真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

「レギオン」(2010)地上に天使が下りてくるとロクなことが無いという定番…。

戦いたがる天使たち。色んな意味で大迷惑。嫌いではないが色々足りない。面白い要素が多いのに残念。惜しい映画だと思う。

 

粗筋は…。

人の愚かさに堪忍袋の緒が切れた神は人類粛清に天使の軍団「レギオン」を地上に向かわせる。それを知った大天使ミカエルは人類を救うため神を裏切り翼を捨てて*1武器を手に取り*2地上へと降り立った。目的地はアメリカのどこかは分からぬ郊外のレストラン。そこで働くウェイトレス、チャーリーが身ごもっている赤ん坊こそが人類の希望。人類の救世主となる赤子を巡って天使と人との人類存亡を賭けた戦いが始まる…。

 

んっでもって感想…。

天使物というジャンルがある。その中でもさらに細分化すれば天使バトル物というジャンルがある。「ゴッドアーミー」「コンスタンティン」とか。この天使バトル物、私は嫌いじゃない。むしろ大好きだ。翼の生えた、時には生えてない人間もどき、もとい人間を超越した天使のバトルは派手で良い。良いのだが大抵天使たちも人間と同じような思考をしていて造形をしていて肉弾戦になるのはどうかと思うのだが…。本作も想像の域を超えない銃撃戦だったり肉弾戦が展開されます…。

 

冒頭でも書いたが本作は色々足りない。足りない映画だ。

人類の存亡を賭けた戦いと言えば、何か壮大な感じがするが実際はアメリカの片田舎のレストランに立てこもる少数の人間+α(正確には7人で元天使と女含む)対レギオン(大軍)&ガブリエルの局地戦であり、大天使無双のお話だったりする。とにかく大天使が強い。翼が無い状態でも強いが翼があるともう手が付けられないくらい強い。とにかく翼が強い。銃弾は跳ね返すは、物は切断するは万能無敵の兵器だったりする。というか翼が天使の本体なんじゃないのかと思うほど強い。というか翼さえあればいい。そんな感じ。

 

天使の軍団「レギオン」これはビジュアル的には悪霊にしか見えない。調べてみるとレギオンとはマルコによる福音書に登場する悪霊の事だそう。ビジュアル的にも合致するので多分ここからの引用だと思う。でも公式な紹介でも天使の軍団になっているので個人的に解釈するなら、大天使はその造形のまま地上に降りれるが天使はそのままでは地上に降りれず人に憑依して地上に降りるという事なのかな?憑依したらビジュアルが何だかゾンビ風の悪霊付きみたいになるという風にしか考えられない。原理は謎である。そしてこのレギオン…弱い。

 

映画は人間&ミカエル対レギオン&ガブリエルの攻防からミカエルVSガブリエルのバトルを経てクライマックス、エンディングと続くのだが想像の範疇で想定の域は全くでない。捻りやどんでん返しもさほどなくエンディングを迎える。ほぼ1本道。正直なんだかなーという感じで壮大なイメージとは裏腹に非常にショボい。

 

この映画のテーマは真の信仰心とは?という事だと思う。言葉をなぞりそれを忠実に守ることが正しいのか、たとえ神の教えや命令でもそれが誤りと思うならば、歯向かっても間違いを正すことが正しいのか?これは非常に難しい問題でケースバイケースだと思う。が、この映画にはこの映画なりの回答が提示されていてる。雰囲気だけで跡を濁さず、きっちり答えを述べるスタイルは好感が持てる。個人的には評価高い。ベタすぎると言えばそれまでだが、ベタは重要だ。ショボいけど…。

 

結局の所、神の気まぐれに振り回される天使と人間。そして常に試されているというお話でした。それってなんだかしんどいねって感じでした。ぎゃふん!

 

 個人的には天使ってもともと物騒なイメージを持っている。悪魔を槍で退治する的な。本作の天使は槍とかではなく銃器を使用します。よりハイパーな感じだ。ショボいけど嫌いじゃないんだなー。この手のBな感じ。おススメはしませんがね。

 

 

*1:文字道理の意味です。翼を自分で引きちぎります。

*2:銃とかです。ギャグではないです。