素性のよくわからない人間を追跡するのって結構好きなのだ。しかもその人物が才能ある人間でミステリアスな感じだともう辛抱たまらんね。因みにこの件の人物ヴィヴィアン・マイヤーは見た目は完全におばさんである。しかも芸術家風ではなく変人系な雰囲気が漂っている。特にその目。すげぇ怖い。冒頭の話ではないが、私に写真の良し悪しは分からない。技術的な事もわからない。が、この人の撮った写真は確かに良い。良いと思える。いい悪いじゃなくて、ぐっとくる感じがある。素人の撮ったものでは感じない、プロが撮った写真でもそんなに感じたことはないのだが、確かにグッとくるものがあるのだ。いや、プロが撮ったのでもグッとくることはあるけど。それくらい良いのだ。まあ作中では写真のプロの人たちの評論もあって、技術的な事やら構図の事やらで褒めているのでやはり才能は有ったのだろうと思う。私にはわからんが。才能が有り作品を数多く残したにもかかわらず、世間公表せずに没する。そんな芸術家っているのだろうか。…まあ結構いるのだろう。生前有名でなくても死後その才能が認められ有名になった芸術家というのは結構知っている。そういう人たちは、たいてい生前から、世間にはそれをアピールするもんなんだけどそれがないというのはどういう事なんだろう。そんな疑問を紐解くように本作はその人となりを手繰り寄せていく。そこには彼女の闇も垣間見えて、非常に興味深かった。結論的に言ってしまえば、ここで語られることは想像の域を出ない話ばかりでモヤモヤしたまま物語は終わる。何せ当人がもう亡くなってしまっている話だし、友人や親しい親類もほとんどおらず、本人が超内向的な人間だったみたいなので詳しいことが分かる人間がまるでいないのだ。よって彼女を知る数少ない人間たちの証言を基にした推論以上の事は提起されない。彼女を知る人間の証言が淡々と紹介されてい置くのだが、最終的に彼女の晩年はかなり経済的に困窮していたらしい。ごみ箱を漁り、生活していたエピソードなどを聞くと、ただただ、やるせなく切ない。死して名を残すことにどれだけの意味があるのか、正直今の私には分からない。何も残らぬよりは残した方が何となく意味はあるのだろうか?よく歴史に名を刻むとか、生きた証がとか言うけれど、正直死んだ後の名声や、功績などどうでも良くて、生きているその時間にどれだけ満足できるか?という事なのではないか。はたして彼女は満足できたのだろうか?何となくそんなことを考えさせられたそんな作品でした。

 

ヴィヴィアン・マイヤーを探して [DVD]

ヴィヴィアン・マイヤーを探して [DVD]

 

 

 

Vivian Maier: Street Photographer

Vivian Maier: Street Photographer

 

 ちなみに私は今現在の自分の人生にこれっぽちも満足していない…。

ぎゃふん!!!!

 

 

 

 

 

2016雑感

何も成さず、成し遂げられない1年であった。…というか毎年そうなのでデフォルトな1年でした。ナマカワかつズボラな性格かつ生活をしているのでさもありなんな感じなのですが、年々酷くなっているような気がします。おっさんは辛いよ。ってアクティブなおっさん達も多いので「世の中の全てのおっさんに謝罪せよ!」と突っ込まれそうで怖い。最初に謝っときます、ごめんなさい。結局南極大冒険、もとい結局の所、持って生まれた本人の資質かつ本質が年々むき出しネイキッドになってきたのだろう。大槻ケンジ氏言う所のダメ人間にどんどん近づいているようで怖い。怖すぎる。そんな私でもなんとか社会の荒波にもまれ沈んではいるものの何とか死なずに今日まで生きてこれました。ありがとう八百万の神様etc…。そんな自分のダメさ加減と日々の奇跡に生かされ何とかやってこれた1年でした。本当に自慢にもならないが、自分自身の力やら周囲の人間の恩情なんかは1ミリも期待できないので来年も何とか神頼みで何とか生き抜いていく所存です。神の懐が海よりも広いことを祈って。良いお年を…。

ぎゃふん。

ろくでなし達のもがき「ラッキーブレイク」(2001)

ピーター・カッタネオ監督作品。

 

同監督の撮った「フル・モンティ」が好きだ。男性のストリップショーという奇抜なアイディアもさることながら、何ともうらぶれた、うだつの上がらぬ冴えないおっさん達が、そこに至る工程を、シニカルかつ愛情をもって描いていた。その丹念な作りが私の心の琴線に触れ非常に印象に残っている。故に 同監督の次回作も非常に期待していた。で、本作なのだが…15年前の作品である。という事は必然的に「フル・モンティ」は20年も前の作品になるのか…。いやはや、光陰矢の如しとはよく言ったものだ。先人たちは流石に偉大だね。よく世の理を分かっていらっしゃる。って、そんなことはどうでも良くて、本作の話である。好きだと書いておきながら何で15年たってから見てんだよっ!という突っ込みが聞こえてきそうであるが、実はこの作品、発売直後購入している。多分13,14年ぐらい前の話。それからずっと熟成してしまったのだ。何というか、買って満足してしまったのだ。見ればいいのに見ないんだなこれが。自分のことながら困ったものである 。

 

前置きが長くなってしまったが本題に入ろう。本作の内容は監獄が舞台の脱獄物である。主人公であるジミー・ハンズは相棒であるルディと銀行強盗を試みるも無残に失敗。囚われの人となり監獄へと収監される。そこでミュージカル好きな所長を利用する脱走計画を思いつき実行に移そうとするのだがそこで色々と物語が…というようなお話。監獄×ミュージカル×脱獄×コメディというような感じ。

 

監獄物で英国物と言うと真っ先に思いついたのは「ミーン・マシーン」だったりする。あれは監獄×サッカー×コメディだったが、やはり単純な監獄物では何かが足りないという事なのだろうか?まあ、確かにこの手のシチュエーション物は最初にやったもん勝ちみたいなところはある。やり尽くしちゃうから後続に続くものは×何かが重要になってくるかもしれない。「アイディアとは、既存の要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない」という言葉がしっくりくる。正しくそんな感じだ。ただ、何でもかけ合わせればいいというもんでもない。が、この監督はそこら辺のバランス感覚が優れているんだろうね。無理のある話をけれんみたっぷりに味付けしてるんだけど非常に面白かったですよ。

 

キャラクターもわかりやすく屑しか出てこない。ほぼ屑。まあ監獄物の前科者ばかりの話なので当たり前なのだがね。銀行強盗を働くほどの屑ながら、どうにも悪に染まり切れないヘタレな主人公。それに準じる相棒。物腰柔らかな詐欺師の屑。放火魔の屑。トマトの栽培に全ての愛を注ぐサイコな屑。囚人の登場人物に関して言えば、屑、屑、屑の群れ。唯一の例外は主人公と同室のクリフのみ。彼は善良かつまともな人間なのだが何とも間が悪い人間なのだ。色々な意味で…。囚人以外でもミュージカル好きな監獄所長。意地悪な刑務官。刑務所の女カウンセラーなどいろいろ出てくるが、皆なんかいろいろなタイプのダメな人間でキャラが濃い。

 

まあ最終的にはそれぞれの大円団を迎えることになる。一人を除いて…。正確には2人か?。まあよくまとまった良い映画だと思う。あとラストのエンドロールで流れる「サミー」が良い!死ぬほどいい。単純に私がこの曲が死ぬほど好きなだけなのだが。クリフがピアノで弾き語る「サミー」は凄まじく良い!元曲はバリバリのディスコミュージックなんだけど、カバーするのは皆こうゆう弾き語り風になるのは何なんでしょうか?まあ歌詞とかは弾き語りに相応しいような歌詞だからかな?よくわからんが個人的には奥田民生バージョンが好き。全く関係ない話ですが。

 

結局の所、人を変えるのは人ですよ、っていうような映画でした。あと、主人公の相棒ルディが嫌々始めたミュージカルにだんだん嵌っていく様が、個人的にツボでした。

 

なんつって。ぎゃふん

 

 

ラッキー・ブレイク [DVD]

ラッキー・ブレイク [DVD]

 

 主人公のジミーの風貌は、ダークサイドの落ちたマッカトニー、もしくはチンピラ臭を薄めたギャラガー兄弟みたいで、犯罪者面が様になっていて個人的には凄い納得しました。ダメかな?ぎゃふん。

DAYSの中沢監督があまりにも素晴らしかった話

酒もたばこも女も止められるのに漫画を読むのがやめられないボンクラです。ごめんなさい。

 

もう結構日がたってしまったのですが、感動が一向に薄まる気配がないのでここに記したいのです。

 

漫画の話です。すみません。

 

冒頭にも記しましたが、私は漫画を愛するボンクラです。

子供の頃、大人になったらきっと自然と卒業するのだろうと思っていたのですが、そんなことは全然なく、いまだに夢中で読んでます。ごめんなさい。

 

もはやおっさんですが、相変わらず夢中です。

 

さて本題に入りましょう。今回ここに記したい漫画は、現在週刊マガジンに連載中の作品「Days」です。

今年アニメ化もされたメジャーな作品ですからご存知の方も多いでしょう。高校サッカーが題材のスポ魂ファンタジー作品です。読んでる方は分かっていただけると思うのですが、ファンタジー要素の濃いサッカー漫画です。キャプつばほどではないですが、相当です。でも面白いんです。

 

因みに私はアニメの方は全くもってダメでした。見てられなかったです。ごめんなさい。

 

…それはさておき本題です。私が記したいのは週刊少年マガジン11月23日号のDAYS「175th day 信頼と尊敬」です。

これが本当に良かったんです。ここ最近読んだ漫画で一番ぐっとくる話だったのです。あまりにも良すぎてマガジン買っちゃうぐらい良かったんです。大分日も立ってるんだけどいまだに読み返すぐらい良かったです。くどいけど本当に良かったです。良いのです。ですです。

 

因みに私がひつこく良かったと思うのは話の後半なのです。正直前半の件はどーでもいいのです。私が激しく心を掴まれたのは、物語の中盤、聖蹟高校サッカー部の顧問の中澤先生が試合前の控室で選手に話しかけるところからの一連の流れが本当に素晴らしいと思ったのです。高校サッカー最強、十傑と呼ばれる(中2病っぽいね)傑出した実力を持つプロ入りが内定したプレーヤーを3人擁する梁山高校との対決を前に中澤先生はある告白を選手たちにします。

 

俺は、現役時代大した選手ではなかったと、そのことを伝えます。まあでもそれは、物語の中でもほとんど周知の事実であり、選手たちも知っていました。ただこの後に続く告白からの流れが本当に素晴らしかったのです。

 

俺がメンバーに選ばれたのは、高校3年間で1度だけだった。

スタンドから見ていた聖蹟イレブンは、いつもカッコ良くて俺の憧れだった。

その気持ちは今も寸分も変わらん。

 

 正直、うわっと思いました。これは凄いと。これってサッカーに限らず全ての分野のスタンドから、その先を眺める人の大半の気持ちをびったッと言語化してる!っと思ったのです。そうなんですよね、いくら年を取ろうが、老いぼれようが、いつまでたってもその先に立つ者たちへの羨望や憧れ、尊敬は変わらないんですよね…。悔しいし虚しいかもしれないけど、決してその先に足を踏み入れられない人間にとって、そういう風に見つめるか、完全に目を逸らすかの二択しかないんです。いや、このセリフは本当にグッときます。そのあと、中澤先生のモノローグに入ります。

 

中澤、腐るなよ。

厳しかったがいい監督だった。

あの人ならこんな時選手が欲しい言葉を言えたんだろうな。

俺は大した監督ではない。それは十分認識している。

目を見張る戦術も、劇的な演説も、何一つない。

ただ一つ、俺にできることは選手たちを心の底から尊敬し、最後の最後まで味方でいてやることだけだ。

俺はずっと支えてくれたお前たちにこれぐらいしか言えん…。

 

ノローグの最中、中沢監督は選手たちに歩み寄り、ただ一言「頑張れ」と声をかけていきます。いや、この「頑張れ」は正直相当な重みをもった「頑張れ」ですよ。全てのそちら側に行けなかった者のそちら側に立つ人間に託す思いです。これは、この言葉は殆ど呪いです。凄まじく重い思いです。

 

1年から2年、そして3年生へと一人一人の名前を呼び、ただ「頑張れ」と声をかけていくんです。1年はその頑張れの意味がイマイチ理解できません。2年は、一部の人間はその頑張れの意味を理解しています。そして3年は、その頑張れの意味を痛いほど理解しているんです。この時、これまで名前すら作中で紹介されたことのない控えの三年生部員3人の名前を呼ぶんですが、この時の控えの部員たちの表情が凄まじく良いんです。特に伊藤。そしてレギュラーの5人の3年生に続く件がもう最高なんですよ。灰原と国母の表情なんかもう何て書いたらイイのか分からないぐらい心を鷲掴みにされるんです。

 

そんな中沢監督の言葉をキャプテンである水樹が片手をあげて遮り一言中沢監督に声を掛けます。

 

大丈夫。監督。めちゃくちゃ頑張ります。

 

いや、良かった…。何度読んでも痺れます。この件。本当に最高です。基本私は、人から頑張れと声をかけられたら「てめーが頑張れ、このボケなすがぁ!」言い返してしまいたくなる衝動に駆られる荒北イズム*1の人なんですが、流石に素直に感動しました。中澤監督は自らをポンコツと自嘲しますが、相当なモチベーターです。中澤監督の「頑張れ」に対する水樹の「めちゃくちゃ頑張ります」の返しも本当に素晴らしいと感じました。

 

いやもう続きが本当に楽しみなんですが、余韻に浸りたくてその後マガジンを全く読んでいないので全く分かりません(笑)けれどこの話で終わっても別にいいくらい大満足してしまったのです。

 

つまるところ私的にDaysが不朽の名作になったっという事を明記したかったのです。そういう話でした。お粗末。

 

 

DAYS(20): 週刊少年マガジン

DAYS(20): 週刊少年マガジン

 

 多分このエピソードはこの巻に収録されるはず。この巻だけは必ず買わねばなるまい。

…ぎゃふん。

 

 

 

青春×自転車。「ヤング・ゼネレーション」(1979)

ピーター・イェーツ監督作品。

 

青春とは挫折と失敗の連続である。

それに劣等感をプラスしたら完璧と言える。…個人的な意見ですがね。

 

自転車に夢中でイタリアかぶれ。ちびと言われると切れるちび。過去の栄光を引きずった大学生コンプレックスのこじらせくん。何だかよくわからん馬鹿…。

 

本作の主人公たちも上手くいかない青春を過ごす側の人間だ。

イケてない、何か鬱屈したものや劣等感を持って生きている。ああ合掌…。

 

物語は石材所のある街を舞台にした青春ドラマ。

街には大学があり、学生たちは他所からやってきた裕福な家庭の人間が大半。

町の人間は、地場産業である石材所を基盤にした裕福ではない家庭が多い。

当然ぶつかる二つの文化。大学生と地元民との軋轢。

大学生達に「カッターズ」と揶揄され馬鹿にされる地元民。原住民と軽んじられている。

そんな舞台を背景に自転車狂でイタリアかぶれの主人公が、大学生に恋をして…と言った話。

 

まず最初に断っておく。私は青春映画と言う奴に弱い。

好きなんです。

惨めで恥ずかしくて頭が悪くて一途で無鉄砲で時に罪をもいとわないダメな感じ。

どうにもこそばゆいこの感じ。

嫌いじゃない。というかむしろ好き。

 

自分自身の青春を振り返ってみれば、漆黒と言って差支えない暗黒しか見えないのだが…。

ならば普通は、その手の青春映画など唾棄しつつ中指を突き立て、悪態の一つや二つ吐きそうなものなのかもしれないが、そんなことは全くない。

 

全然余裕で楽しめる。不思議なもんだね。

 

「グッド・ウィル・ハンティング」「遠い空の向こうに」「テレインスポティング」等好きな映画が多い。

 

良いね青春映画。憧憬しているのかもしれない。

 

本作も相当面白かった。というか面白すぎた。

アカデミー脚本賞受賞作なので当たり前か。

 

とにかく主人公が良い。自転車狂でイタリアかぶれのちょっと痛い子ぶりも良い。

憧れの自転車チームの現実を知り、打ちのめされる様も良い。

好きになった大学生の女の子に、イタリア人留学生と嘘ついて付き合った結果、最終的に嘘を自白して盛大にびんたされ、フラれる様も良い。

イタリアかぶれが理解できずにいたに親父に励まされて、自分の人生と向き合うさまも良い。

最終的にそんな鬱屈した気持ちを自転車レースにぶつけ炸裂するさまも最高だ。

そしてオチ。もう反則だ。

自転車狂の主人公ゆえにそのオチはある程度予測していたが、それでもニヤリとせざるおえない、洒落乙なラストまで本当に最高でした。

 

程度の差はあれ、世の中の大部分の人間は憧れられるような青春を送ってはいない。

どうにもうまくいかない、つまらない青春を送る人間がほとんどだ。

それでも何とか折り合いをつけて、生きていかなくてはならない。

現実を受け入れるなり、打破するなり何らかの方法で生きていかなくてはならないのだ。本作の主人公は最終的に挫折とか劣等感から解放される。まさしく原題であるBREAKING AWAY(離脱)したわけだ。いや、ホントよくできてる。傑作だ。

 

 

 因みに私はいまだに色んなものから離脱できていない…。泥の中である。

ぎゃふん。

 

 

 

 

 

 

これは怖い。「それでも僕はやってない」(2007)

周防正行監督作品。

 

私は好きな物を最後の最後にとっておくタイプの人間である。

しかもダメなタイプのとっておき型だったりする…。

 

要は、大抵、失敗するのだ。

 

時機を逸し、機会を逸し、旬を逃すのである。

 

全くもって、あほである。

 

しかし、そんなことは重々承知しているのだが治らない。というか治せない…。

如何し難い人間なのである。それが私だ…。ぎゃふん…。

 

 

周防正行監督の撮る作品は相当面白い、そういう印象がある。

 

ファンシィダンス→しこふんじゃった→shall we ダンス?

 

凄い流れである。

 

何たる高水準、高打率!もう最高である。

しかもだんだんとメジャー指向になっているにもかかわらず、どれもこれも面白い。

まるで出世魚のようにグレードアップしているじゃないか!

しかもエンタメ指向!素晴らしい。

 

個人的にはファンシィダンスが超ツボで、後にも先にも漫画原作でこれほど面白く感じた作品は他には無かった。当時はまだビデオテープだったんだけど、比喩表現なしで録画したテープが擦り切れるまで何度も見てた。それくらい超好き。

 

それから、周防監督作品を追っかけるようになったのだが、shall we ダンス?からのインターバルが長すぎたため、ちょっと熱が冷めた。まあそれでも面白いんだろうなと思い、いつか見ようと思っていたのだが、まさか公開してから9年たってから見ることになろうとは思いもしなかったよ。

 

結論から言うと、凄く面白かった…。

 

ああ、しまった!もっと早く見ればよかった。

痴漢冤罪物の社会派映画との触れ込みを聞いていたので、今までのエンタメ指向と若干毛色が違うのかと思っていたのだが、そんな題材にもかかわらず、十分エンタメしてた。

 

うおー‼‼‼‼。私は間違いなく損してる。返す返すも、もっと早く見ればよかった‼‼‼と、思った…。

 

映画は、まの悪い主人公が、電車で痴漢と間違われてからの顛末を描いているのだが、何とも不条理な物語である。

 

無実の主人公は最後の最後まで報われない。

 

不条理であり、不平等であり、最終的には滑稽ですらある。

無実の人間が、最後まで報われないという事は、何ともやるせなく、切なく、虚しい事か。色んな意味で日本の司法制度というものを考えさせられた。

 

しかし、よくある話でもある。

現実社会も、往々にして不条理で、不平等で、滑稽なものだ。

社会に出ると、大人になるとホントに感じさせられるよね…。こん畜生…。

 

よくよく考えると、これは怖い話でもある。

いつ自分の身に降りかかて来てもおかしくない話だ。

満員電車で、まが悪ければ、男であれば起こりうる事態なのだから…。

 

それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD]

それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD]

 

…ってそういや私は、社会人になってから電車通勤したことない…。ぎゃふん! 

 

 

 

 

 

魔の屋敷との対決。「双亡亭壊すべし2」 藤田和日郎

 

双亡亭壊すべし 2 (少年サンデーコミックス)

双亡亭壊すべし 2 (少年サンデーコミックス)

 

 あかん。面白いい!!ってこればっか書いてる気がするが仕方がない。事実面白い。やるなサンデー、小学館!!

 

藤田さんと言えば、血みどろ、スプラッター、怪異の三点セットが定番で、これまた期待通りの物語でぃーす!(シマリス風)

 

ホラー・オカルト物の定番、館モノで内容は題名の通り、「双亡亭」と呼ばれる幽霊屋敷とそれの破壊を望む人間との攻防を描いているんですが、いよいよ本巻では、双亡亭の破壊作戦が始まります。そして衝予想通り、早くも暗雲が立ち込める悪夢的展開になっております。

 

しかし怖いですな。何というか館、屋敷って、古いものになればなる程、その存在に何とも言えぬ迫力を普通に感じますもんね。そこに幽霊とかお化けとか言うキーワードをつけちゃうともう恐怖しか感じないもんね。根源的な恐怖ですよ。そんなんだからオカルト・ホラーものではど定番ジャンルなんですが、そのど真ん中ジャンルを藤田さんがどう描くのか非常に楽しみです。…まあ血で血を洗うホラーアクションものになるんでしょうけど(笑)楽しみです。

 

因みに個人的には宿木さんが1番気になるキャラクターです。もっと活躍すると良いな。いや、ヒロインの紅も良いんですけどね。

 

 

自分を探す不思議な美少女「柊様は自分を探している。2」

 

 あかん。面白い。

西森さんの代表作と言えばデビュー作「今日から俺は 全38巻」なのだが、それ以来コンスタントに良作を作り続けている印象が強い。まあ、若干外し気味の作品もありますが、私は結構好きで、ほぼ全作品を読んでいる。個人的には特に「お茶にごす。全11巻」がクリティカルに面白く、再注目して、その後の作品を楽しみにしていた。でもその次の「鋼鉄の華っ柱 全9巻」も面白かったんだけど、クリティカルとまではいかなかった。で、本作である。クリティカル!いやもう西森ワールド全開である。ストーリーテリングの妙は相変わらずで、ヤンキーも相変わらず(笑)。個人的には伝奇チックなストーリも気に入ってます。何よりも主人公である柊様がいい!黒髪ロングで能力者で美少女でちょっと邪悪って最高ですか!ひょっとすると今一番次が楽しみな作品かもしれない。最高!

週末が近づくとワクワクするね。プレミアリーグの話。

それに尽きます。

もう週末にプレミアリーグが無い生活は耐えられないのです。

 

あ、フットボールの話です。

 

しかし、月曜のリバプール対ユナイッテド戦は何だか上手い事やられた感じですね。

 

さすがモウリーニョと言ったところでしょうか。

 

リバプールの良い所を完全に潰しに来てましたね。攻撃は放棄してましたが…。勝ち点1をきっちりアウェーで奪う守備的戦術。ズラタンのワンパンにかけてました。まあ、そこさえ潰しとけば良いんでリバプールの守備陣でもなんとかなりましたが(笑)。今季初のクリーンシートですよ。めでたい。

 

今節はウエストブロウィッチ戦ですが、JSPORTSさん今季は生放送が少ないのでリバプール戦は録画放送です…。悲しいなあ。待ち遠しいなあ…。

 

 

レスターの奇跡

レスターの奇跡

 

 昨シーズンのプレミアの話題を総ざらいにしたのは間違いなくレスターシティーだろう。開幕前からそのチーム自体は知っていた。ゲーリー・リネカーの出身チームであり、岡崎慎司の移籍先のチーム。しかしまさか優勝するとは露ほども思わなかった。本書はレスターの3部時代から取材し続ける番記者が綴った公式ブログを一冊にまとめたもの。…しかし優勝オッズが5001倍のチームが優勝って…。エルビス・プレスリーが生存している確率も5001倍の模様…。想像を絶する奇跡だね。うらまやしいぜ…。

 

 

君はひとりじゃない スティーヴン・ジェラード自伝

君はひとりじゃない スティーヴン・ジェラード自伝

 

 リバプールでのラストシーズンを中心に過去、現在、未来をリバプールのレジェンド、スティーブン・ジェラードが語る自伝。私がリバプールを好きになったきっかけの人。結構、正直に気持ちを綴っている印象を受けた。ああ、やっぱり我らが誇り高きレジェンドはホントはもっと勝って勝って勝ちまくりたかったんだろうなぁという気持ちがひしひしと伝わってくる一冊。本国で発売したときから欲しくてたまらなかった本。発売日に買ったものの、すぐ読むのがもったいなくてずっと積読していた。何たる本末転倒…。いや面白かった。最高です。レッズファン的には一家にに一冊の必読書。

 

 

プレミアリーグ観戦レシピ

プレミアリーグ観戦レシピ

 

 プレミアのトリビア本。私は基本リバプールの事しかよく知らないことが本書を読んで発覚。プレミアファンではなくリバプールファンな模様…。

 

 

ヨハン・クライフ「美しく勝利せよ」

ヨハン・クライフ「美しく勝利せよ」

 

 因みに私が持ってる本の帯には、この本を読まずしてフットボール&Wカップは語れないとのコピーが…。いや!語れるだろ!と思わず突っ込んでしまいますな(笑)…しかし本書を読んで確信しました。遠くで見ている分にはカッコいいし面白いしイカしているが、実際近い所にこんなんがいたら厄介過ぎる(笑)。天邪鬼でアー言えばこー言う天才。カッコいいが厄介。それがヨハン・クライフと思い知った一冊。

 

 

という事で、試合観戦までにテンションを高めるため、いろいろフットボール関連の本を読んじまったぜ…。そんだけの話。ぎゃふん。
 

 

 

正直予想外。真田丸。

f:id:G029:20161021001037p:plain

真田丸の中盤戦を一気に見た。結論から言うと面白かった。いや、それでは足りない。凄く面白かった。本当に。

 

序盤の上田城攻防戦ぐらいまでの感想は以前書いたのだが、正直イマイチだった。

その評価は今も変わらない。どーにも軽い物語。うすら寒い笑い。ちんけ過ぎる殺陣とアクション。時折、面白い所もあったが、正直キツイし辛かった。唯一の救いは草刈正雄さん演じるところの昌幸だけだったんですが…。

 

これがどうして、その後面白くなっちゃった。吃驚である。

 

軽い会話は相変わらずなんだけど、情報量が多くなった。これは、登場人物の増加も関係してるんだろうけど、かなりいい感じだった。テンポが序盤よりもかなりいい感じ。まあ、いろんなイベント満載の時代なので、矢継ぎ早に起きる出来事と軽い会話が何かかなりマッチしていい感じ。それでも色んなイベントを相当端折っちゃってるんっだけどこれが相当イイテンポ感を出している。最高です。

 

戦国歴史ものなのに合戦を全く描かないというのも功を奏していると思う。正直へっぽこなアクションやショボい合戦シーンを見せられるより、テンポのいい会話劇の方が全然良い。というかホントにそれが面白い。関が原が一瞬で終わるんだもの。この潔さとスピード感。何というか、それが非常に良いんです。正直これは会話群像劇としてかなり秀逸なんじゃない。いやそれくらい面白かった。

 

やっぱり秀吉と光成の登場がデカいような気がする。人たらしの老害狂気の猿と、官僚堅物融通の利かない堅物と言う、濃すぎる二人は相当いいキャラだった。そういったキャラのおかげでようやく信繁が生きてきたような気がする。それまで微妙な感じだった(何かくせが強い感じだった)のだが、この濃い二人のキャラに振り回されることによってやっと素直に感情移入して主人公として見れるようになった。というか、主人公よりも、先の二人の癖が強すぎた。もっと言うとそれ以外も癖のあるキャラだらけになったため、主人公の方が普通になってきてしまった。慣れって怖い。まあ、面白くなったのでオールOKなんですがね。

 

個人的に中盤で一番熱いなと思ったのは、北条氏政に秀吉に詫びを入れて命乞いをしろと説得に、徳川家康上杉景勝真田昌幸小田原城で一堂に会する場面。この面子が一堂に会するっていうのは相当妄想が捻りますね。最高でした。

 

とりあえず、昌幸の死ぬ回まで見たんだけど、この後も楽しみだ。ただ、さすがに大坂の陣は合戦も描くんだろうな。あえて合戦をすっ飛ばしてきたことにより面白くなってきた感があるののだが…。うーん。大丈夫だろうか?まあ期待しよう。