真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

「アイアン・フィスト」(2012)黒人meet功夫=まさかの正統派武侠映画。

武侠小説にハマっていた時期がある。金庸とか古龍ね。その流れで武侠映画にもはまった時期がある。映画だと、1も2もなくツイ・ハーク。ツイハークこそが至高と疑わなかった時期がある。今でもある一定の期間の映画についてはそう思っている。信じて疑ってない。ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナシリーズとか最高じゃないですか。因みに「刃・ブレード」が武侠映画最高傑作だと個人的に思っている。

 

主演が黒人のアメリカ人RZA。因みにリッザと読むらしい。誰やねん?って感じだったんですが、ラップ歌う人らしい。よくよく調べるとウータン・クランなるグループの中心人物で、本作の監督・脚本を担当している。ラップついては全く分からない私でもウータン・クランと言うグループ名くらいは聞いたことがあり知っていた。うーん。成功したんですなぁ。映画撮れちゃうくらい。とか思いちょこっと調べてみるとこのグループ名、映画「少林寺武者房」に登場する武当派=ウータンからとっている名前らしい。…。ガチか?ガチの人なのか…。結果、ガチでした。ガチの人でした。ガチの功夫映画好きの黒人ラッパープレゼンツの武侠功夫映画でした。しかも結構正統派の…3割くらいアメコミ風味だけれども。出演陣も結構豪華。ラッセル・クロウとかルーシー・リュウとかデビッド・バウティスタとかが出てる。功夫映画なので舞台は勿論、中国ですが…。

 

物語は黒人鍛冶屋RZAが愛する女郎を身受けするためにその身を粉にして働きまくっているとある街に帝都へ黄金を輸送する隊がやってくるところから始まる。その黄金をめぐってのお話の顛末を描いているのだが、これが本当にしっかりした功夫映画になっていて関心した。所謂、耐えがたきを耐え、忍び難きを忍んでいたのに、最後の一線を踏み越えてきた悪党どもに怒りの鉄拳が炸裂するという非常にオーソドックスな作り。アメリカ人の黒人のラッパーが日本に住むおっさんのハートに響く古き良き功夫映画を作っちゃうんだから。凄いよな。なんかいろいろ力業な所を感じるお話なのだが、本家本元の武侠映画も大抵出鱈目なものだから正直あんまりそういう所は気にならなかった。むしろもっと出鱈目なものを想像していたのだが意外とまともな作りだっただった。いや十分出鱈目ではあるが…。

 

ググってみると、RAZさんフェイバリット作品は「五毒拳」「少林寺三十六房」「獣兵衛忍風帖」「北斗の拳」だそう。確かに日本のその年代のアニメや漫画の乗りも結構香港映画とかに影響受けてるし、巡り巡るもんですな。結構グロくゴア。そういったものに耐性があり、武侠功夫映画が好きならこの作品は楽しめるような気がする。

 

 

 功夫映画でBGMはラップ。意外と合う。2もあるそうです。見ねば。ザビ…ぎゃふん!