真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

亡国の10番/誇り ドラガン・ストイコビッチの軌跡(2000)

 亡国の10番、その半生。

誇り ドラガン・ストイコビッチの軌跡 (集英社文庫)

誇り ドラガン・ストイコビッチの軌跡 (集英社文庫)

 

 面白い。面白くないわけが無い。

今は無き亡国ユーゴスラビアの10番を背負ったフットボール選手の波乱に満ちた半生を描くノンフィクション。

生まれも育ちも名古屋でフットボール観戦好きの身としてはもう読んでいて然るべきの本なのだが、発売当初から凄く売れていたし、この世から消えることは無いと思い、死ぬまでに読めればいいと放置していたら今日まで来てしまった。で、満を持して読んだのだがこれがすこぶる面白かった。そのほとんどのエピソードをもうすでに知っているにもかかわらず面白い。何よりも筆者がストイコビッチに魅せられてフットボールに、ユーゴ情勢にはまっていく様が読んでいて面白い。確かに彼はフットボール沼にはめる選手でしたよ。

超絶技巧なプレイヤーである反面、事あるごとにカードをくらうカードコレクター。常に何かに苛立つ姿が印象に残っているストイコビッチ。その現因がなんなのかが垣間見れる一冊。

TVの画面越しではあるがリアルタイムに贔屓のチームでプレーする彼の勇姿を拝めたのは今思うと幸福なことだったと心底思う今日この頃。以上。