真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

忘備録(本)

最近物忘れがひどい。

 

 

 作者買い。BL作家を題材にした作品もこれで完結。結構面白かったがこの題材を続けるのは大変そうだとも思うのでちょうどいい塩梅で完結したのではなかろうか。作者の新作は北条早雲物だそう。そちらも楽しみだ。

 

 

海王ダンテ 4 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)

海王ダンテ 4 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)

 

 作者買い。相変わらずの安定感。この手の史実と虚構を混ぜ合わせた冒険活劇は大好物だったりする。

 

 

 シリーズ買い。1から3までは好きな漫画家だったので買ったのだが、そこまで買うとシリーズとして揃えたくなってしまうのは何故だろう…。

 

「キング・オブ・エジプト」(2016)正月なので大味で脳みそ空っぽで見れる映画が見たくなった。

そんなときは「プレデター」!!!

しかしそれでは芸が無いので見逃しちゃったやばげな映画を見た話。

しかし結果的には面白かった。

あっ!個人的な意見です、あしからず…。

 

 

キング・オブ・エジプト(2枚組) [Blu-ray]

キング・オブ・エジプト(2枚組) [Blu-ray]

 

 ホルスのあほさ、愚かさの極みを愛せるかどうかの127分の物語。

この作品、実は公開前から期待をしていた。なんせ監督が「ダークシティ」のアレックス・プロヤスだったから。私の中で「ダークシティ」という作品は結構デカい作品で、常に心の片隅に陣取っている作品なのだ。劇場公開時映画館で初日を観た記憶が懐かしい。あんときは初回の朝一に見たんだがデカい劇場で10人位しか客がいなくて凄まじく不安になったのを鮮明に覚えている…。結果的には人生におけるベストな1本だったわけなのだが、その後音沙汰もなく気にはしていたのだ。その監督の作品となれば期待せずにはいられなかったのだが、公開と同時に非難轟轟でえらく爆死した感じだったので残念に思っていた。アメリカで大コケ、イギリスでは公開中止との情報を受け、日本では公開するものの原題の「ゴッド・オブ・エジプト」から何故か「キング・オブ・エジプト」に邦題が変わるという謎の題名格下げもあり不安しかない状態になっていた。しかしそれでも見ねばならぬと思っていたのだが、公開当時都合がつかず観に行けず、その後も何となくスルー状態だったのだが正月一発目に本作に白羽の矢を立て見たわけなのだが…なぜ爆死したのかが理解できる内容だった。まず全然エジプトじゃない。エジプト風とかチックな感じんなのごった煮ファンタジーだった。エジプト神話を骨組みにしたお話を期待していた人(書き手も含む)には辛い内容だったと思う。登場人物の立ち位置やらキャラクター像も雑な感じで、お察しな感じでした。ただ、ホルスのあほっぷり、愚かさの極みっぷりはよく、個人的にはこの駄目神には凄く魅力を感じた。特に体育座りで佇むところから凄く良かったです。何と言うか愛おしい。映像も派手で特撮戦隊もののグレードアップ版と考えるとまあ悪くなかったような気がする。しかしこの題材で、何故こんな物になってしまったのか…。残念ではあるが、個人的には当初の目的通りのブツだったので満足はしている。あとザハ役の子が可愛かったです。以上。

 

 

 

 

新年ですね。

準備も用意も覚悟が無くても、生きていれば等しくやってくる…。

 

新年明けましておめでとうございます。

 

正直何がめでたいのかよく分からないのだけど、そういう物らしいのでめでたいのでしょう。

 

冒頭にも書きましたが、準備も用意も覚悟も何もないですが、そんな私でも新年を迎えることができました。

目標も野望もさしてないですが、今年も健康に細々と生き抜いていく所存でございます。

 

皆さまも良い新年を迎え下さい。

 

「イット・フォローズ」(2014)タイトルのまんま。

名は体を表すというが、そのまんまの100分の物語。

 

なんというか、切り口がどこもネタバレになるという困った映画である。

結論から書くと、結構面白かったです。

でも煽ってる感じの新感覚とか斬新とかはビタイチも感じなかった。

不幸の手紙だとか、鈴木光司「リング」とかを連想させる内容。

結構明確なルールがある割に投げっぱなしな感じ。

そういう粗い感じも嫌いではないので良かったです。

 

後は「汝、姦淫するなかれ―!」というキリスト教チックな幻聴が脳内をエコーするようなお話でした。

 

 

 バレンタインデーとかクリスマスイヴとかに未成年に見せるべく地上波で流して欲しい。後が怖えぇぞっという一種の教育という意味で…。

「天涯無限 アルスラーン戦記16」完結したので簡潔に感想

30年。その内、実働過年は何年だ…?

 

まずは何はともあれ完結したことを祝福したい。ハラショー。

物語は未完よりも完結した方が良い。その意味ではめでたく喜ばしい。

好きな作品ならばなおさらである。死ぬ前に終わってよかった。安堵である。

内容は前回から続く最終決戦。ジェノサイド色が濃くなった前巻の引きの続きで案の定の大量殺戮展開でした。まあ予想道理の田中芳樹展開です…が。

 

結論から書くと相当面白くなかった。

 

展開自体は予想道理だしそこは問題ないのだがどうにもこうにも言葉に魂が感じられないのだ。これは由々しき問題である。この作者の売りはベタな展開でも切れ味鋭い文章で読者のハートを持っていく所に魅力がある…あったと思っていた。少なくともこの物語の第1部と呼ばれるものにはそれがあった。あったと思う。読み手である私の目が肥えたのか、作者の力量が衰えたのかは分からないが、この第2部、この最終巻にはそれが欠片も残っていないと感じるのは私だけだろうか…。多少の盛り上がりはあるものの話を必死にたたむ作業的な流れ。歴戦の勇士たちが、仇敵、宿敵が冥府に手を取り行進する予定地調和の物語は書き手側の熱量無くして成立しないと思うのだが、そこに熱量は全く感じないのだな、これが。ただ必死に話を終えようとする書き手の姿が浮かぶのみ…。残念である。故にラストの「天涯無限」の寓話も何だか虚しすぎた。駆け足過ぎてそこに至る感動まで読者の心が追いつかないのだ。と言うか普通に無理だろ。…そこにはたたみ切ったという感慨以外何も無い…。ように感じるのは私だけか…。

 

その昔、菊池秀行さんの作品の後書きで「作品は完結するが物語は完結しても続くもの」と言う文章を読んで激しく同意した記憶がある。今まで私に突き刺さった作品群は確かにそういう作品ばかりだからだ。きっとそういった作品を傑作と呼ぶのだと個人的に思っている。そう意味では今作は私の中で傑作では無くなってしまった。残念な事だがこの作品の物語のその後を想像、妄想することはこの先多分ないだろう。ただ、もし中断の期間が無く、第一部の勢いと熱量で最後まで完走していたら、という妄想はこの先ずっと考え続ける事は間違いないだろう…。

 

色々思う事は多いけど、それでも完結したことは心の底から祝福したい…。

ハラショー!

畜生‼

ぎゃふん!!!

 

 

天涯無限 アルスラーン戦記 16 (カッパ・ノベルス)

天涯無限 アルスラーン戦記 16 (カッパ・ノベルス)

 

 中世ペルシャアーサー王的な物語もこれにて終わり。宝剣ルクナバートの存在故に

ジョン・ブアマンの「エクスカリバー」的なエンドになるんだろうと思ってから早20数年…。この物語の一番虚しい所は主人公たるアルスラーンの無欲過ぎる業だろう。そんな高潔にして真摯で多分童貞な若き王がなぜこんな目に…。ただただ悲しいわ。せめてそのラストなら銀英伝におけるキルヒアイスの死と同等の熱量で書いて欲しかった。だってあまりにも不憫すぎるわ。そう思うのは私だけだろうか?

「フットルース」(1984)踊る!ケヴィン・ベーコン!!!

何が好きって、ケヴィン・ベーコンが凄く好き。

 

牧歌的なパンクな物語である。行き過ぎた保守は怖えしアホすぎるって話でもある。保守的な田舎の街に引っ越した都会っ子の主人公(ケヴィン・ベーコン)が田舎の閉塞感に風穴を開ける青春の107分の物語。

 

今では悪役やら脇役がデフォルトなベーコンさんだが若い頃はこんな役が多かった。と言うかこれでブレイクしたため青春映画スターの印象がある。その頃はあまり興味もなく好きでもなかったのだが、脇役に回り始め、悪役に変わり始めたあたりから凄く好きになった。凄く良い。個人的には「インビジブル」あたりから凄く好きになった。何というかクソな人格やらせたら最高な役者だと思っている。あんた最高だぜ。

 

さて物語については語ることが無いほど有名な作品なので個人的に好きな所を紹介したい。まずは何をおいてもベーコンさんが躍るところである。正直それがキレてる踊りなのか、キレてない踊りなのかは分からないが多分切れてないと個人的に思う。当方はリズム感および運動神経皆無な人間なので正直判別つけかねる。がベーコンさんが器械体操部に所属している設定から考えると切れていると思ってねっと意図しているのだろう。そんなベーコンさんが、若干邪悪な雰囲気を漂わせつつ命一杯踊っている姿は、朴念仁の私でもちょこっと微笑ましく素敵ですと思わざるおえない。そういう風に丁寧に作ってあるところがちょっと好き。実際の所はベーコンさんに踊りの経験はなく1部のシーンは代役が踊ってるらしい。別に構わんけど。踊っているベーコンさんがこの映画のハイライトであるのは疑いようがない。好きな所をもう一つ。これは作中のセリフなのだが、ベーコンさんに母親が「高校生のデビット・ボウイ」と言う所が好き。確かにその風貌はかの故人を連想させる。この作品が作られた当時はまだボウイはそうゆうアイコンの頂点だったんだなと再認識させられる。単純に確認できる意味で好きなだけなんだが。デビット・ボウイいいよね。

 

サントラ映画だとか内容がないとかディスられ気味の本作ですがそういう意見を包括したうえでもベーコンさんが踊ってるっていうだけでオールOKと思える貴重な映画だと個人的に思っている。頭に戻るけど単純にケヴィン・ベーコンが好きと言うお話でした。

 

ぎゃふん!

 

 

フットルース [Blu-ray]

フットルース [Blu-ray]

 

 しかし、この当時からその後のキャリアを予感させる邪悪さが風貌に漂っていますね…。凄く良いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「DAYS(24)」

 10月はサッカー漫画ばかり読んでた。もう12月だけどね。

 

VS梁山戦の続き。

追撃ムードは高まるものの、結果が伴わない聖蹟。局地戦で勝利する場面は出てきたが得点に結びつかない。そんな中、電光石火のカウンターで梁山に追加点を奪われてしまう。後半残り30で得点は0対3…。その時、聖蹟イレブンは…みたいなお話。

 

サッカー漫画に出てくる登場人物と言うのは選ばれた人間達だ。基本的にここにいる者達は壁を突破してきた猛者達である。本作でいえば主人公つくしの所属する聖蹟高校は東京のサッカー強豪校と言う設定であり、そこに所属し、ベンチ入りするメンバーに選ばれるというだけでかなりの壁を突破してきたことになる。ましてや全国大会、冬の選手権のメンバーともなるとその壁は計り知れないほど高い。正に選ばれし選手たちとなる。しかしここで注目すべきはその舞台である。高校サッカー。これがこの物語のもっとも切ない色どりを加えている。彼らは確かに壁を突破してきた人間なのだが、まだ壁が存在するのだ。特に高校サッカーと言う所は残酷なまでの大きな壁が立ちはだかる。

プロの壁である。中二病的な十傑と言うネーミングはその象徴である。作中の十傑とはプロ内定者たちの事を指す。未来のJリーガーたちだ。突出した力を持ち、アマチュアの壁を突き抜けプロになれる者達。それが十傑。そう10人しかいないのだ。本作の高校サッカーをやっている最終学年3年生(1人2年生がいるので正確には9人)の中でプロになれるものは。その他の人間はその壁を越えられないのだ。どんな社会、世界でも最終的には弱肉強食の原理があり平等なんてない。幻想である。全ての人間が報われる世界など存在しない。社会には見えない壁が無数にあり、数多の階層が存在し、無限とも思える序列が存在する。スポーツの世界ではそれが明確に、残酷に目に見える形で提示される。そこに嘘はないとは言い切れないが、一般社会よりも少ないと思う。ゆえに結果は正しく残酷で尊いと思うのだ。個人的にこの物語の一番好きな所は、突破する人間達よりも、壁の前でもがく人間のエピソードだったりする。

中でもこの梁山戦において個人的に気に入っているのは中澤監督と速瀬の2人。中澤監督については以前に書いたが相変わらず良い。それについてはまた後日追記したい。今回は速瀬について書きたい。聖蹟の左SBの選手である。左利きの高速ドリブラー、適正ポジションは左WGだと思われる。しかしそのポジションに彼はつけない。そのポジションには十傑と呼ばれる水樹がいるからだ。怪物と綽名される規格外の選手が同じポジションにいるというのはどんな心境なのだろう。チーム競技とはいえポジションを争う意味ではチームメイトもライバルである。そんなに低くない壁を突破してきた人間にとってどうあがいても勝てない人間がいるというのは屈辱か絶望か。これがプロならば絶望しかない。試合出てなんぼだから。しかしアマチュア高校サッカーと言う状況だとそれだけではない。頼もしい仲間であり誇りでもある。速瀬にとって水樹は巨大な乗り越えられない壁であり誇りなのだろう。そこに迷いはない。ゆえに愚直なまでに水樹の能力を、勝利を信じ、献身的なサポートを惜しまない。それは聖蹟と言うチームに捧げる献身とほぼ変わらない。ある意味速瀬にとっての聖蹟とは水樹寿人とイコールなのかもしれない。

そんな速瀬の交代する場面が個人的にこの巻のハイライトだった。ここでの早瀬と国母の何気ない会話が凄く良かった。国母は作中でモテる、3股してるとうそぶく男なのだが、この場面での早瀬との会話がこの二人の聖蹟での立ち位置やサッカーや聖蹟に賭ける思いを凄く表していて熱く切ない。サッカーに賭ける思いや費やした時間は他の者に勝るとも劣らない。多分水樹ともそんなに変わらない。と言うか多分水樹よりも多く時間を費やしているはず。それでも届かない。そのもどかしさや悲しさ。実力や才能が及ばない人間のジレンマやら葛藤が凄く感じられる。熱く語るのではなく、ほか事を喋りクールに熱い。ストレートな熱さは分かりやすいが、それを前面に出すことが許されるのは一握りの人間だけだ。圧倒的な才能や能力を持った人間達。そうではない、能力の足りない者たちのテレを含めた情熱と言うやつが上手い事描かれてる。そこに正直、痺れる。

 

次巻も楽しみだ。

 

 

 

 

 鈴木と佐藤も良いね。

「スペル」(2009)小さな不親切が不幸を招く…。

時期を逸して観るのが延び延びになっていたのだが…控えめに言って最高な映画っだった。もっと早く見ればよかった。

 

サム・ライミと言えばホラーの人で死霊のはらわたの人でスパイダーマンの人である。個人的にはホラーってジャンルはあまり得意ではない。好きか嫌いかと聞かれれば、まあ好きなほうなのだが得意か苦手かと聞かれると苦手と即答できる。ビビりなので心臓に良くないのだホラーは…。突然来るデカい音とかマジで勘弁、心臓に悪い感じがする。それでも見るけど…。

 

物語は家を差し押さえられることに逆切れした婆さんが、差し押さえた会社ではなく担当した主人公である女性従業員に「恥をかかせやがった」と、その怒りをぶちまけた挙句、呪い殺そうとする、超逆切れ理不尽ホラーである。字面だけで見ると相当荒唐無稽な話だ。実際荒唐無稽な話なんだけど。ちなみに婆さんは2回もローンの支払いを延長しており、仕方なく主人公はそれを却下したかたち。しかも主人公は上司に相談したうえでの決断であったが、婆さんはこれに牙をむく。会社じゃなくて対応した従業員に!ここら辺の件は超理不尽でスゲェ怖い。理屈や論理を超えたプライドとかの怒りってたちが悪くていかんともしがたい…。そしてこえぇ。警備員に取り押され排除される婆さん。その場は収まるが帰宅のため駐車場で車に乗り込もうとする主人公をアンブッシュし強襲する婆さん。壮絶な格闘戦を主人公と演じる。これが怖くて可笑しい。恐怖と笑いは紙一重の所にあるのを実感する攻防。入れ歯の取れた口での噛みつき攻撃など想像を超えるアグレッシブな婆さんの攻撃を主人公は辛くも撃退するがコートのボタンをちぎり奪われ呪いをかけられてしまう。それから主人公は次々と怪異現象に襲われ、ある霊能者に頼るようになるのだがみたいな…99分のお話。

 

日常に潜む危険から否現実的な危機的状況に陥るという黄金パターンのホラー映画で、ビシっとはまった様式美溢れるホラー映画である。スパイダーマンの後にあえてこれを撮るサム・ライミの感性もシャレオツで痺れる。 ホラーでありながら可笑しさもあり最終的に後味が悪いという完璧な構成。目くるめくジェットコースターのような99分を堪能できる。

教訓としては小さな不親切が不幸を招き、余計なお世話が不幸を招くとい言った所か…。どっちにしても世の中は公平じゃないし不条理だよって感じのお話でした。ぎゃふん!

 

スペル [Blu-ray]

スペル [Blu-ray]

 

 原点回帰的な作品で、こういうのはやっぱり得意なんだなサム・ライミ。しかしあの婆さんに毅然と対応した主人公には敬意を表する。だって見た目がもうヤバい。怖い。私ならあんな毅然とした対応は取れないだろうなぁ…。

「GIANT KILLING(45)」狂気の隣にあるものは…。

 45巻。しかしまだ1シーズンも終わっていないという事実…。

 

サッカー漫画に限らず、スポーツ漫画に必要な事はその競技に賭ける、競技者の狂気が描けているかという事だと思っている。

本物と言うのは少なからず狂ってる。そう思う。

 

本作ではシーズン2度目の東京ヴィクトリー戦終焉までを収録。ほぼ全篇、東京ヴィクトリーのエース持田の話なんですがこれが凄く良かったって話。

 

個人的に本作の主人公達海の後継者的ポジションのキャラが、椿と持田だと思っている。もしもの世界、怪我の無い未来を描いている椿と、怪我がありつつもその先を描く持田と言うのが達海には叶わなかったIFの世界を描いているんだと勝手に思っている。

 

持田は冒頭でも書いた狂気を体現するキャラで、完全なるフットボールホリック。まあヤバい奴です。しいて言うなら「F91」の鉄仮面さんの言う所の「エゴをさらに強化した者だ」みたいなキャラで相当魅力的で破壊的。そんな彼の狂気の隣にあるのは何かに焦点を当てたエピソードで相当良かったです。

まあ…そんなもんだよね。根源的な話として、何でフットボールやってるかっつたら。JOYですよ。楽しいからやってるに決まっている訳で。「俺がNO1」が口癖みたいなキャラの喜びとか楽しみとは何なのか、何に対して1番になりたいのか、何に対して負けたくないのかが明確に描かれていてスゲェ良かったです。

狂気の隣にあるのが普遍的な感情だったことにに少しホッとするような、残念のような、非常にアンビバレンツな気持ちなんですがとにかく凄く良かったです。

 

 長編漫画における強み。ここ数巻で構築してきた持田の物語がこの巻で炸裂する。個人的には花森の方が好き。

「カラフル」(2010)悟るまでの「ぼく」がガキ過ぎて辛い…。

その昔TVで見た「河童のクゥと夏休み」が結構面白かったので見てみた。

あ、見たと言っても途中から、しかも最後のほうだけなんだけど。

  森絵都の原作小説は未読。原恵一作品は全く見たことが無い状態での視聴だったりする。

 

1度死んだ主人公である「ぼく」が「プラプラ」と名乗る関西弁を喋る怪しげな自称天使に「抽選に当たりました」と言われ、「小林真」なる自殺したばかりの中学生として生まれ変わり、もう一度人生をやり直すチャンスを与えられる。しかし「小林真」となった「ぼく」の生活には様々な問題があり…みたいな127分のお話。

 

死、自殺を題材にした重い話を、ファンタジーでまとめた寓話である。

人間1度は妄想する、人生をもう一度仕切り直したら的なお話を思春期における面倒くさい感情と日々の生活を織り交ぜて描いている。

 

結論から書くといまいちな映画であった。画とかは綺麗なんだけど、主人公である「ぼく」の行動や感情が、最後の最後まで何か個人的にしっくりこなかった。正直私は全く共感できなかった。何と言うか、青すぎる。

それと「ぼく」の正体が予想通り過ぎた…。安直すぎて意外性がまるで無い。

 

「ぼく」は生前に大きな罪を犯した魂で人生の再挑戦する機会を与えられた存在である。自殺を図って死んだばかりの「小林真」なる自殺した中学三年生の体に入りこんで、もう一度人生をやり直せる機会を与えてもらった。いわゆる試験期間でここでの行動が今後輪廻転生できるか無へと消滅するかの瀬戸際なのだが、この主人公である「ぼく」にはそういう危機感がまるで感じられない。その場その場の感情のみで行動している。そこに思考は感じられない。脊髄反射で行動している。

「ぼく」にとって小林真とは単なる宿木で、凄く他人なわけなのだが、やたらと小林真関連の事案で感情的になり過ぎる。「ぼく」は日々の生活の中で小林真が自殺した原因を察していくのだが、その中でも母親の不倫について特に怒る。まあ確かに気持ちのいい案件ではないが客観的に見れば借り物の体、小林真の案件であって究極的な話「ぼく」にとっては他人事であり、腹に据えかねる気持ちはあるがスルー出来ない案件ではないはず。しかし「ぼく」は流せず母親に対して激しい嫌悪感を表し行動で示す。無視だったりハンガーストライキだったりと試験期間と言うのに激しくこの事案に怒りを見せる。潔癖すぎる論理感なのか「小林真」を自殺に追いやった原因を作った者への怒りの感情なのか、凄まじい客観性の無さの行動。試験期間ですよ?って突っ込みを入れたくなるほど頑な。この時点で「ぼく」の正体が何となく察しられる…と言うか見る前から予想していた通りの感じなのだが安直過ぎやしないか。また、母の不倫には怒りを燃やすが思いを寄せる後輩の女の子の援助交際問題については何処までも目をつむり信じない構え。結局援交していることを知るのだが怒りではなく悲しみを覚える「ぼく」。それから自暴自棄の暴走…。ひと悶着あり同級生の早乙女なる本作の良心的な友を得て落ち着き「ぼく」は己の正体を悟り最後を迎える…。

 

思春期特有のめんどくさい感情やその境遇ゆえの視野の狭い世界観からの開放的な話なのだと思う。変わるきっかけは何処にでもあるけど死んだら終わりだよっていう話なのかな。手垢のついた陳腐な台詞ですが、喜びも悲しも生きていればこそで、死んだら終わり。死にたいという気持ちを持つのは当たり前だけど、それでも生きろ的な波動の作品でした。しかしこの作品、早乙女君がいなかったらどう収束させてんだろう?現実的には早乙女君いないパターンの方が多いような気がするわけで、そっちの方が見たかった…。

 

ぎゃふん。

 

 

カラフル 【通常版】 [Blu-ray]

カラフル 【通常版】 [Blu-ray]

 

 なんか最近のアニメって背景とかやたら綺麗ですね。

「日ポン語ラップの美ー子ちゃん」主人公の原理主義サイコ感が凄い。

なんか凄く面白かった。

 

ラップと言う物が正直よく分かりません。日本語ラップと言うのもよく分かりません。

しかし分からないと言っても全く興味がないとか聞かないわけでもない。

ライムスターとかスチャダラパーとかは初期の作品を結構聞いていた。

何が良いのか分からないが何かぐっとくる瞬間があり、それを感じるために聞いていたような気がする。多分、ネタ的面白さだったり、共感だったりの感情のほとばしりみたいなもんだと思うのですが。

そういえばブルーハーブとかブッダランドとかも結構聞いたな。

悪くないと思えたし、いまだに良いなと思う。

 

が、その後ヒットを炸裂した他のグループにはさほど興味が湧かなかった。

 

ラップについてその程度の興味しかなく、最近の日本語ラップの情勢はさっぱりな人間ですが本作は凄く面白かったです。

今更聞けないラップ関係のスラングだとかもよく分り興味深く楽しめました。

 

某日ペンのPRキャラを主人公に日本語ラップの紹介漫画…古風な少女漫画の絵柄で日本語ラップの紹介漫画と言う、シュールでそれ自体が面白いのだが内容も凄く面白かったです。

何よりも主人公のラップ原理主義的なサイコ感満載な突き抜け方が気持ちいいですな。

「ラップが今日本でもっともまともな音楽よ」とか。

言いきり感が潔く、凄まじく気持ちよい。ディスり具合にブレが無い所が素敵です。

全篇そんな感じで最高でした。

 

しかし最近はMCバトルとかが流行っているのか…全然知らなかった。

 

ぎゃふん。

 

 

 このキャラを使った時点で勝利している作品のような気がする。

 

「デスレース」(2008)モトローダーを思い出す。

JKと言えば女子高生らしい。しかしJSと言えばジェイソンステイサム。

もはや常識である。

 

「デスレース2000年」のリメイク。オリジナルは相当チープでヒャッハーなディストピアB級映画だったけど本作はJS主演のデスマッチレース映画になっている。監督はバイオハザードのポール・W・S・アンダーソン。B級である事に変わりはない110分のお話。

 

カーレースを見るのが嫌いではない。ただ若干退屈に感じる事もある。カーレースで盛り上がるのはやはりオーバーテイクの瞬間ではなかろうか?しかしレースにおいてその瞬間はそう頻繁に訪れる物ではない。ましてや上位集団ではその瞬間が訪れるのはまれである。周回を重ねるほどその頻度は減っていく。由々しき事態である。どうすればいいのか?いやそれが普通であると考えるならば「赤いペガサス」的な物語になる。もっとマシンに焦点をとなれば「よろしくメカドック」的なものになるのではないか。未来をと願うのならば「サイバーフォーミュラ」になる。本作はそのどれも選択せずより攻撃的に解釈したカーレース物である。妨害攻撃OKみたいな。一般的には人殺しOKなダークなマリオカートと言った説明がしっくりくるのではないか。個人的には今は無きPCエンジンの「モトローダー」を思い出させる作品だった。より正確には「モトローダーⅡ」の方。分かる人にはわかる。と思う。

 

JSが出てなかったら多分観なかったであろう作品なのだがこれは結構面白かった。リメイク作ではあるが内容は全く別物で妻殺しの汚名を着せられ投獄された元レーサージェンセン・ジェームズ(JS)の復讐譚。オリジナルの交通弱者をひき殺すほど高得点的なアンモラルなヒャッハー感は削られ、レーサー達の命の削り合いに焦点を絞ったアクション作品になっている。レースについての見解も、面白くより過激にの行き着く先は結局の所、闘技場で戦う剣闘士を見るのと変わらないとの皮肉ともとれる。そういえば物語の構造も「グラディエイター」に何となく似てる。しかしそんなこと関係なしにJSの活躍を脳を無にして楽しむ作品なのは間違いない。安定のJS作品だった。

 

 

シリーズは3まである。 2以降はJSが出演していないそうなので見るつもりはない…。ぎゃふん。

 

 

 

「保安官エヴァンスの嘘〜DEAD OR LOVE〜①」 多分、親父が諸悪の元凶だと思う。

週刊少年サンデー連載中、栗山ミヅキ作品。

 

肩ひじ張らないバカバカしいマンガが好きである。これはまさにそんな作品。

 

西部を舞台にしたコメディー。モテたい一心で銃の腕を磨き凄腕ガンマンとなった保安官エルモアエヴァンスの苦悩を描く。

 

「モテたい」幼少時からモテるために銃の腕を磨き、西部一の凄腕保安官になったエルモアエヴァンス。だが未だに年齢=彼女いない歴。その事実をひた隠し、西部の荒くれ者達と渡り合い、日々カッコをつけるみたいなお話。

 

モテんがために自己を研鑽し高めた挙句、自己設定した理想像から遠ざかるもどかしさを楽しむギャグマンガである。

 

ここでの自己設定とは女にモテたい、イチャイチャしたいという軟派なものなのだが、そこに行く過程でエヴァンスはカッコいい男=凄腕ガンマンと言う答えを導き出し、それになるべくモテの師匠、親父の教えを実践しそれになるのだが上手くいかない。

 

エヴァンスは表面は凄くカッコいい。その言動、立ち振る舞い、行動は計算されたカッコつけであり自己プロデュースが半端ない。しかしそんな自分の作り上げた仮面が己を苦しめることとなる。要は裏の無いあざとい言動も周りが勝手に裏があると解釈してしまうのだ。下心丸出しの言動も勝手に裏読みされて違う解釈をされ、結果的に女性と近づけず、硬派なカッコいい保安官像が強化されていくという面白さ。しかもそんなカッコいい保安官像を壊したくないエヴァンスの心の葛藤が凄く面白い。

 

モテたいがために銃の腕を磨き研鑽する。基本自分を磨くという方向性は間違っていない。しかし、モテるために最も必要なのは己を高める事ではなく、恥をかいてでも、いかに自分の気持ちを相手に伝えると言うコミュニケーション能力と打たれ強いハートの強さであると思う。

 

エヴァンスはモテ要素は尋常じゃなくある。と言うか作中でも相当モテている。実際の所、モテの扉は目の前にあり後は開くだけの状態の所までは来ている。しかしエヴァンスにはその扉を開く術がない。他者を引き付ける術は身に着けたものの、他者の懐に入る術は学んでいないのだ。

 

元凶はだれか?親父である。

 

エヴァンスは将来モテるのために幼少時からモテる技術の習得に励むのだが、このモテる技術の師匠が親父が問題のような気がする。親父の格言を胸にエヴァンスは行動するのだが、前述したように肝心金目の所は伝授されていないのだ。故に苦悩する。それが楽しいのだが、本当にエヴァンスが尊敬するほど親父はモテたのか?そんな疑念を考えるのも面白い作品だ。因みに私は親父はモテなかった男だと思っている。

 

ブコメと言うのは匙加減が難しく、軽すぎても引き込まれず、やり過ぎると引くという難しいジャンルだと思うが絶妙なかじ取りで今の所物語は進行している。モテそうな男が持てないというありがちな設定を西部激にぶち込むセンスも素敵で凄く面白い。このテンションがどこまで続くは分からないが今かなり気に入ってる作品である。

 

 親父の教えに背き、自分の意志で行動し始めた時に物語は結幕を迎えるのではないだろうか?ある意味「父親殺し」と言う神話性の高い物語のような気がする…が、最終的に親父のような親父になっても遺伝子の継続的な話で面白い…って、下らない事を考えれる面白い作品である。

 

ぎゃふん!!!

 

 

「柳生連也斎 秘伝月影抄」(1956)雷蔵VS勝新。

当然白黒の84分。

 

原作は五味康祐の小説らしいが未読。だがどうやらかなり脚色されているらしい。

 

あらすじは、尾張藩の家老から推挙され、宮本武蔵(黒川弥太郎)は藩主徳川義直(三津田健)の前でその腕前を見せつけるものの、指南役の柳生兵庫之介(佐々木孝丸)の反対で士官の機会を失ってしまう。このことに憤慨したのが近習、鈴木綱四郎(勝新太郎)。名古屋を去る宮本武蔵に思いのたけを打ち明ける。これに感じた武蔵は綱四郎に不敗の剣理「見切りの秘太刀」を伝授し名古屋を去る。この一件から綱史郎は兵庫之介とその息子兵助(市川雷蔵)に激しい敵意を抱くようになる。…みたいなお話。

 

柳生VS宮本の代理戦争的なお話で最終的に雷蔵VS勝新みたいな流れ。

本作の主人公は市川雷蔵演じるところの柳生兵介(柳生厳包。のちの連也斎)なのだが完全にライバル役の勝進が喰っちゃってる。勝新演じる鈴木綱四郎は陰のある天才剣士で闇が深い。冒頭の宮本武蔵の仕官の件に始まり、片思いの女(この女は兵介に惚れている)に袖にされ、藩の剣術師範役も贔屓で兵介に持っていかれる。たまる憎悪、堕ちるダークサイド。最終的には切った張ったの果たし状で決戦になる…。そんな勝新なのだがこの頃はまだ太ってない。スリムでスマート。どことなく花形満を彷彿させる。ダークサイドに堕ちた花形満みたいなイメージ。因みに主人公も花形満的なイメージだったりする。ただ闇はない。

 

太陽と影。この対比が最後まで続く。雷蔵は曇りのない太陽。そこに淀みはない。勝新は闇。そこには不満が渦巻く。お互いに剣の腕は1流で藩主の近習を務める家柄。お互いエリート。なのにまるで違う道を行く。そこには剣の流派であったり恋愛関係のもつれだったりするのだが、光と闇が交錯している。結末の最終決戦も太陽と影が大きくかかわってくるので意識的な演出なのかも。

 

結論的にはあまり面白くない。多分、市川雷蔵主演でなかったら見なかっただろう。まあでもスリムかつスマートな勝新は堪能できたので良しとしよう。と言うような映画でした。

 

ぎゃふん。

 

 

柳生連也斎 秘伝月影抄 FYK-168-ON [DVD]

柳生連也斎 秘伝月影抄 FYK-168-ON [DVD]

 

 尾張柳生3代目が主人公という事も見るきっかけだったのだが。

 

 

 

 

 

 

「ダンケルク」(2017)仕方がない事はある。けれどその選択は間違っている。

 戦争映画が好きだ。フィクションもノンフィクションも好きだ。しかし全てOKなわけでもない。のれない映画もある。ここら辺は感覚的な問題なので説明が難しい。最近で1番乗れなかったのは「フューリー」。これはハッキリ言って糞だ。汚い言葉で申し訳ないが個人的な正直な感想なので勘弁願いたい。しかし本作「ダンケルク」はのれた。と言うか相当のれたご機嫌な作品だった。

 

本作は第二次世界大戦西部戦線ダンケルクの戦いにおけるダイナモ作戦を題材にしている。ナチスドイツの電撃戦に包囲殲滅される寸前のフランス・イギリス連合軍はベルギー国境西、フランス最北端の港町ダンケルクに追いつめられていた。その数約40万。押し寄せるドイツ軍は約80万。もはやムリゲー状態の袋のネズミであった。ダンケルクから西の対岸に見えるドーバー。それを隔てるように横たわるドーバー海峡ダンケルクからドーバー、その距離は約90キロ。対岸には故国、背後には敵。イギリス・フランスの連合軍はフランスからイギリスへの撤退を決断、海上輸送での撤退作戦を実行する…。第二次世界大戦における最大規模の撤退戦の一幕を描く106分のお話。

 

陸海空の3つの視点で同じ事象をスクラッチしながら、撤退側の英国視点でのみ描かれた作品。基本物語はなく、ただ逃げるだけ。それだけである。

 

陸のパート、ダンケルクから逃げる歩兵のパートがメイン。これが主筋。冒頭から独軍に追い立てられる。撤退中に独軍から銃撃され、ただ一人ダンケルクのビーチにたどり着いた若い歩兵のお話。もはや雌雄は決し、とにかく命からがら故国英国に帰りたいという気持ちだけの若い歩兵。完全に狩られるもののパートで、迫りくる死への恐怖が半端ない。ガンダム風に言えば「プレッシャー!」と言うシャツが半端ない。とにかく逃げたい一心であの手この手で生き延びようとする。このパートの主人公とのシンクロ率が半端なく感情移入が一番しやすい。逃走して銃撃され、ビーチで爆撃され、船に乗っては撃沈され、正しいことを言って味方に銃を突き付けられと、とにかく忙しく、生きた心地がしない。

 

 海のパート、英国からフランスへ歩兵救出に向かう民間船団のパート。民間人の親父が息子とその友を従えて一路ダンケルクへ歩兵救出に行くお話。ジョンブル魂溢れる親父のお話で理想を具現化したような英国親父像で素直にカッコイイ。不覚にも素敵だと思ってしまった。

 

空のパート、英国からフランスへ向かう船団護衛の戦闘機スピットファイアのパート。撤退する船団の護衛に出撃するスピットファイアの小隊のお話。このパートの主人公はトム・ハディー扮するパイロット。軍人的にはどうかと思うが自己犠牲を具現化したような熱いキャラで「引かぬ、媚びぬ、顧みぬ!」的なツンデレじゃないサウザー的なキャラで良かった。

 

結論から言って相当面白かった。ただ逃げるというだけの話を淡々と、その時その時の事象を見せるだけなのだが迫りくる死と言うプレッシャーの積み重ねが最後解放されたカタルシスは何ともいない良い気分だった。

 

1番心を打ちぬいたのはタイトルにも書いた「仕方がが無い事はある。けどその選択は間違っている」と言う主人公のセリフ。これは物語終盤、窮地に陥った主人公が仲間の選択に対していった言葉なのだがこれって凄く芯を食っている。これってそのものずばり戦争に対する究極の回答のような気がするし、物事の真理のような気がする。

 

ただ一つ許せなかったのは陸パートにおける主人公と行動を共にしたギブソンの件だけは納得いかなかった。出てきたシーンからこいつが何者で最終的にそういうことになるんだろうなという事は分かっていたが、そのラストはいただけない。戦争における不条理を表現する恰好の人物なんだろうけどカエル野郎は報われてほしかった…。

 

 敗戦撤退体験型アトラクション的な映画だった。海パートと空パートが無かったら本当に追い立てられるだけの焦燥感と絶望感しかない…。それはそれで見てみたいが…。

 

ぎゃふん!