真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

「シング・ストリート 未来へのうた」(2017)面白かったんだけど、見終わった後で何かモヤモヤした…。

何故なのか…?

シング・ストリート 未来へのうた [Blu-ray]

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くそったれた現実を打破するためにもがく105分の物語

タイトルにも書いたのだが、何か見終わってからモヤモヤした。

面白かったんだけどモヤモヤした。何故なのか?

 

物語はステレオタイプでありがちなストリーである。

くそったれた現実に打ちのめされる高校生の主人公が、気になる女の子の気を引くために始めたバンド活動を通じて色々と成長していくお話である。

勇気をもって最初の一歩を踏み出し、自らの意志で物事を選択し未来を選ぶ。

要は子供から大人になる話なのだが、これが面白い。

劇中歌も良く好感が持てる。キュアー、いいよね。

しかし、見終わった後、何か引っかかってモヤモヤするのである。

何故か?

これは作中に登場する主人公の兄貴のせいであることに気が付いた。

主人公のミューズは気を引きたい女の子=ヒロインなのだが、主人公の導き手はヒロインではなく主人公の兄なのだ。

この兄貴がスゲェいいキャラなのである。

将来の為に家出を覚悟でドイツに渡る計画が母親にばれて失敗し説得され地元に大学に行くも中退、結局音楽フリークのニートをやっている男なのだが、やることなす事この兄貴がいちいち良いのだ。

主人公も兄貴を尊敬している風で何かあるたびに兄貴に相談する。

それに対し兄貴は悪態をつきながらもきっちり主人公に対して解答とその背中を押してやる本当に良い奴なのだ。

問題なのは良い奴過ぎて主人公よりも魅力的な所。

と言うかこっちがほんとは主人公じゃね?と思ってしまう所に問題がある。

最終的に主人公は勇気をもって未来を選ぶのだが、兄貴はそれを見て終わりって…。

違うだろー!

これはやはり、この兄貴が救われる話の方が見たかったんだよ。

本編の100倍ぐらいそっちの話が見たいよ。

主人公の対比としてのこの兄貴と言うのは分かるけどやるせなさすぎんよー!!!

誰かこの兄貴の後日談を描いてくれよー!!!

と叫びたくなるほど久しぶりにモヤモヤした。

やるせねーな。

ぎゃふん‼!

 

なので「スクールオブロック」のジャック・ブラックを兄のその後として脳内トリップして妄想している今日この頃…。