真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

正しいアップデート。だがしかし…。/クリード チャンプを継ぐ男(2015)

肝心な所はアップデートされていないように感じる。

 

 ボクシングが結構好きでそれを題材にした映画もよく見る。作品は違えれど年々クオリティは上がっているように感じる。特にメインの試合にいたるまでは…。

本作も良くできている。正直な話、私はさほどこのシリーズの熱心なファンではない。第1作目は面白かったが2作目以降は惰性で見た感が凄くある。最後に見たのはスタローンが最終的に弟子とストリートファイトするやつで、それがシリーズ何作目かは記憶にない。それ以降は見てない。その程度の思い入れしかない。

そんな私でも本作は面白かった。が、しかしこの作品もメインの試合がいただけない。ボクサーのフルスイングしたパンチがクリティカルヒットしたら、いかに鍛えているボクサーでも、もれなく絶賛お陀仏だよ。全力被弾のしたらパンチドランカーどころか絶賛成仏だよ!と突っ込みたくなる試合なのだ。こういった展開も漫画だと許容できるのだが実写作品だと何故か冷めてしまう。そこまで重ねてきたドラマの現実感に対してボクシングの試合が虚構過ぎるのだ。両親を失ったものの義母の愛情を一身に受け、何不自由することなく育った主人公がそれでも満たされない何かを求めてボクサーの道を歩もうとした一つの到達点の試合がこんな大味な試合だとは…。画面映えするためには分かりやすいもの、というのは理解できるのだけど、もうそろそろシビアで刹那な試合を見たかった。正直ラストバトルに至るまでが面白かった故に少し残念だった。以上。