真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

「ザ・ウォーク」(2015)なぜ危険を承知で人は挑戦したがるのか…?

 

多分馬鹿なんだろう。いい意味でも悪い意味でも…。

でも犯罪は良くないと思うよ。

ジョセフ・ゴードン=レヴィット祭り第3弾!!!

今度は綱渡りだ。

 

粗筋は…

1974年、アメリカのワールドトレードセンターで行われた綱渡りの物語。123分。

 
1974年、当時世界一の高さを誇ったワールド・トレード・センター
その高さ411m、地上110階の道なき空間をワイヤーロープ一本でつなぎ、命綱なしの空中闊歩にある一人の男が挑んだ。その男とはフィリップ・プティ
感想…

ロバート・ゼメキス作品を久しぶりに見た。ベオウルフ以来のような気がする。好きな監督ではあるのだが最近ご無沙汰している。

 

今回のジョセフ・ゴードン=レヴィットは破天荒な役柄だ。なんせ高さ411m、長さ42mを命綱なしで渡ろうとする男の役である。野性味があって知的でアナーキーな感じだ。無論、犯罪である。ワイルドだね。アウトローですね。

 

世の中には2種類の人間がいる。

高いとこが平気な人間と平気ではない人間だ。ちなみに私は後者に属する人間である。だから正直そんなところを何故渡りたいのかよく分からない。というかそのインスピレーションが沸く意味も理解できない。それでもあえて何故を考えるならば以下の答えが導き出される。

 なぜ綱を渡りたいのか?それは多分、渡れるから。

能力があるという事は、それを試したい欲求に駆られるという事だ。そして往々にして人はそれに抗えない。抗えるわけがない。だってできるのだもの…。相田みつを風になってしまうけれど、そういう事だと思う。

 

この物語は事実に基づいた映画で、事の顛末を発端から結末まで詳細に描いているらしいのだが、見終わった後に思い浮かんだフレーズは「伊達と酔狂」だった。銀英伝のキャラクター、アッテンボローが作中後半で頻繁に口にするフレーズが真っ先に思い浮かんだ。ピッタリだと思う。伊達と酔狂以外の何物でもない。付け加えるなら挑戦という言葉か。命を賭けた無意味な挑戦。それは捉えようによってはアホ以外の何物でもない。というかアホだ。しかし命を賭ける価値のある挑戦と思える事柄を持つ人間がこの世にどれだけいるだろう?多分ほとんどそんな人間はいない。とするならば、その行為をあほと即断じることができるだろうか?いやできない。もうそれはアホを超えている。度を過ぎると何とやらとはよく言うが、これはとても高尚とは言えない。故に「伊達と酔狂」がピッタリ来る。というかそれ以外の言葉がもう思い浮かばない。とは言うものの、ぶっちゃけアホなんですがね。

 

後、見ていて考えさせられたのは、どんなこ事でもある程度規模が大きくなると単独や個人での仕事は難しいという事。本作でもこの「伊達と酔狂」を行うのに何人もの協力を必要としているという所をきっちり見せている。主人公個人の業績は当然称えられて然るべきだが、その陰には何人もの支えがあっての結果と言う所もしっかり描かれていて好感が持てた。よく言われる言葉だが個人の力には限界がある。そんな所もきっちり見せるのは凄く良い。脇役が凄く良い。いい意味の歯車になってる。

 

最後にあと一つ。真の主役について。ジョセフ・ゴードン=レヴィットは主役だがもう一人主役がいる。人ではないが、全ての発端であり事象の中心であり続けている。この映画のもう一つの主人公はもうこの世には存在しないツインタワー。ワールドトレードセンターこそが中心であり主役なのだろうと思いました。

 

 

面白かったんだけどこれって本来劇場で3DとかIMAXとかで見たら多分、別次元の面白さになるんだろうなぁぁぁぁ…ぎゃふん!

 

過去のジョセフ・ゴードン=レヴィット祭りはこちら。

 

g029.hatenablog.com

 

 

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