真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

ハート・ロッカー

 

戦争は麻薬である。為政者と兵士にとって。だそう。何か既視感…。

これは中毒者の話だ。もしくは依存症か。合法的で最もグレードの高い命を賭けたやつだ。基本として命を賭けたものほどテンションが上がる物事はない。冷静に考えると、それ、命に関わるよね、というスポーツやら祭りは確かに存在するし、それを好んで愛好する人々も一定数存在する。文字道理、死ぬほど面白いというやつなのだろう。

ノープランでロックンローラーな爆弾処理班の班長ジェレミー・レナーが演じている。爆弾処理犯の戦場というのはストレスフルな職場であるというのは想像に難くない。実際、命を賭けた極限状態の現場で主人公のレナーが、その状態に酔っているヤバイ状態な危ない奴というのが段々分かってくる。しかし、そこまで破滅願望が垣間見えるような人間は、何となく適正検査的なもので弾かれる様な気がするのだがどうなのだろう。まあいいか。

非人道的な世界の極地、その極めつけ、人間爆弾のエピソードが語られるのだが、それほどインパクトはない。うん、知ってた。その洗礼は遥か昔にザンボット3で浴びて、既に耐性あるし。凶気でグロテスクな世界なのは重々承知してる。ううむ。また既視感。

序盤に出てきた、往来を行く片足の不自由な猫が、やけに印象的だった。あれは、何があろうと、無様だろうと逞しく生き続ける事しかないということなのだろうか。2022年4月現在、世界の現状を垣間見ながらそう思いました。以上。