全17巻。皆川亮二作。
まず最初に、俺はガンアクションものの漫画が結構好き。そして西部劇が好き。
ちょっと前に完結。何となく感想を書きたくなったのでここに記す。
皆川亮二さんの書く漫画が俺は好き。単純に一番最初に読んだ「スプリガン」のインパクトにやられて現在に至る。単純にファンです。基本全作品読んでいる。そんな感じ。
本作は異世界西部劇。銃士と呼ばれるガンマンたちが席巻する世界。2部構成になっていて、1部は父の死にまつわる秘密を解明するために行方不明の兄を主人公が探索する話。2部は、1部から5年後の世界。G・O・D(ガン・オブ・ドミネイション)なる3年に1回開催される世界最強の銃士を決定する大会で新主人公(1部と主人公が違う)が挑戦する迄の道のりと結末までの話になっている。
基本皆川さんの書く主人公と言うのはテンプレでほぼ皆同じ性格である。多少のバージョン違いはあるものの、全作品ほぼ同じ性格である。本作も同じ。(D-LIVEの主人公が一番近いか?)
正義感があり、すっとぼけていて抜けているように見えて異能を持つ。少年漫画の王道のような主人公だ。まあ、安定感がある主人公です。舞台設定も良く、西部開拓時代ぐらいの文明レベルに設定されており、銃士と呼ばれるガンマン達の決闘(デュエル)と呼ばれる早撃ち勝負を魅力的に描いている。る、のだが…。
しかし、話を追うにつれやたらと既視感を感じてしまった。
これに似た話を俺は知っている。 …。
…まあぶっちゃけるとGガンダムである。西部劇版Gガンダムと言って差し使えない。
ガンダムファイト=決闘(デュエル)だ。
第1部の行方不明の兄を追う展開。第2部のG・O・Dに至る展開。
物語の骨組み自体がGガンダムのそれ。
実際の所、主人公=ドモン。兄=キョウジ&東方不敗。その他の主要銃士=シャッフルおよびその他のGFで余裕で脳内変換できる。
ただ、主人公が基本殺さずの不殺信条の、るろ剣チックなマインドな奴なのでめんどくさく、これがドモンであったならばと思う瞬間が幾度もある。が、一緒だとどいつもこいつもぶっ潰す話になってしまうので仕方ないか…。まあ最終的には希望の未来へレッツゴーと言うお話であった。(嘘です)
一番の見所はやはりG・O・Dか。もう出てくる銃士(もはや銃すら持たない者も多数いる)が超人ばかりの魑魅魍魎対決。特にラスト近辺の対決は圧巻。ゼータガンダムにおけるカミーユ&シロッコレベルのプレッシャーを持つ(目に見えるやつです)ものばかり。ヤザンが裸足で逃げ出すようなレベルの対決が繰り広げられる。最高かよ。
西部開拓時代から現代にいたる狭間で、戦争のあり方の変化をガンマン風情が止めようとする大風呂敷とけれんみ。最高だ。
しかし早撃ちで世界の命運を握れるって凄い世界だ。1番強い奴が1番偉いっていうジャイアン天国…。うーん。ダメだ。俺はこの世界じゃ生きちゃいけねぇ。最高なんだけども…。
でも漫画としては非常に滾るものがあるんだけどね。ぎゃふん。
何にせよ完結することはいいことだ。皆川さんは安定感あるなぁ。