真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

「50/50 フィフティー・フィフティー」(2011)細かいジョークが楽しくセス・ローゲンのツンデレにやられた…。

突如として私の中で始まったジョセフ・ゴードン=レヴィット祭り。インセプションとかダークナイトの時から知ってはいたがさほど興味はなかった。多分この前見た「ルーパー」が心の琴線に触れたのだと思う。

 

g029.hatenablog.com

 ジョセフ・ゴードン=レヴィット祭り。何だかよく分からないが楽しい。ヤバい。

 

物語の粗筋は…

難病闘病コメディー。ある日、腰に痛みを感じ病院で診察してもらった主人公ジョセフ・ゴードン=レヴィット(役名アダム)は脊髄がんであることを宣告されてしまう。5年間の生存率50%…。そんなジョセフ・ゴードン=レヴィットの闘病生活の顛末を描く98分の物語。

 

ジョセフ・ゴードン=レヴィット祭り第一弾!何となく感想…

結論から書くと最高だったのではないか。最高。過去見た闘病物の中では個人的に一番楽しく素敵な作品だったと思う。

 

主人公を演じるジョセフ・ゴードン=レヴィットが良い。何が良いんだと問われると困る。正直何が良いのか私も分からない。ただなんか良いのだ。かっちりしたアイビールックに身を包み、柔和な柔い風貌そのままの所謂優しい良い奴を演じている。一歩間違えるととっつぁん坊やみたいな格好になってしまうのだけど、ジョセフ・ゴードン=レヴィットは実によく似合う。板についてるスタイルで格好がよろしい。

真面目なんだけど堅苦しくなく、マッチョな感じではないけれど、そうゆう話ができないわけでもない、草食系と言われる人種のフラッグシップな役だ。あまりにも出木杉君で厭味な役柄になってもおかしくはないのだが、そこは我らのジョセフ・ゴードン=レヴィットが上手いこと演じていて、非常に魅力的なナイスガイを演じている。素晴らしい。

ただ一つ女の趣味が良くない。芸術家もどきの女ブライス・ダラス・ハワード(役名レイチェル)と付き合っているのだが物語序盤からどーにもこの女は胡散臭い。その関係の顛末は見て知るべしだが、人を見る目が無いという欠点がまた抜けてる感じで、いい感じの隙をジョセフ・ゴードン=レヴィットに持たせることによって、そこも魅力を感じさせる。見せ上手だぜ!ジョセフ・ゴードン=レヴィット

 

また劇中歌が良い。特にジョセフ・ゴードン=レヴィットが病名を宣告された後、喫茶店で呆然としているシーンから流れるRadioheadのHigh and Dryが凄まじく良い。久しぶりにRadioheadを聞いたがドラマと非常にあっていてすごく良かった。下手するとただのMVに見えなくもないが…素晴らしく良かった。

 

後はセス・ローゲン(役名カイル)が白眉の出来。粗野で野卑な言動や行動。しかし時折見せる知性や優しさ。アメリカ映画の親友枠で最も多い定番のキャラクターではあるのだが、これが本当に素晴らしかった。常に減らず口や憎まれ口を叩いているのに、陰で闘病者との接し方の本を読んだり、手術中に病院の前で落ち着かなく不安げな顔で佇んだりというツンデレぶりを披露してくれる。おっさんのツンデレなんか何処にもニーズ無さげなんですが、その光景は確かに胸を打つものがある。イカス。

 

窮地の中にこそ人間の本質が見えるとはよく聞く台詞だが、そんな人間の周りにいる人間にも同じ事が言える。病気を宣告されてからのジョセフ・ゴードン=レヴィットは苦悩し嘆き自暴自棄に陥っていくがそれでも最後は持ちこたえる。ツンデレな悪友だったり口うるさい母親だったり間の抜けた研修医のカウンセラーたちの親身の支えによって。結局普段それ程ありがたみを感じない人達が実は一番心配してくれているし最後まで付いてきてくれる。臭くて照れる恥ずかしいお話ではあるが結構核心を突いていて心にぐっとくる。ここまで臭く恥ずかしい話を超ド直球でやられると逆に清々しく心地いい。面白かった。

  

 

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 時折ジョセフ・ゴードン=レヴィットウエンツ瑛士に見える瞬間がある。キレて叫ぶシーンなんかは叫び声まで似てるように感じた。そう感じるのは私だけか…ぎゃふん!