くるりはデビューからずっと聞き続けているバンドである。
早いものでもう20年ほどの時が流れたらしい。
時の移ろいは早いものであると聞いてはいたが体感するとその言葉の真実味が身に染みる。
気持ちや感覚は20年前とほとんど変わらないが、鏡に映るその容姿は確かに年を積み重ねている。
20年。なんとも怖いものであると私は思った。
本作はそんな20年間のくるりと言うバンドの記録と記憶の書である。
えらい物で本作で語られている大半のことをほとんど私は既に知っていた。
これはその時々のメディアで書かれていた事や語られていたことをしっかり読み聞きしていたと言う証拠であろう。
今ほど情報が簡単に手に入らない時代の話である。
「どれだけ熱心やねん」と私は少し照れた。
あまり難しいことを考えず本書を読了した私はかなり懐かしい気分になった模様である。
「こうやって一冊の本になるほどにくるりは上がってしまったのだな」
そんな感想を抱いて、私は感慨深く感じた。
単純なファンである私にっとってはこれはマストな一冊であったように思う。