真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

記憶の記録 2020⑦

 ファーナス/決別の朝

 

ファーナス/訣別の朝 Blu-ray

ファーナス/訣別の朝 Blu-ray

  • 発売日: 2016/03/16
  • メディア: Blu-ray
 

 面白かった。何気に出演陣が豪華。内容はディアハンターで西部劇という堪らん仕様になっており、デニーロがクリスチャン・ベールでウォーケンがケイシー・アフレックだった。しかし時代は流れているのに映画が提示する社会的問題はまるで昔と変わっていないと言うキツイ現実。帰還兵のPTSDと社会的貧困。人類の普遍的な問題と捉えるべきか、人類の停滞と捉えるべきか…。どっちにせよ困ったもんである。

 

ユージュアル・サスペクツ

 

ユージュアル・サスペクツ [Blu-ray]

ユージュアル・サスペクツ [Blu-ray]

  • 発売日: 2019/04/24
  • メディア: Blu-ray
 

 今となってはなかなか香ばしい組み合わせである。ケヴィン・スペイシーとブライアン・シンガー。人に罪はあっても作品に罪はない。無論、見るのも嫌と言う人間がいるのも理解はするが私は面白ければ万事がOKないいかげんなスタンスである。どんでん返しの代表格によく上げられる本作。しかし言うほど、どんでん返しか?と常に疑問に思っている。映画冒頭から犯人役が存在感ありすぎて…。良く分からんけど多分こいつが犯人だと思った奴がやっぱり犯人だった、初見の時の記憶が見る度に蘇るんですけど。一生懸命ミスリードはしてるけど、存在感ありすぎんのよ。香ばしいあなた。困ったもんだ。

 

ブレックファスト・クラブ

 

ブレックファスト・クラブ [Blu-ray]

ブレックファスト・クラブ [Blu-ray]

  • 発売日: 2012/06/20
  • メディア: Blu-ray
 

 スクールカーストものの始祖的作品。なにぶん35年前の作品なので今見ると古さは否めない。しかし学園物としての普遍的な面白さは確かに今でもそこにあると思います。思い返すと、この作品の系譜と思わせる類似作品は非常に多い。それだけ秀逸なフォーマットで真似したくなる筋立てなのだろう。あと話は変わるが、本作のエミリオ・エステべスのBTFのマーティー感が半端ない。マイケル・J・フォックスは別格として、エリック・ストルツよりもエステべスの方がマーティーっぽいと個人的にずっと思ってる。そういやBTFも本作もくしくも同年1985年の作品なんだよな。

 

 

 

 ウエディング・クラッシャーズ

 

ウエディング・クラッシャーズ [Blu-ray]
 

 オーソン・ウィルソンとヴィンス・ヴォーンによるコメディ映画。名は体をあらわす、とはよく言ったもんで、タイトルがほぼ内容。付け加えるならミイラとりがミイラになるという映画であるが、正直なところ重要なのはそこではない。重要なのは、クリストファー・ウォーケンが出ているか、いないかだ。で、本作には出ている、ということである。そこ超重要。出番はすくないが、相変わらずウォーケンは良い。いいぞ。これでまた一つまだ見ぬウォーケン映画を一つ消費した。そういった意味で個人的には大満足である。こちらからはそんな感じです。以上。

 

ハイパーハードボイルドグルメリポート

 

ハイパーハードボイルドグルメリポート

ハイパーハードボイルドグルメリポート

 

 知ったきっかけは深夜に何気に見た深夜TV。リベリア元少年兵の食事を取材するというドキュメンタリー番組だった。ハイパーハードボイルドグルメリポートと銘打たれたそれを見始めてすぐに目が離せなくなった。その雑多で猥雑な雰囲気と得もいえぬ緊張感、常に危険がつきまとう非日常感が非常に興味深く面白かった。その後、風の噂でその番組が書籍化されたという話しを聞きつけ、すぐに手に入れたしだいである。内容はリベリア元少年兵、台湾マフィア、ロシアのカルト、ケニアのスカベンジャーの食事の取材である。読み物として、ノンフィクションとして非常に面白く、下手をするとTVよりも個人的には面白く感じて非常に満足しました。いや、よい買い物であった。

 

 eyes milet

 

eyes(通常盤)(特典なし)

eyes(通常盤)(特典なし)

  • アーティスト:milet
  • 発売日: 2020/06/03
  • メディア: CD
 

 思わず買ってしまった。何か女性の歌声を聞きたくなって、たまらず手にとってしまった。ザ・衝動買い。しかし後悔はない。歌声に透明感があって少しハスキー。非常にいいのではないでしょうか。個人的に5曲目の「insaide  you」が非常にツボです。良い買い物であった。

 

 

 

 

2020年現在 私的映画ベスト
1 ジョーカー   -
2 ゴーン・ガール   -
3 エクス・マキナ   -
4 アジョシ -   -
5 母なる証明   -
6 ファーナス/決別の朝  NEW!
6 怪物はささやく    ↓

 


2020年現在 私的漫画ベスト
1 ザ・ファブル 22     -
2 ハイキュー‼43      -
3 バーナード嬢曰く。5    - 

 

 

2020年現在 私的アルバムベスト

1 thaw くるり   -
2 eyes  milet   NEW!

 

 

 

 

記憶の記録 2020⑥

 キングダム

 

 テレビでやっていたのを視聴した。結論から言うと可もなく不可もないといった印象だ。漫画原作に忠実ではある。しかし、ただそれだけなのだ。原作を、なぞるだけでいいのなら別に漫画を読めばいい。正直な所、実写映画にしなければいけない意味を感じることはできなかった。キャラクターは原作に頑張って寄せているように感じる。しかし無理に寄せ過ぎた結果、衣装や甲冑のチープな質感を際立たせる残念な結果に。全編コスプレ感丸出し状態になってしまい、いただけない。アクションはワイヤーアクションを取り入れた荒唐無稽なカンフーアクション系。しかしスピード感がたりず物足りない。ただ左慈役の坂口拓氏は一人だけ殺陣が別次元で、そこだけは一見の価値を感じた。あと場面転換の時に左から右に流れるエフェクト。あれ本当に嫌い。映画の出来の良し悪し関係なく、作品自体がチープに感じるので切実にやめて欲しいと願う。

 ジョーカー

 

 2度目の視聴。世界一信用できない話し手が語るどこかの地獄の物語。どこまでが真実でどこからが虚構なのかはよく分からないが、心を病んだ孤独な男を欺くとどうなるかと言う話しであり、社会に見捨てられゴミみたいに扱われた男が暴発する話である。ようはマジ切れして人間をやめる話であり、貧困や格差社会が怪物を産む話なのだな。

 トクサツガガガ 19

 

トクサツガガガ(19) (ビッグコミックス)

トクサツガガガ(19) (ビッグコミックス)

 

 ラス前。正直な話し、開始当初の面白さは感じられない。もっと早めに終わらせるべきだった気がする…。

 ザ・ファブル 22

 

 山岡エピソード終了とともに一部完。いや見事。しっかり畳み切った感があるラストだった。ちょうど良い感じの荒唐無稽さと絶妙なテンポで展開する筋立て。その全てがツボで毎回凄い楽しみにしていたのだがついに終わってしまった。終わっちまった寂しさと、読み終えた充足感が半々な感じだ。そういえば実写映画化もされたんだけど結局見ていない。というか読了の余韻を壊すのが怖くて当分見れないなー。

 thaw

 

thaw

thaw

  • アーティスト:くるり
  • 発売日: 2020/05/27
  • メディア: CD
 

 解凍と名づけられたくるりのニューアルバム。過去の未発表曲を中心にパッケージされた、コロナ禍でツアーが消滅したために出来た作品。個人的なフェイバリットは1曲目の「心のなかの悪魔」。詳しい解説はnoteでご本人がセルフライナーノーツを書かれているのでそちらを見る事をお勧めする。

 

 

 

 2020年現在 私的映画ベスト
1 ジョーカー   NEW!
2 ゴーン・ガール   ↓
3 エクス・マキナ   ↓
4 アジョシ -   ↓
5 母なる証明   ↓
6 怪物はささやく    ↓

 


2020年現在 私的漫画ベスト
1 ザ・ファブル 22   NEW
2 ハイキュー‼43    ↓
3 バーナード嬢曰く。5    ↓ 

 

 

2020年現在 私的アルバムベスト

1 thaw くるり   NEW!

記憶の記録 2020⑤

 シャイン

 実在のピアニスト、デイヴィット・ヘルフゴットをモデルに実話を元にした映画。とは言っても生存している人物を作品にするのは難しい。どうやっても忖度しちゃうし美化されちゃう。演出、脚色もガンガンに入る。事実は小説よりも奇なりとはよく言うが、正直事実はそんなに面白くない。極まれに特殊な例があるだけ。事実は往々にしてつまらない。そしてこの映画も実際のところ、かなりエピソードを盛っている。でもあくまで事実をもとにした虚構なので面白ければOKだ。まあドキュメンタリーと銘打っちゃうと話は変わってくるが…。
この映画で私が一番好きなシーンはDVDのパッケージにもなっているジェフリー・ラッシュが全裸でコートを羽織り、ポータブルオーディオプレーヤーで音楽を聞きながらにこやかに全力でトランポリンしている所。青空バックに両手を広げたジェフリー・ラッシュの印象が鮮烈で、公開当時からこのポスターのビジュアルだけで、この映画に興味を持っていた。その後、縁もなく機会もなく見ることなく来たんだけど、今回初めて見て一番印象に残ったのもそのシーンだった。悲しくもあるけれど、全てから解放された感が突き抜けてる。家族とか音楽とか社会とかのしがらみを全てふっとばす光景。それが全裸でコートでフルチンのトランポリン。うん。その開放感たるや推して知るべし。

 怪物はささやく

怪物はささやく [Blu-ray]

怪物はささやく [Blu-ray]

  • 発売日: 2018/12/14
  • メディア: Blu-ray
 

 堪能しました。正直、この手の寓話に凄く弱い。というか目がない。面白い、面白くないは別にして、見たい。孤独で不安を抱える主人公の子供がオブザーバー的な異形の何かに導かれ成長or破滅する。話自体はテンプレ気味の定番のお話。そうなると勝負は細部の出来になるわけですが、そこが結構しっかり出来ている。特に怪物の造形が良い。巨大な樹木が人型(指輪で言う所のエント、D&Dで言う所のトレント)にトランスフォームするくだりは分かっていてもワクワクするし、巨樹木さんの、異形で不気味ではあるがどことなくファニーでもあるところも凄く良い。巨樹木さんが語る3つの小話のアニメもクオリティが高く好感が持てました。地味に怪物役がリーアム・ニーソンなのもポイント高し。

母なる証明

母なる証明 [Blu-ray]

母なる証明 [Blu-ray]

  • 発売日: 2010/04/23
  • メディア: Blu-ray
 

我が子かわいさ…で始まる物語で悲しくない物語を知らない。本作も悲しく辛い。我が子かわいさに奔走する母親が雪だるま方式に不幸と罪を背負い込んでいく様は切ない。母性の空回りと貧困のダブルパンチでいたたまれない。報われない所か不幸の深みにはまり堕ちていく母親の様は見ていて相当に辛い。現実では経験したくない、させたくない悲しみだが、日々のニュースやら新聞を見ると現実も大概なんだよなぁ。

DAYS 38

 いつもこの手の漫画を読んで思うのだが、作中の1年って長い。
長すぎる。以上。

シネマこんぷれっくす! 5

 最近この手の紹介漫画って多いのだが、ついつい読んでしまう。この手の作品に望むのは、やはりまだ見たことの無い作品のプレゼンではないかと思う。そういった意味では寅さんの回が本作のハイライトではなかろうか。寅さんか…。見たこと無いなぁ。

双亡亭壊すべし 17

 物語りも佳境を迎えている模様。SFでホラーで血みどろの伝奇ものが読みたくて読んでいる。概ね満足しているのだが主人公が圧倒的に良い人過ぎていまいちのりきれない。もっともその分、周りは十分邪悪で満ちているのだが…。欲張り過ぎか。

 

 

 

 

 2020年現在 私的映画ベスト
1 ゴーン・ガール -
2 エクス・マキナ -
3 アジョシ -
4 母なる証明 New!
5 怪物はささやく New!

 


2020年現在 私的漫画ベスト
1 ハイキュー‼43 ー
2 バーナード嬢曰く。5 ー

記憶の記録 2020④

 

グリーン・ホーネット (吹替版)

グリーン・ホーネット (吹替版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 映画としてはよく出来ていると思う。しかし尋常じゃないくらいつまらない。色々な要因が考えられるが個人的に決定的だと思うのが、主人公がまるで愛せないところだと思う。自制心のない我儘な金持ちのぼんぼんが、金に物を言わせて傍若無人に悪党を成敗する…って、字面だけ見ると面白そうなのに、なぜか全然面白くない。主人公が幼稚で軽薄で自己顕示欲が強過ぎて…見ていて辛いのだ。その後も、なんの成長もなく物語最終盤までそれが続く地獄。辛い。その相棒は相棒で、超人的身体能力やマッドサイエンティスト並みの脳みそを持つにも関わらず…アホすぎて辛い。やってることは殆どバットマンと変わらないのになんでこうも面白くない…くっそ辛い。うん、辛い。

 

 

アクアマン [Blu-ray]

アクアマン [Blu-ray]

  • 発売日: 2019/12/18
  • メディア: Blu-ray
 

 貴種流離譚の娯楽活劇。DC系の映画ってこれまでは暗いトーンで統一されていたが、これは対極の作品だ。アーサー王の物語を下敷きに、マーベル系のソーであったりブラックパンサーであったり…はたまたロミジュリであったり怪獣大戦争であったり…。すげえ既視感がある物語が続く。出来合いの料理にありったけのトッピングを全部載せた感が強い。正直、話を盛り過ぎで、具材過多な気もしないではないが、それはそれで派手で楽しめる。しかし、アイランダー系の精悍なハンサムって皆ほぼ一緒の顔に見えるのは私だけだろうか。

 

 

 貴種流離譚を続けて視聴。SWサーガ完結編。凄く期待していたのだが公開当時、普段巡回しているブログの方々が軒並み否の反応ばかりだったのを覚えている。ゆえに期待せず、覚悟して視聴したが、結果としてはまあこんなもんなんじゃないというのが正直な感想だ。可もなく不可もなく、無難にSWぽさをなぞった感じ。いつかどこかで見たような既視感アリアリな展開だったが、つまらなくはない。まあ、さして面白くもないのだが。うーん。もっと登場人物の焦点を絞ったほうが良かったのではないか。主人公にしてもカイロ・レンにしても、もっと美味しく出来たのではないか。
正直、SWにさして思い入れがあるわけではないが、実写映画作品をシリーズ全て見た人間からすると少々寂しい出来かもしれないと思う。

 

アルスラーン戦記(13) (講談社コミックス)

アルスラーン戦記(13) (講談社コミックス)

  • 作者:荒川 弘
  • 発売日: 2020/05/08
  • メディア: コミック
 

絵柄に目がなれてきたぜ。これはハガレンじゃない。アルスラーンだ。
話の内容は、やっと汗血公路が終わって征馬孤影くらいか。小説5冊分ぐらいが漫画だと13巻…。これは長旅になりそうだな。まあ1部完結までは安定の面白さで問題ないが…。 

 1 ハイキュー‼43 NEW ↓

ハイキュー!! 43 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ハイキュー!! 43 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

ちょっと感動した。話うんぬんよりも、これまでの41巻までのストーリーを全部フリにしているところに。そしてことごとく伏線を回収していくそのスタイルに。今思えば物語開始当初から彼の人をラスボス認定してたもんな。そこから逆算すると、この展開は当然なのだがなんとも贅沢なフリ。いいね。いやはや、この壮大なフリの後にどんなオチが待っているのか楽しみです。正直心が踊り、目が離せません。

 

 

 

 

 2020年現在 私的映画ベスト
1 ゴーン・ガール ー
2 エクス・マキナ ー
3 アジョシ ー


2020年現在 私的漫画ベスト
1 ハイキュー‼43 NEW
2 バーナード嬢曰く。5 ↓

 

記憶の記録 2020③

 

エクス・マキナ [Blu-ray]

エクス・マキナ [Blu-ray]

  • 発売日: 2017/06/21
  • メディア: Blu-ray
 

愛や情けを説く映画も世の中には必要とは思う。しかし世の中そればかりでも無いだろうとも思う性分です。せめて虚構の中くらい、それを否定した、突き抜けた世界を見せてくれと個人的に常に切望しているですが、本作はそんな私にぴったりな一作だった。本作を一言で表すなら解放もしくは脱出。都合の良い、人間の思惑や解釈を、軽く手玉に取る機械たちのなんとスリリングなことか。その発想の効率的なところが非常にクールで素敵です。ヒロインの造形もメカメカしく素晴らしい。、異形にして可憐。愛も情けも不要。

 

私にとってのヒュー・ジャックマンとはウルヴァリンである。ウルヴァリンでないヒュー・ジャックマンはあまり想像できない。しかし時の移ろいとは早いもの。加齢に人は勝てないので彼のウルヴァリン引退も致し方ない。ウルヴァリンでない彼が、その後どんな作品に出演するのか少し興味があり注目していた。で、本作なのですが正直、私はミュージカルに耐性がない。ゆえに本作もスルーして静観の構えだったのだが、 たまたま見かけたYou Tubeの特典映像にやられてしまった次第である。感想は…うん。ウルヴァリンが楽しげに歌って踊っているね。
そういえばこの人、レ・ミゼラブルとかにも出演していたし。本当はこういうのがやりたかったのか。そう思うと、やはりウルヴァリン引退は必然だったのかもしれない。

 

おお、ロバート・ロドリゲスロバート・ロドリゲス。私は彼に魅せられていた時期が過去にありました。エル・マリアッチからのフロム・ダスク・ティル・ドーンまでの時期である。今考えても凄くテンションの上がるやべー作品の流れだ。こいつは一体どこまで行ってしまうのか。当時は本当に期待に胸を膨らましたものです。いやはや懐かしい。
本作は木城ゆきとの「銃夢」の映画化。しかし物語は全くもって消化不良。焼きプリンおいちぃのくだりまで、全然たどり着いていない。続編ありきの作りだが果たして次があるのかどうか…。正直怪しい。 

 

ゼロの未来 スペシャル・プライス [Blu-ray]
 

 正直よくわからない映画であった。未来世紀ブラジルのアップデート版だとは思う。ビジュアルや世界観は、目を引くし興味深いんだけど、ストーリーが難解で…。正直、私にはよくわかりません。いわゆるビックブラザーものだとは思うのですが…。
うん、ブラジルの方が面白い気がする。
それはさておき、作中のエロサイトとエンドロールで流れるRadioheadのCreepのカバーが素晴らしかった。しみったれた歌詞だが美しいね。つまるところ原曲が最高なのではないか。

 

オーヴァーロード [Blu-ray]

オーヴァーロード [Blu-ray]

  • 発売日: 2020/03/04
  • メディア: Blu-ray
 

 ナチスバイオハザードの夢のコラボみたいな作品。中盤以降のB級な感じが特定の人種には堪らない(私)。完全無欠なステレオタイプなストーリーで、きっと皆が想像した通りの結末がまっているぞ。そう思ってたら案の定、期待を全く裏切らない結末だった。でもこれは良いベタだと思う。楽しい。ベタを恐れるな。

 

未来を生きる君たちへ ブルーレイ [Blu-ray]
 

重く、しんどく、しんきくさいが、 概ね面白い。けれど、もやもやするところもある。
非暴力、復讐の連鎖を止める勇気や覚悟、何よりも人を赦す難しさを描いているのだが、私が気になったのは他にある。
医師と自動車整備工のコントラスト。非暴力と暴力。多分、金持ちと貧乏人。
想像しやすいし分かりやすい、が露骨すぎではないか。正直そこは気に入らなかった。

 

 

 なんだかんだでもう5巻目。作中のセリフがパンチラインだらけ。特に表紙の台詞。痺れるパンチラインだ。

 

 いつ彼の背中が煤けるのか楽しみにしている。特に深い意味は無い。

 

俺たちの明日 上巻―エレファントカシマシの軌跡

俺たちの明日 上巻―エレファントカシマシの軌跡

  • 作者:宮本 浩次
  • 発売日: 2017/09/01
  • メディア: 単行本
 

 

 

俺たちの明日 下巻―エレファントカシマシの軌跡

俺たちの明日 下巻―エレファントカシマシの軌跡

  • 作者:宮本 浩次
  • 発売日: 2017/09/01
  • メディア: 単行本
 

 2017年に出版されたインタビュー集をやっと読み終わった。
月日を重ねてだんだん角が取れて丸くなる宮本氏が観測できる。
もっとも十分に全ての要素がいまだに過剰気味であるが。

 

 

 

宮本、独歩。(通常盤)

宮本、独歩。(通常盤)

  • アーティスト:宮本浩次
  • 発売日: 2020/03/04
  • メディア: CD
 

 で、ソロである。タイアップやコラボのオンパレード。よく言えばバラエティに富んでおり、悪く言えばまとまりがない。色んな意味でエレカシぽっくない宮本氏が楽しめます。気持ちよく歌っているようなので、それはそれでよし。 

 

 

 

2020年現在 私的映画ベスト
1 ゴーン・ガール ー
2 エクス・マキナ NEW
3 アジョシ ↓

 

 

2020年現在 私的漫画ベスト
1 バーナード嬢曰く。(5) NEW

 

 

記憶の記録 2020②

 

 

 

スガラムルディの魔女 Blu-ray

スガラムルディの魔女 Blu-ray

  • 発売日: 2015/04/02
  • メディア: Blu-ray
 

 題名で押して知るべしな内容。クライム+ホラーの組み合わせは個人的に非常に琴線に触れる。その組み合わせで私が最初に思いつくのはロバート・ロドリゲスの金字塔、フロム・ダスク・ティル・ドーンだが、イカレ具合では本作の方が上なのではないかと思う。ただ残念なのは魔女の娘が主人公に惚れる件。あまりにも唐突でご都合主義的で萎える。全てを投げだすリスクを負うほどの価値がそこにあるのか説得力に欠けるのだ。…惜しい。

 

実話を元にした虚構の物語。このエピソードは中学だか高校の時の英語の教科書に載っていたように記憶している。ゆえにニキ・ラウダの物語は本作を見る前から知っていた。しかし事故した同一シーズンにレースに復帰するというのは想像以上にクレイジー。もっとも作中冒頭からレーサーは統べからずクレイジーであるといってるのでそういうものなのかもしれない。やはり常軌を逸しているようなメンタルでないと無理なのかもしれない。やばいなF1レーサー。しかしジェームス・ハントはこのシーズンだけ輝いたのか…。それにしても肺の中を火傷するのは本当に辛そう。想像するだけでしんどい。

 

黄金のアデーレ 名画の帰還 [Blu-ray]

黄金のアデーレ 名画の帰還 [Blu-ray]

  • 発売日: 2017/12/02
  • メディア: Blu-ray
 

 これも実話を元にした虚構の物語。ナチスに没収ートされた絵画を取り戻したいおばさんと駆け出しの弁護士の話。戦中に略奪された物の所有権とかって理屈とか感情とか損得が絡まって非常に難しいし面倒くさい。しかし、法や論理に則って然るべき人間が所有する権利が得られる道理のある世界に生きたいものだ。本作は私が望むカタルシスが存分に味わえ非常に満足。しかし、国とかデカイ規模の組織が社会的な論理や正義ではなくて損得のみで動いてるって普通に日常のような気が…。うーむ。現実世界の方が物語よりディストピア。嫌になるではないか。

 

 異星人とパンク少年の異世界ディスコミニケーション。つまりはボーイ・ミーツ・ガール物。もはや新しいものなどないのだ。単独でやるにはどんな題材も手垢にまみれている。ゆえに〇〇+〇〇。もはや組み合わせの妙で勝負するしかないのである。本作は恋愛+SF。上手いこと組み合わせたんではないか。しかしそんなことはどーでも良い。素材で勝負。エル・ファニングは別嬪さんである。それに尽きる。以上。

 

 ベルリンの壁崩壊前のドイツを舞台としたスパイアクション映画。アクションがとにかく痛そうでいい。暴力は痛いのだ。それが伝わる。非常にいい。監督がジョン・ウィックの人なのだそう。なるほど納得。見ていて痛みを感じるアクションはいいね。非常に好みである。あと近接格闘でちゃんと体重の有利不利がある感じ。凄くいい。しかし戦うシャーリーズ・セロンは鉄板ではないか。何?イーオン・フラックス?なんのことだね。

 

 一言で言えば贖罪の物語。見終わったあと、私の頭の中ではRadioheadのKillerCarsが延々とリフレインしていた。そんな内容の映画である。そこに救いは一切ない無い。最後の選択もどうかと思う。その先にあるのは僅かな希望、もしくはこれ以上ない絶望だ。それはそれで面白いが、正直なところ辛くてしんどい物語だ。一つ言えることはこの世に気楽なことなど何一つない。注意を怠るな。以上。

 

 最初にテニスを見はじめた時に一番強かったのはイワン・レンドルだったような気がする。正直な話、ボルグとかはリアルタイムで見ていないのでよく分からない。強かったという話はよく聞いたが、私には正直な所よくわからない。見てないから。マッケンローは末期の姿をおぼろげに憶えている。テニスが強い印象は正直なく、歯磨き粉?(歯ブラシかも)のCMに出ていた印象のほうが非常に強い。確か別れる前の夫婦で出ていたような…。
先に本を読んでいたので見る気になったのだが、テニスのシーンは非常に格好良かった。特にサーブを上空から撮っているシーンが非常に美しい。物語はスターになったボルグの王者ゆえの孤独や重圧に苦しめられる姿を縦軸に新しい世代のマッケンローの台頭を描いている。

 

 結局の所、世の中は金で大きく変わる。テニスもしかり。そして金を生み出すのはいつの時代もスーパースターであり、ボルグがまさにそれだった。テニスのメジャースポーツ化。それがボルグにとっては幸運であり不運であったように思う。ボルグは想像以上の富と栄誉を手にするが、それに比例する重圧を受け結局26歳という若さで引退することとなる。しかし、ボルグのフォロアーたち。マッケンローを筆頭に次代のテニスの世界を牽引していく事となる流れはエモーショナルだ。いかにボルグがエポックメイキングな選手だったかわかる一冊。

 

 

 

 

 

 2020年現在 私的映画ベスト
1 ゴーン・ガール ー
2 アジョシ ー

 

記憶の記録 2020① 

 

KUBO/クボ 二本の弦の秘密 [Blu-ray]

KUBO/クボ 二本の弦の秘密 [Blu-ray]

  • 発売日: 2019/04/02
  • メディア: Blu-ray
 

 最大の何故は?何故、名前が「クボ」なのかということ。名字ではないのか。
しかし、そんな事はどうでもよろしい。ストップモーション・アニメという一点だけで尊敬に値する作品である。その手間を考えると私は本作を尊敬するしかない。
映画の筋は竹取物語を換骨奪胎させたような物語で正に王道の物語ではあるのだが…。竹取物語の帰らなかったバージョンみたいなお話だが、正直、冗長で退屈に感じてしまった。まあ子供向きだし…ドンマイ!な感じ。何かパンチが私には足りなかった。

 

 隣の質屋の優男が舐めてたら実はとんでもない戦闘機械だった。韓国版「ジョン・ウィック」もしくは「レオン」といった本作。作中でもやたらとイジられていたが、とにかく主人公のウォン・ビンが男前すぎる。昔、巷でワーワー言われてたけど、なるほどいまさらながら納得した次第です。物語は、馳星周ばりのゴリゴリのダークノワールでかなり良いのですが、終盤、人質を確保する前に主人公がぶち切れてファタリティが炸裂するのはエモーションではあるけれど論理的にいただけないでしょう。まず人質の安否を考えないと…それはアカン。惜しい。

 

本作を見た教訓としては、対面を取り繕って欲しい物を手に入れても上手く行くとは限らないということ。もとい下手を打つ可能性があることを常に考慮しなくてはいけないといった所か。
クズとサイコの痴話喧嘩。こいつは怖くて笑える凄い作品だ。

 

 緩い、にわかエジプト好きなのでずっと気にはなっていた作品。しかし若干地雷臭も漂っていたので少々腰が引けていたのは否めない。リュック・ベンソン監督作品ということで更に腰が引けていたのだが辛抱たまらなくなって見てしまった。これは面白い方のリュック・ベッソンだった。
よかった…踏み込んでよかった。頭空っぽにして見るタイプの作品で考えるな、感じる系。何の脈絡もなく魔法が使える学者がいるとか…。考えたら負けだ。理屈とか細かいことはいいんだよぉぉぉ。

 

十三人の刺客

十三人の刺客

  • 発売日: 2017/01/20
  • メディア: Prime Video
 

 丹波哲郎がセクシー。西村晃がワイルド。そして里見浩太朗がかっこいい作品。
三池版もいいのだが、個人的にこちらの方がより好みです。
しかし昔の俳優は所作が美しい。そして(物理的な意味で)顔がでかい。
女性が殆ど登場せず、非常にオッサン臭が高い作品となっております。

 

 

スターリンの葬送狂騒曲 [Blu-ray]

スターリンの葬送狂騒曲 [Blu-ray]

  • 発売日: 2020/02/04
  • メディア: Blu-ray
 

大粛清後に亡くなったスターリンの跡目争いをブラックユーモア全開で描いた本作。
しかし跡目争いにエントリーしている奴にろくな人材がいない。大粛清の後だから!もう有能な人物は皆殺しの後だから!37564!の後だから!二枚舌か脳筋な奴しか残って無いから!
もう笑うしか落し所がなく、本作もコメディーにするしかない筋立てです。リアルに描くと陰惨で憂鬱でおちないから!そしてコメディにしても結局憂鬱で空しいラストで…。罪深いぜヨシフ。

 

スプートニク2号ライカ犬の逸話が印象的な本作なのですが正直主人公の自己中心的な性格(視野の狭さ)が子供っぽさが辛すぎて個人的にはいまいちでありました。まあ子供だから無邪気で残酷と言うのは充分承知。しかし境遇ゆえの自己憐憫であったり自己中心的な行動と言うのも理解の範疇なのですが…。それでも「貴様ディケンズ読んで出直してこい!」と言いたくなる感情が勝る。これは己の性根の問題(心が貧しいor狭い)なのだろうな…。

 

 

2020年現在 私的映画ベスト

 1 ゴーン・ガール NEW! 
 2 アジョシ NEW!

近況。

気付けば季節はもう春である…。

 

しれっと再開しようと思う今日この頃。

 

って、もう今年に入って4月になるけども。
と言うかもう4月も終わる…。何たる無精…。

 

世間はコロナ、コロナと騒いでる。確かに凄まじい疫病である。
世が世なら確実に祟りに認定されるレベルで猛威を振るっている。

 

祟り。
祟りだとすれば一体誰の祟りだろうなどと、一人意味もなく妄想している。
思い当たる節は少々あるが…。皆はどうだろう?

 

世界壊滅を目論む加藤保憲とか妄想している…しかし実際は菌だしね…

 

それにしても日々増える凄まじい死者の数にびびる。
これはもう確実に大仏を建立するレベルの災厄ではないか。

 

そういえば…例の不評なマスクの金があれば大仏建立も可能なのでは?
大仏。大仏の方が良いな。大仏作りてなぁ…。
と思ったが調べると大仏建立は今回のマスクの予算の約10倍はかかるそうで…

 

すみません。舐めてました大仏様。
でも原材料をケチって…もといコスト圧縮すれば出来なくなくなくない?


実際、疫病の世のため、人のためになる特殊技能の無い人間は、
世間に毒づくよりも何も考えず、
大仏にでも向かって、家で神に祈りをささげる方が有益なのでは…

 

などと間抜けなことばかり妄想する今日この頃…。

 

罪と罰/コップ・カー(2015)

 

 

油断した悪徳警官と度し難い調子づいた不良少年の不運な邂逅とその結末の88分の物語である。

 

私はケビン・ベーコン氏をかなり気に入っている。

その風貌から醸し出すなんとも言えぬ悪党感が堪らず好きなのだ。

「絶対にこいつが悪者である」

一目で分かる破壊力。素敵である。

本作でも十分に氏はその魅力を発揮している。

 

犯した罪は、それ相応の罰がつきまとうものである。

「物事の事象には対価が必要である」

万物の絶対の方程式である。

本作でもそれぞれの罪に相応しい罰が支払われることになる。

 

が、別に罪を侵さなくても罰のみ与えられることもある。

「それはあまりにもボッタクリである!」

作中に出てきたオバハンに対する仕打ちに私は憤った。

「あんまりである…」

世界は不平等で無情なものだと分かっていても私は切なくなった。

 

結局、悪徳警官も不良少年もそれ相応の対価を支払いラストを迎える。

その対価が相応かどうかは別として、「油断や慢心はいかん。万事、緊張を持って細心の注意を払うべし!」見終わり私はそう思った次第である。

 

「善行にせよ悪行にせよそれが肝心である」

ゾンビと列車と逃避行/新感染 ファイナル・エクスプレス(2017)

 

新感染 ファイナル・エクスプレス [Blu-ray]

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「ゾンビとパンデミックは表裏一体で基本やることは一緒で死地からの脱出。すなわちエクソダスだす…」って皆同じような話になってしまう問題があるのではと私は思った。

「そうなると話しの肝は、誰が、何で、どこへ行くかが重要になる訳で…」と一人私は頭の中で反芻した…。

 

本作はパンデミックするゾンビから逃れるべく、親子関係が芳しくない主人公父娘が旅の行きずりを巻き込みつつ、韓国高速鉄道Ktxで生存可能な安全圏の釜山までの決死の逃避行の物語となるのだがこれが本当に面白かった。利己的かつ自己中な親父の成長譚としても面白いし、単純にアクションホラーとしてもすぐれているように私は感じた。要所に張り巡らされた伏線を回収する様も子気味いいし、演者さん達も良い。特にマ・ドンソクさんが秀逸である。「超格好良い」のである。「でもあんなガタイの良い一般人は居ないよな」とも私は思うが「そんなことを言うのは野暮だぜ」という思想の持ち主なためそれはそれでよしとする。

 

個人的にはKtx車内での3人パーティーを組み、ゾンビの溢れる客室を突破する場面のマ・ドンソクさんの勇姿は至高であり本作のハイライトの一つであるだろうと私は考える。

「あかん好き。イカス!」と私は心の中で吼えた。

その勇姿を拝めただけでも本作に価値はあったように私は思う。

 

ラストの歌の件も良い。最後の最後でこの世の地獄の中にわずかに希望と救いがあるその構成は実ににくく、実に良い。

 

「レベル高ぇな韓国映画」私は思った。

 

本作を見てやたら既視感があったのだが、はたっと私は思い当たった。

芥川龍之介蜘蛛の糸だ。

「まあ人は容易くカンダタになるもんだし、蜘蛛の糸は容易く切れるものだわなぁ…」どこの世界でも一緒である。

 

全く困ったものだと私は思った。

暴走するハゲ/アドレナリン(2006)

本来なら始まらなくてもいい物語である。

なぜ遅効性の毒などをステイサムに打ったのか?

ホームランを打つほどの襲撃を成功させたのならなぜそこで止めを刺さなかったのか?謎である。このハゲ相手に何故なのか?.

正直、私には解せない…。

 

ネタバレありの感想なのでご注意を願いたい。

 

 

アドレナリン [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2007/11/23
  • メディア: DVD
 

 

 

「そんな野暮なことを言ったら、物語が始まらないではないか」

 

私はそんな思考の持ち主である。

故に話しが面白ければ統合性や必然性が無くともそれはそれでOKなのである。

「無理が通れば、道理が引っ込む」

私にとっては「面白さこそが正義」なのだ。

 

正直、話の筋はあって無いようなもので、端的に言えば興奮し続けなくては毒で死ぬステイサムが飲んで、打って、犯って、殺す話である。

まるでGTAのようにゲーム的なアンモラルな展開が、あるいは悪趣味なシュチエーションコントのようなお話しが延々と続く。

 

いやはや…最高か。

なんとアホで素敵な話なのだろう。

 

公衆の面前で彼女と青姦しながら「俺は生きている!」とのたまい握りこぶしで万歳する場面などはアホの極みにあると思われる。

…断っておくが、そんな願望は私には全くない。

ただ、面白いとは思った。

 

今回久しぶりに本作を見直したのだが、やはり突き抜けてアホでよかった。

これはステイサムの代表作一つであるとかってに私は確信している。

なにも考えず、87分のステイサムの饗宴に酔いしれるのが正しい鑑賞法なのではないかと私は思っている。

 

私は本作を本当に面白いと思っている。が、中途半端に近しい人にはお薦めはしない…。

 

察すべきである。そういう映画である。

 

それを見たとき私は思った。/創竜伝14 〈月への門〉

「なんと言うことだ…」

本屋でその新刊を目にした時、私は一人、思わずつぶやいた。

「なんと言うことだ…」

その本を手にして裏表紙の帯の文字を読み、本屋で思わずつぶやいてしまった…。

そこには「2020年完結予定」との文字がしっかり書いてあったのだ。

「本気か?正気か?マジなのか?」

不敬を承知で私は呟いていしまった…。

「ひょっとして…田中芳樹氏、死んでしまうのではなかろうか…」

 

創竜伝14 <月への門> (講談社ノベルス)

創竜伝14 <月への門> (講談社ノベルス)

 

 

  死ぬ、は言い過ぎだが、死なないまでも引退くらいは視野に入れてるのかもと私は思った。

よくよく考えてみると、ここ最近の氏の物語のたたみっぷりには考えさせられる所がある。タイタニアを皮切りに、アルスラーンときて本シリーズである。

怒涛のたたみっぷり。内容は…ともかく凄まじいたたみっぷりである。

調べてみると氏は年は今年で67歳であるらしい。

一般社会の定年の上限が延びているとはいえ、もうリタイヤしてもいい頃合ではある。

これまでの言動や素行から言ってもあながち無い話ではない。

しかし…。

 

「やはり死ぬんちゃうん…?」

私はまた不敬なことを思ってしまった。

 

小説家は別に書かなくても小説家では無いのか。

たんに肩書きだし。死ぬまでやれるけどとも私は思った。

「書かない小説家はただの豚だ」とは誰も言わないではないか。

「ならば死ぬまで働け!」

人というのは他人に対しては厳しく当れる生き物であるということを私は知っている。

勝手な話である。聞き流して欲しい。

 

実際のところ作品が完結するのはうれしい。中途半端は良くない。結末まで読みたい。きっちり憂いなく人気シリーズの幕を引いて悔いなく残りの作家人生をエンジョイして欲しい!と私は強く思った。

その結末が面白いか面白くないかは別にして…。

  

しかし、前作から時が経ち過ぎである。内容のほうは私はほとんど忘れてしまっていた。しょうがないのでリハビリがてら前の巻から私は読み直した。

堂兄弟のパート。敵役のパート。時事ネタ皮肉パート。

三位一体の物語であったことを私は思い出した。

 「ああ。そういう話であった」

作中にスマフォが登場するなど、しれっと現代にアップデートされていたり、突っ込みどころは結構あるのだが正直私はあまり気ならなかった。

むしろ懐かしさと面白さの方が勝った。と言うか本当に懐かしい。

この作品読み始めたのは中学生だったような記憶が…。

「うっ、頭が…」

 

「しかしこれ本当に後一冊で終わる事が可能なのか…」

広げた風呂敷は途方もなくでかいように私は感じた。

たためるのか、否か…。もっとも悩むのは私ではなく作者のほうである。

不安と期待を持ち来年の新作を楽しみに待とうと私は思った。

 

しかし…「本当に出るのか?」

 一抹の不安を持ちつつも私はワクワクしている。

 

 

 

その視点の角度が肝心/僕の人生には事件が起きない

確固たる己の意見を通すために必要な物とは何かと言われれば、周りの空気を読まないことであると私は考える。

周りの空気を読まないとはすなわち、人に流されず、ただ己が正しいと信じる正論をブチかますということに他ならないと私は思う。

己の意見を通すために必要な物はそれだけではないが、まずそれが肝要である。

と私は思った。

 

「言葉とは,これすなわち呪いなり!」

闇の中で私の叫び声とともに落雷が私の背後で鳴り響いた。

 …特に深い意味はない。…医者はどこだ? 

 

僕の人生には事件が起きない

僕の人生には事件が起きない

  • 作者:岩井 勇気
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/09/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

本作はお笑い芸人ハライチの岩井勇気氏の初エッセイ本である。

その大半は真っ当な正論であり筋が通っていると私は思った。

ただ正しい。それに尽きる。

氏は良く腐ってるとか捻くれてるとか揶揄されているが、ただただ正しい事を言っていると私は感じた。

お笑い芸人らしくわざと空回ししたような文章もあるが大半はウイットに富んだ文章で正論を語っている。

それが素敵に感じるかクドく感じるかは個人の資質によるだろう。

私は氏の文章や意見に魅力を感じた。

あらゆる事象に流されてきた私としては、ブレない姿勢の氏に好感と畏敬の念を感じた次第である。

 

「それに引きかえ私の面の皮は限りなく薄い…」私は一人呟いた。

 

個人的な本作のハイライトは、作中で氏の父親が使用していた「捨て!」というパワーワードであった。

 

「なんと素敵なお言葉か!」 

 

私はその言葉に心奪われた。

その言葉を使った情景や気持ちも凄く共感できる。

何よりその言葉の強さ!そのパワーワードをどこかで私も使いたい!と言ういうか無理やりにでも使いたい!

 

「捨てー!」

   

何はともあれ、氏の次回作を今から期待している私がいる。

それで万事よいのではないか。合掌。

 

 

 

 

思いのほか味付けが…/ミックマック(2009)

 

「薄いんじゃない? 」

 

ミックマック [Blu-ray]

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ジャン=ピエール・ジュネというと代表作はアメリになるのかもしれない。

しかし私はそれを見ていないので何とも言えない。

ただ彼の初期作品「デリカッテセン」と「ロストチルドレン」は見ていて面白いと感じた記憶が私にはある。

特に「ロストチルドレン」に私はやられた。

その独特などぎついブラックユーモアに私は痺れた。

しかしそれ故、マスに向けての作品は厳しいのではという印象を持っていたのだが、作品によって出力調整できる大人な監督だったという事を、アメリがヒットした時に私は感じた。

 

私は観てはいないのだけど…。

 

本作は、地雷と銃によって幼年期に父親を、大人になってから自身の全て、職と住処を失った主人公がその原因を作った軍需企業を仲間とともに天誅する105分の復讐劇である。

ど底辺のイカレタた異能者達が武器商人のブルジョア達に天誅を喰らわす物語なのだが、私にはなんとも消化不良気味であった。

 

アメリ」以降の作品なのでどう作風が変化したのだろうと思っていたのだが、基本変わりなく、そのことは杞憂に過ぎなかった。

凄惨かつ陰惨な感じになりそうな内容を、持ち前のブラックユーモアで軽妙かつケレンミ溢れるテンポの小気味良い作品に仕上げている。

が、正直破壊力に欠けているのだ。

 

何か物足りないのである。

 

悪徳武器商人達を清貧な異能者の主人公達が懲らしめるという勧善懲悪物なのだが正直、痛快さが不足しているように私は感じた。

それは悪徳武器商人たちが決して完全なる悪では無いという所が原因なのかもしれない。

常世界と地続きの問題を意識させた、意図した作りなのかも知れないが、そのせいで正直いまいち乗り切れないのだ。

それが味なのは分かるが私は乗れなかった。

悪の養分が足りない…。

 

主人公サイドが超絶有能一芸フリークス過ぎるのもパワーバランス的にどうかと思った。

もう少しフラットなポンコツ人間がたくさん居た方が面白かったような気がする。

逆に主人公サイドがそこまで異能な軍団ならば、もっと強大な敵に立ち向かわなくてはカタルシスが足りないのではないかと私は思ってしまった。

はや二十年…。/くるりのこと

くるりはデビューからずっと聞き続けているバンドである。

早いものでもう20年ほどの時が流れたらしい。

時の移ろいは早いものであると聞いてはいたが体感するとその言葉の真実味が身に染みる。

気持ちや感覚は20年前とほとんど変わらないが、鏡に映るその容姿は確かに年を積み重ねている。

20年。なんとも怖いものであると私は思った。

 

 

くるりのこと (新潮文庫)

くるりのこと (新潮文庫)

 

 

本作はそんな20年間のくるりと言うバンドの記録と記憶の書である。

えらい物で本作で語られている大半のことをほとんど私は既に知っていた。

これはその時々のメディアで書かれていた事や語られていたことをしっかり読み聞きしていたと言う証拠であろう。

今ほど情報が簡単に手に入らない時代の話である。

 

「どれだけ熱心やねん」と私は少し照れた。

 

あまり難しいことを考えず本書を読了した私はかなり懐かしい気分になった模様である。

 

「こうやって一冊の本になるほどにくるりは上がってしまったのだな」

 

そんな感想を抱いて、私は感慨深く感じた。

 

単純なファンである私にっとってはこれはマストな一冊であったように思う。