真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

「新選組始末記」(1963)古い時代劇を見たくなったのだが何を見ればいいのかよく分からなかったので…。

とりあえず俳優に当たりをつけて見ていこうかと思い、市川雷蔵に当たりをつけた。選択の理由は単純に名前がカッコいいから。だって雷蔵ですぜ。字面がカッケーぜ。結果、大当たりだったような気がする。面白かった。

 

物語の内容は題名の如く。京都での新選組結成から池田屋襲撃までの顛末を山崎烝市川雷蔵)を主人公に描く93分。

 

京都で浪人をしていた山崎烝市川雷蔵)はひょんなことから新選組近藤勇若山富三郎)と知り合うことになる。その際、武士の本懐とは男の心意気であると説明された山崎は近藤に惚れ込み、医学を志す恋人・志満(藤村志保)の反対にもかかわらず新選組に入隊する。そんな折、局長・芹沢鴨田崎潤)の粗暴な振る舞いを憂慮する近藤と同志の土方歳三天知茂)が芹沢鴨らを謀殺する事件が起きる。組織を掌握し、近藤が局長、土方が副長の新体制になった新選組には入隊者が激増し、新選組は日増しに大きくなっていったが、山崎の心には何か釈然としないものがあった…みたいな話。

 

市川雷蔵と言う名前は知っていたが作品は見たことが無かった。今回始めてみたのだが、これがすこぶる格好良く、面白かった。作風もハードボイルドな時代劇で非常にクールな感じで素敵。まあ題材が新選組なんで登場人物は殆ど野郎ばかりなのだがこれがまた硬派な感じで非常にイイ。非常にスタイリッシュな剣戟やら映像でもうたまらん感じ。市川雷蔵演じるところの山崎の青臭い理想に苦悩しながらも己の信じた道に命を賭ける件も良い。若山富三郎演じるところの近藤勇も良い。朴訥ながら信念を貫く田舎侍な感じと、その殺陣の美しさは素人ながら素晴らしく感じた。とにかく殺陣が美しい。噂には聞きていたのだが若山富三郎の殺陣は良い。主役をも喰う出色の出来だと思う。あと天知茂演じるずる賢さと意地悪さを兼ね備えた土方もまた良い。最近の新選組物だとなんかいい人になりがちだけど鬼の副長の異名を持つんだから憎まれ役であって欲しい。そんな願望を具現化したようなキャラで個人的には大満足だったりする。殺伐とした死生観も良く、美しくもなく、むごたらしい。死んだら無、そんな感じ。維新前のその凄惨な表現も凄く良い。

 

密偵役である山崎を主人公に据えた珍しい作品であるが、単純に市川雷蔵のカッコよさを認識した1本ともいえる。時折何とも言えないカッコいい姿に移るカットがあり目を奪われる。ああ、なるほどこれは人気が出る。納得させられた。昭和の格好良さだ。物語も揺れる組織の中の群像劇として面白いと思った。

 

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 結果、若山富三郎の過去作もチェックしたくなる作品だった。