例えどんな物であれそう思う今日この頃。でも法に触れないものに限る。
前作「げんしけん」はオタクの大学生グダグダライフを描き、本作は工業高校生の合唱ライフを描くらしい。
物語の基本構造は前作と同じでオタクが合唱になっただけなのだが、こういった物語を書くのが非常に上手い。
要は何かに熱中する者、何かに熱中していく過程にある者、それを取り巻く者達の心の機微を描く群像劇なのだが、熱中する何かというのが今回は合唱。本作は主人公を含め登場人物達がそれぞれ適度にコンプレックスを持っていてそれらを合唱というツールで昇華する様を時としてシリアスに、ユーモラスに描いていく。コンプレックスが最大の長所、武器と化すというのは良くあるパターンで王道展開なのだが、それでもそれが心地いい。作者の掌の上で転がされている。ある意味最高の状態にあるわけで先が楽しみな作品だ。
ちなみに個人的に一番好きなキャラは長谷川さんだったりする。