真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

「しいちゃん、あのね」の最新話(2/9発売)「大人は分かってくれない」が素晴らしかった話。

タイトルが全てである。

 

漫画ゴラク 2018年 2/23 号 [雑誌]

漫画ゴラク 2018年 2/23 号 [雑誌]

 

「しいちゃん、あのね」が面白い。面白すぎる。

完全にツボでありハマって椅子…もといハマっている。

好きすぎて週刊漫画ゴラクを読むようになってしまった。

それくらい好きなのである。

最新話がまた素晴らしい出来で凄く良かった。

タイトルは「大人は分かってくれない」。

これがトサカにくるほど、ブチ、凄く、分かる‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼話だった。

簡単に言うと泣き叫ぶ幼児の魂の咆哮「笑うな―――――――――‼‼‼‼‼‼」についての話であり、それにまつわる周囲の反応に対する葛藤や考察の話である。

これがほんとに素晴らしい。

一文は一見に如かず。実際の話、現物に目を通してほしい。

「大人は」を「他人は」に替えても通じる秀逸なお話で、大人になっても、むしろ大人こそ、凄く、良く分かる‼‼‼‼‼‼‼話だったりする。

後、泣き叫ぶ赤ん坊や幼児に対する周囲の反応が温かくていい。

どうも昨今は殺伐とし過ぎているが、これぐらいの余裕が社会には欲しいものである。

本当に秀逸なお話で面白い。

あと単純にしいちゃんが可愛い。

今月2巻が出るそうなので凄く楽しみである。

 

それを生きがいに生きていこう。

 

 

 

「ローガン」(2017) さようならジャックマン=ウルヴァリン。

忙しくて観れなかったやつ。

 

少数精鋭の西部劇テイスト。老兵はただ消え去るのみ的な137分。

ボケたジジイと老いたおっさん。

暴走する最強サイキックぼけ老人と自然治癒しなくなったもみあげウォーズマン

滅びゆく古い魂と新時代の新しい魂との邂逅。

愛に飢えた寂しき獣が人生の最後に愛に満ち溢れて逝く物語。

何という素敵な鎮魂歌。

少数の登場人物で展開される逃避行。

R指定でグロ上等なファタリティ表現。

その全てがツボ。凄く良い。

シンプルな物語で凄くわかりやすく突っ込み所も多い。

そこは御愛嬌。

特に国境超えればオールOK的な発想は何なん?とか突っ込んでは負けだ!

正直ヒュー・ジャックマンをカッコいいと思ったことは一度たりともなかったのだが、本作のジャックマンは凄くカッコいいと言わざるおえない。

無様でキレが悪い。

しかし、いい感じで抜けていて、その背中には滅びの美学を背負っていて不覚にもカッコいいと思ってしまった。

劇中でも「シェーン」の一場面が流れるが、正しくそれをX-menでやりたかったのだろう。

消えゆくガンマンと滅びゆくX-MEN。見

事にX-MEN風に完コピしている。

これは相当カッコいい。

正にジャックマン=ウルヴァリンの最後に相応しい作品となっている。

始まりがあれば終わりもある。終わり良ければ総て良し。

これはいい最後だったのではないか?私は良かったと思う。

ゆえにリメイクだとかは当分見たくないし作って欲しくない。

当分はジャックマン=ウルヴァリンのその最後の勇姿を瞼に刻んでおきたい…。

そう思える作品でした。

 

グッバイ!ジャックマン=ウルヴァリン

忘備録(本)

本当に漫画ぐらいしか手につかん…。

 

 

 

しいちゃん、あのね 1

しいちゃん、あのね 1

 
大人向け、園児の日常ハートフルコメディ。

前々から気になっていた作品。エロく下衆くそれでいてさわやか。ひとえにしいちゃんの造形が勝利である。あざとくキュートだ。控えめに言っても最高!最近読んだ中でも屈指の面白作品。セクシーなママも素晴らしいが、やはり主人公のしいちゃんが物凄く素晴らしい。個人的にウインナーのエピソードがハイライト。最高なのでは‼。

 

 

HUNTER×HUNTER 35 (ジャンプコミックス)

HUNTER×HUNTER 35 (ジャンプコミックス)

 
何だかんだ言って読んじゃうよね…。

上げも下げもしない。ただ純粋に続きが気になるので読んでいる。しかし個人的には蟻編の方が面白い気がする。クラピカはどう考えても長生きしなさそうだ…。

 

 

ハイキュー!! 30 (ジャンプコミックス)

ハイキュー!! 30 (ジャンプコミックス)

 
メンタルお化けの田中さん編。

スポ魂マンガに必要なものは、努力、根性、団結、勝利とかでは全然ない。本当に必要なものは、その競技に賭ける狂気が全てだったりする。その点この作品はそれが素晴らしく描かれてる。主人公の二人を筆頭に出てくる登場人たちの殆んどが狂気を纏っている。踏み越えてはいけないラインを越えていった者共の狂気の物語がスポ魂と呼ばれるジャンルなのだと思う。これはまさにスポ魂マンガだと思うよ。

 

 

トクサツガガガ 12 (ビッグコミックス)

トクサツガガガ 12 (ビッグコミックス)

 
もう12巻なのか…。

このネタでまさか12集まで行くとは思わなんだ…。一種の一発ネタなんだけど、いろんなジャンルの類似漫画が多くなってきましたな。パイオニア的作品だと思うのだが微妙にネタの鮮度が落ちてきた感は否めないかな…。

 

 

 

 

「キングアーサー」(2017)物凄く、凄くエクスカリバー。

クライブ・オーウェンじゃない方。ガイ・リッチーの方の126分の物語。

 

 

 アーサー王の物語が好きである。

これは幼稚園に通っていた遠い過去、燃えよアーサーなるテレビアニメの弁当箱を持たされていたことによる刷り込みだと思われる。

何となく好きと言うやつだ。

それから小学校ぐらいまで何となくアーサー王的な物語が好きという感覚が続く。

その何となく好きが凄く好きに変わった瞬間は忘れもしない。

今は無き日曜洋画劇場で、ジョン・ブアマンの「エクスカリバー」を見てからだ。

初見は小学生の時だった。幻想的でエロくおどろおどろしい…。

もう夢中であった。

それ以来、私はこの題材に目が無いのである。

無論同名の過去作のキングアーサーも見ている。

で本作なのだがこれはかなり頭が悪い感じの作品である。

冒頭から頭が悪い。

スケール感をガン無視したパオーンを見た瞬間、これは頭悪い映画と分かってしまった。

そして困ったことに私はこの手の頭の悪い映画が嫌いではない。

と言うか、大好物だったりする。

いかにもガイリッチーが造形しそうな市井で擦れた悪がきアーサー王の物語で、ご時世なのか黒人や東洋人まで出てくる。

中々辟易となる所も満載の困った作品ではあるのだが、ただ一か所突出して他のアーサー王の作品よりもいいなと思ったのは、エクスカリバー

この作品のエクスカリバーはかつてないほどエクスカリバーしている。

そう!これだよ!こういうエクスカリバーを欲していたんだよ‼

細けぇこたぁ気にせずエクスカリバーエクスカリバーたる所以を満喫し、その能力に、威力に酔いしれる作品なのではないだろうか。

 

他は、目をつむれ…。

 

エクスカリバー好きは見た方が良い。エクスカリバーは良いぞ。

 

忘備録(本)

漫画ぐらいしか手につかないくらいにヤバい状態である…。

 

 

 

もう46巻!!!しかし相変わらず面白い。しかし1シーズン終わるのにあと何冊いるのだろう…。

 

 

 遂に完結‼乙武人の矜持を最後の最後まで堪能できました。乙!。

 

 

キリングバイツ (9) (ヒーローズコミックス)

キリングバイツ (9) (ヒーローズコミックス)

 

 知らないうちにアニメ化してた…。テラフォの系譜漫画。

 

 

猫村博士の宇宙旅行

猫村博士の宇宙旅行

 

 ヒロイックではないキャプテンフューチャーみたいな漫画。現代的なスぺオペ。丁寧な作りで凄く好感が持てる。凄く好き。

 

 

最後にして最初のアイドル (ハヤカワ文庫JA)

最後にして最初のアイドル (ハヤカワ文庫JA)

 

多分、当分、積読本。 初出の時から気になっていたのだが、今回文庫化されたので買った。

 

忘備録(本)

最近漫画ばかり読んでいる。

 

 

ちるらん新撰組鎮魂歌 20 (ゼノンコミックス)

ちるらん新撰組鎮魂歌 20 (ゼノンコミックス)

 

 非常に荒唐無稽な新選組岩倉具視が凄く素敵だと思う。

 

 

キングダム 49 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム 49 (ヤングジャンプコミックス)

 

 50の大台まであと一巻。長いですね…。終わりが見えないですね…。

 

 

 天才たちの…。とは思えない内容ですが、エロに走らずきっちりコメディーしてる所が素敵です。

 

 

ノー・ガンズ・ライフ 6 (ヤングジャンプコミックス)

ノー・ガンズ・ライフ 6 (ヤングジャンプコミックス)

 

 アメコミテイストのゴリゴリのハードボイルドSF。どストライクな題材で凄く好みの作品。続巻も楽しみ。「拡張者」っていうネタを作ったところで勝利だと思う。

 

双亡亭壊すべし 7 (少年サンデーコミックス)

双亡亭壊すべし 7 (少年サンデーコミックス)

 

今、最も先が気になる伝奇漫画。この人、基本的にどの作品も同じような事を書いてるんだけどそれでも面白いって凄いと思う。 ジャンルが藤田和日郎だと思う。

「DAYS(25)」相変わらず中澤先生がイイ話。

発売間隔が短くていい。

 

内容は梁山戦の続き。3点先行されて後半残り20分。いよいよ反撃の狼煙が上がる的なお話。

 

この巻の最大のエピソードは一番最後のエピソード。

何も持っていない中澤先生の苦悩が語られる回。

才能の無い者が才能ある者を指導する、教育するという事の難しさについて中澤先生が独白するエピソード。サッカーの腕前は下手糞ながら聖蹟と言うチームに大人になっても憧れを抱く。かつて末席とはいえそこに籍を置いたものが現実を知りつつも、時を経て大人になっても憧れを持ち続けるという事は正直凄く純粋な事だと思う。中々ないし出来ない。いい意味でも悪い意味でも人と言う物は変化し続ける生き物である。その中で変わらなもの、揺るがないというものは本当に純粋なものであり、その人間の根っこ、芯になるものだろう。中澤先生の中心に存在する感情は、聖蹟と言うチームの強さ、かっこよさに対する憧憬なのだろう。そしてその憧れの存在を勝たせてやれないもどかしさを独白していくわけですが、これが本当にエモかった。自らチームを構築する難しさと喜びに溢れたお話で素晴らしかった。

 

 

続きも楽しみである。

 

 

忘備録(本)

最近物忘れがひどい。

 

 

 作者買い。BL作家を題材にした作品もこれで完結。結構面白かったがこの題材を続けるのは大変そうだとも思うのでちょうどいい塩梅で完結したのではなかろうか。作者の新作は北条早雲物だそう。そちらも楽しみだ。

 

 

海王ダンテ 4 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)

海王ダンテ 4 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)

 

 作者買い。相変わらずの安定感。この手の史実と虚構を混ぜ合わせた冒険活劇は大好物だったりする。

 

 

 シリーズ買い。1から3までは好きな漫画家だったので買ったのだが、そこまで買うとシリーズとして揃えたくなってしまうのは何故だろう…。

 

「キング・オブ・エジプト」(2016)正月なので大味で脳みそ空っぽで見れる映画が見たくなった。

そんなときは「プレデター」!!!

しかしそれでは芸が無いので見逃しちゃったやばげな映画を見た話。

しかし結果的には面白かった。

あっ!個人的な意見です、あしからず…。

 

 

キング・オブ・エジプト(2枚組) [Blu-ray]

キング・オブ・エジプト(2枚組) [Blu-ray]

 

 ホルスのあほさ、愚かさの極みを愛せるかどうかの127分の物語。

この作品、実は公開前から期待をしていた。なんせ監督が「ダークシティ」のアレックス・プロヤスだったから。私の中で「ダークシティ」という作品は結構デカい作品で、常に心の片隅に陣取っている作品なのだ。劇場公開時映画館で初日を観た記憶が懐かしい。あんときは初回の朝一に見たんだがデカい劇場で10人位しか客がいなくて凄まじく不安になったのを鮮明に覚えている…。結果的には人生におけるベストな1本だったわけなのだが、その後音沙汰もなく気にはしていたのだ。その監督の作品となれば期待せずにはいられなかったのだが、公開と同時に非難轟轟でえらく爆死した感じだったので残念に思っていた。アメリカで大コケ、イギリスでは公開中止との情報を受け、日本では公開するものの原題の「ゴッド・オブ・エジプト」から何故か「キング・オブ・エジプト」に邦題が変わるという謎の題名格下げもあり不安しかない状態になっていた。しかしそれでも見ねばならぬと思っていたのだが、公開当時都合がつかず観に行けず、その後も何となくスルー状態だったのだが正月一発目に本作に白羽の矢を立て見たわけなのだが…なぜ爆死したのかが理解できる内容だった。まず全然エジプトじゃない。エジプト風とかチックな感じんなのごった煮ファンタジーだった。エジプト神話を骨組みにしたお話を期待していた人(書き手も含む)には辛い内容だったと思う。登場人物の立ち位置やらキャラクター像も雑な感じで、お察しな感じでした。ただ、ホルスのあほっぷり、愚かさの極みっぷりはよく、個人的にはこの駄目神には凄く魅力を感じた。特に体育座りで佇むところから凄く良かったです。何と言うか愛おしい。映像も派手で特撮戦隊もののグレードアップ版と考えるとまあ悪くなかったような気がする。しかしこの題材で、何故こんな物になってしまったのか…。残念ではあるが、個人的には当初の目的通りのブツだったので満足はしている。あとザハ役の子が可愛かったです。以上。

 

 

 

 

新年ですね。

準備も用意も覚悟が無くても、生きていれば等しくやってくる…。

 

新年明けましておめでとうございます。

 

正直何がめでたいのかよく分からないのだけど、そういう物らしいのでめでたいのでしょう。

 

冒頭にも書きましたが、準備も用意も覚悟も何もないですが、そんな私でも新年を迎えることができました。

目標も野望もさしてないですが、今年も健康に細々と生き抜いていく所存でございます。

 

皆さまも良い新年を迎え下さい。

 

「イット・フォローズ」(2014)タイトルのまんま。

名は体を表すというが、そのまんまの100分の物語。

 

なんというか、切り口がどこもネタバレになるという困った映画である。

結論から書くと、結構面白かったです。

でも煽ってる感じの新感覚とか斬新とかはビタイチも感じなかった。

不幸の手紙だとか、鈴木光司「リング」とかを連想させる内容。

結構明確なルールがある割に投げっぱなしな感じ。

そういう粗い感じも嫌いではないので良かったです。

 

後は「汝、姦淫するなかれ―!」というキリスト教チックな幻聴が脳内をエコーするようなお話でした。

 

 

 バレンタインデーとかクリスマスイヴとかに未成年に見せるべく地上波で流して欲しい。後が怖えぇぞっという一種の教育という意味で…。

「天涯無限 アルスラーン戦記16」完結したので簡潔に感想

30年。その内、実働過年は何年だ…?

 

まずは何はともあれ完結したことを祝福したい。ハラショー。

物語は未完よりも完結した方が良い。その意味ではめでたく喜ばしい。

好きな作品ならばなおさらである。死ぬ前に終わってよかった。安堵である。

内容は前回から続く最終決戦。ジェノサイド色が濃くなった前巻の引きの続きで案の定の大量殺戮展開でした。まあ予想道理の田中芳樹展開です…が。

 

結論から書くと相当面白くなかった。

 

展開自体は予想道理だしそこは問題ないのだがどうにもこうにも言葉に魂が感じられないのだ。これは由々しき問題である。この作者の売りはベタな展開でも切れ味鋭い文章で読者のハートを持っていく所に魅力がある…あったと思っていた。少なくともこの物語の第1部と呼ばれるものにはそれがあった。あったと思う。読み手である私の目が肥えたのか、作者の力量が衰えたのかは分からないが、この第2部、この最終巻にはそれが欠片も残っていないと感じるのは私だけだろうか…。多少の盛り上がりはあるものの話を必死にたたむ作業的な流れ。歴戦の勇士たちが、仇敵、宿敵が冥府に手を取り行進する予定地調和の物語は書き手側の熱量無くして成立しないと思うのだが、そこに熱量は全く感じないのだな、これが。ただ必死に話を終えようとする書き手の姿が浮かぶのみ…。残念である。故にラストの「天涯無限」の寓話も何だか虚しすぎた。駆け足過ぎてそこに至る感動まで読者の心が追いつかないのだ。と言うか普通に無理だろ。…そこにはたたみ切ったという感慨以外何も無い…。ように感じるのは私だけか…。

 

その昔、菊池秀行さんの作品の後書きで「作品は完結するが物語は完結しても続くもの」と言う文章を読んで激しく同意した記憶がある。今まで私に突き刺さった作品群は確かにそういう作品ばかりだからだ。きっとそういった作品を傑作と呼ぶのだと個人的に思っている。そう意味では今作は私の中で傑作では無くなってしまった。残念な事だがこの作品の物語のその後を想像、妄想することはこの先多分ないだろう。ただ、もし中断の期間が無く、第一部の勢いと熱量で最後まで完走していたら、という妄想はこの先ずっと考え続ける事は間違いないだろう…。

 

色々思う事は多いけど、それでも完結したことは心の底から祝福したい…。

ハラショー!

畜生‼

ぎゃふん!!!

 

 

天涯無限 アルスラーン戦記 16 (カッパ・ノベルス)

天涯無限 アルスラーン戦記 16 (カッパ・ノベルス)

 

 中世ペルシャアーサー王的な物語もこれにて終わり。宝剣ルクナバートの存在故に

ジョン・ブアマンの「エクスカリバー」的なエンドになるんだろうと思ってから早20数年…。この物語の一番虚しい所は主人公たるアルスラーンの無欲過ぎる業だろう。そんな高潔にして真摯で多分童貞な若き王がなぜこんな目に…。ただただ悲しいわ。せめてそのラストなら銀英伝におけるキルヒアイスの死と同等の熱量で書いて欲しかった。だってあまりにも不憫すぎるわ。そう思うのは私だけだろうか?

「フットルース」(1984)踊る!ケヴィン・ベーコン!!!

何が好きって、ケヴィン・ベーコンが凄く好き。

 

牧歌的なパンクな物語である。行き過ぎた保守は怖えしアホすぎるって話でもある。保守的な田舎の街に引っ越した都会っ子の主人公(ケヴィン・ベーコン)が田舎の閉塞感に風穴を開ける青春の107分の物語。

 

今では悪役やら脇役がデフォルトなベーコンさんだが若い頃はこんな役が多かった。と言うかこれでブレイクしたため青春映画スターの印象がある。その頃はあまり興味もなく好きでもなかったのだが、脇役に回り始め、悪役に変わり始めたあたりから凄く好きになった。凄く良い。個人的には「インビジブル」あたりから凄く好きになった。何というかクソな人格やらせたら最高な役者だと思っている。あんた最高だぜ。

 

さて物語については語ることが無いほど有名な作品なので個人的に好きな所を紹介したい。まずは何をおいてもベーコンさんが躍るところである。正直それがキレてる踊りなのか、キレてない踊りなのかは分からないが多分切れてないと個人的に思う。当方はリズム感および運動神経皆無な人間なので正直判別つけかねる。がベーコンさんが器械体操部に所属している設定から考えると切れていると思ってねっと意図しているのだろう。そんなベーコンさんが、若干邪悪な雰囲気を漂わせつつ命一杯踊っている姿は、朴念仁の私でもちょこっと微笑ましく素敵ですと思わざるおえない。そういう風に丁寧に作ってあるところがちょっと好き。実際の所はベーコンさんに踊りの経験はなく1部のシーンは代役が踊ってるらしい。別に構わんけど。踊っているベーコンさんがこの映画のハイライトであるのは疑いようがない。好きな所をもう一つ。これは作中のセリフなのだが、ベーコンさんに母親が「高校生のデビット・ボウイ」と言う所が好き。確かにその風貌はかの故人を連想させる。この作品が作られた当時はまだボウイはそうゆうアイコンの頂点だったんだなと再認識させられる。単純に確認できる意味で好きなだけなんだが。デビット・ボウイいいよね。

 

サントラ映画だとか内容がないとかディスられ気味の本作ですがそういう意見を包括したうえでもベーコンさんが踊ってるっていうだけでオールOKと思える貴重な映画だと個人的に思っている。頭に戻るけど単純にケヴィン・ベーコンが好きと言うお話でした。

 

ぎゃふん!

 

 

フットルース [Blu-ray]

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 しかし、この当時からその後のキャリアを予感させる邪悪さが風貌に漂っていますね…。凄く良いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「DAYS(24)」

 10月はサッカー漫画ばかり読んでた。もう12月だけどね。

 

VS梁山戦の続き。

追撃ムードは高まるものの、結果が伴わない聖蹟。局地戦で勝利する場面は出てきたが得点に結びつかない。そんな中、電光石火のカウンターで梁山に追加点を奪われてしまう。後半残り30で得点は0対3…。その時、聖蹟イレブンは…みたいなお話。

 

サッカー漫画に出てくる登場人物と言うのは選ばれた人間達だ。基本的にここにいる者達は壁を突破してきた猛者達である。本作でいえば主人公つくしの所属する聖蹟高校は東京のサッカー強豪校と言う設定であり、そこに所属し、ベンチ入りするメンバーに選ばれるというだけでかなりの壁を突破してきたことになる。ましてや全国大会、冬の選手権のメンバーともなるとその壁は計り知れないほど高い。正に選ばれし選手たちとなる。しかしここで注目すべきはその舞台である。高校サッカー。これがこの物語のもっとも切ない色どりを加えている。彼らは確かに壁を突破してきた人間なのだが、まだ壁が存在するのだ。特に高校サッカーと言う所は残酷なまでの大きな壁が立ちはだかる。

プロの壁である。中二病的な十傑と言うネーミングはその象徴である。作中の十傑とはプロ内定者たちの事を指す。未来のJリーガーたちだ。突出した力を持ち、アマチュアの壁を突き抜けプロになれる者達。それが十傑。そう10人しかいないのだ。本作の高校サッカーをやっている最終学年3年生(1人2年生がいるので正確には9人)の中でプロになれるものは。その他の人間はその壁を越えられないのだ。どんな社会、世界でも最終的には弱肉強食の原理があり平等なんてない。幻想である。全ての人間が報われる世界など存在しない。社会には見えない壁が無数にあり、数多の階層が存在し、無限とも思える序列が存在する。スポーツの世界ではそれが明確に、残酷に目に見える形で提示される。そこに嘘はないとは言い切れないが、一般社会よりも少ないと思う。ゆえに結果は正しく残酷で尊いと思うのだ。個人的にこの物語の一番好きな所は、突破する人間達よりも、壁の前でもがく人間のエピソードだったりする。

中でもこの梁山戦において個人的に気に入っているのは中澤監督と速瀬の2人。中澤監督については以前に書いたが相変わらず良い。それについてはまた後日追記したい。今回は速瀬について書きたい。聖蹟の左SBの選手である。左利きの高速ドリブラー、適正ポジションは左WGだと思われる。しかしそのポジションに彼はつけない。そのポジションには十傑と呼ばれる水樹がいるからだ。怪物と綽名される規格外の選手が同じポジションにいるというのはどんな心境なのだろう。チーム競技とはいえポジションを争う意味ではチームメイトもライバルである。そんなに低くない壁を突破してきた人間にとってどうあがいても勝てない人間がいるというのは屈辱か絶望か。これがプロならば絶望しかない。試合出てなんぼだから。しかしアマチュア高校サッカーと言う状況だとそれだけではない。頼もしい仲間であり誇りでもある。速瀬にとって水樹は巨大な乗り越えられない壁であり誇りなのだろう。そこに迷いはない。ゆえに愚直なまでに水樹の能力を、勝利を信じ、献身的なサポートを惜しまない。それは聖蹟と言うチームに捧げる献身とほぼ変わらない。ある意味速瀬にとっての聖蹟とは水樹寿人とイコールなのかもしれない。

そんな速瀬の交代する場面が個人的にこの巻のハイライトだった。ここでの早瀬と国母の何気ない会話が凄く良かった。国母は作中でモテる、3股してるとうそぶく男なのだが、この場面での早瀬との会話がこの二人の聖蹟での立ち位置やサッカーや聖蹟に賭ける思いを凄く表していて熱く切ない。サッカーに賭ける思いや費やした時間は他の者に勝るとも劣らない。多分水樹ともそんなに変わらない。と言うか多分水樹よりも多く時間を費やしているはず。それでも届かない。そのもどかしさや悲しさ。実力や才能が及ばない人間のジレンマやら葛藤が凄く感じられる。熱く語るのではなく、ほか事を喋りクールに熱い。ストレートな熱さは分かりやすいが、それを前面に出すことが許されるのは一握りの人間だけだ。圧倒的な才能や能力を持った人間達。そうではない、能力の足りない者たちのテレを含めた情熱と言うやつが上手い事描かれてる。そこに正直、痺れる。

 

次巻も楽しみだ。

 

 

 

 

 鈴木と佐藤も良いね。

「スペル」(2009)小さな不親切が不幸を招く…。

時期を逸して観るのが延び延びになっていたのだが…控えめに言って最高な映画っだった。もっと早く見ればよかった。

 

サム・ライミと言えばホラーの人で死霊のはらわたの人でスパイダーマンの人である。個人的にはホラーってジャンルはあまり得意ではない。好きか嫌いかと聞かれれば、まあ好きなほうなのだが得意か苦手かと聞かれると苦手と即答できる。ビビりなので心臓に良くないのだホラーは…。突然来るデカい音とかマジで勘弁、心臓に悪い感じがする。それでも見るけど…。

 

物語は家を差し押さえられることに逆切れした婆さんが、差し押さえた会社ではなく担当した主人公である女性従業員に「恥をかかせやがった」と、その怒りをぶちまけた挙句、呪い殺そうとする、超逆切れ理不尽ホラーである。字面だけで見ると相当荒唐無稽な話だ。実際荒唐無稽な話なんだけど。ちなみに婆さんは2回もローンの支払いを延長しており、仕方なく主人公はそれを却下したかたち。しかも主人公は上司に相談したうえでの決断であったが、婆さんはこれに牙をむく。会社じゃなくて対応した従業員に!ここら辺の件は超理不尽でスゲェ怖い。理屈や論理を超えたプライドとかの怒りってたちが悪くていかんともしがたい…。そしてこえぇ。警備員に取り押され排除される婆さん。その場は収まるが帰宅のため駐車場で車に乗り込もうとする主人公をアンブッシュし強襲する婆さん。壮絶な格闘戦を主人公と演じる。これが怖くて可笑しい。恐怖と笑いは紙一重の所にあるのを実感する攻防。入れ歯の取れた口での噛みつき攻撃など想像を超えるアグレッシブな婆さんの攻撃を主人公は辛くも撃退するがコートのボタンをちぎり奪われ呪いをかけられてしまう。それから主人公は次々と怪異現象に襲われ、ある霊能者に頼るようになるのだがみたいな…99分のお話。

 

日常に潜む危険から否現実的な危機的状況に陥るという黄金パターンのホラー映画で、ビシっとはまった様式美溢れるホラー映画である。スパイダーマンの後にあえてこれを撮るサム・ライミの感性もシャレオツで痺れる。 ホラーでありながら可笑しさもあり最終的に後味が悪いという完璧な構成。目くるめくジェットコースターのような99分を堪能できる。

教訓としては小さな不親切が不幸を招き、余計なお世話が不幸を招くとい言った所か…。どっちにしても世の中は公平じゃないし不条理だよって感じのお話でした。ぎゃふん!

 

スペル [Blu-ray]

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 原点回帰的な作品で、こういうのはやっぱり得意なんだなサム・ライミ。しかしあの婆さんに毅然と対応した主人公には敬意を表する。だって見た目がもうヤバい。怖い。私ならあんな毅然とした対応は取れないだろうなぁ…。