真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

「アイアン・フィスト2」(2015)アメリカ発武侠映画の完全なる続編だが…。

普通シリーズ物と言うのは回を重ねるごとにスケールアップするものだが、本作はスケールダウンしている.。劇場未公開のソフトスルーなのも納得な作品。

 

物語は完全なる続編。前作で愛する人と両腕を失い、鋼鉄の腕を得たサディアス(RAZ)。彼は安息の地を求め旅に出た。しかしどこまでも因縁はついて回るようで前作で倒した銀獅子の弟を名乗る輩に襲撃される。撃退には成功したものの自身も深い傷を負い川に流されてしまう。そんなサディアスが流れ着いた先はホー組長が支配する鉱山の村だった。村の顔役リー・クン(ダスティン・ヌエン)の娘イノセンス(ピム・バベア)に助けらたサディアスは村で養生する中、理不尽な圧政に苦しむ村の惨状を目の当たりにする。心の平穏のため不戦を誓い、鋼鉄の拳を封印していたサディアスだったが圧政に苦しむ村の者らの為についに立ち上がる…みたいな90分のお話。

 

監督はロエル・レイネと言う人らしい。私はこの人の他の作品を見たことが無い。結構たくさん撮っている人の様だがそのラインナップを見ると…推して知るべしナ作品ばかりだったりする。本作を見る限り、きっとそういう映画専門の職人のような監督さんなのだろう。

 

映画の感想としてはまずショボい…。とにかくショボいのである。冒頭にも書いたがスケールダウン感が半端ではない。演者、舞台、お話までとにかく前作を大きく下回る出来になっている。前回はラッセルクロウだとかルーシー・リュウだとか異常に豪華だっただけに比べるとショボさは否めない。逆に演者がショボくなったおかげでさびれた中国感は増しているのだが。何たる皮肉…。

 

主人公であるRAZの出番も少ない。と言うか話の流れ的にはダスティン・ヌエンが主人公だったりする。RAZはオブザーバー的ポジションで最後のおいしい所だけ持っていく。そんな感じ。

 

物語の展開は、リー・クンが村を牛耳るホー組長の圧力に耐えがたきを耐え、忍び難きを忍びぬいた末、怒りの大爆発で大乱闘みたいな感じ。いわゆる功夫映画の黄金パターンで凄まじいほどのベタ展開。多少の驚きも用意されているが殆ど想像の範疇の出来事だったりする。もはや清々しいほどのベタ。しかし嫌いじゃないその読み筋展開。個人的には、むしろそういうのが素敵に感じたりする。

 

この映画で一番印象に残っているのは決めのどや顔だった。歌舞伎でいう所の見得を切るってやつ。武侠功夫映画でもこれって重要な要素だよね。滑稽にも感じるけどないと寂しいそんな感んじ。アクションの最後にする、やったで!どや!っていうこの感じはすごく香港武侠映画っぽい。どや顔重要。素敵。しかし日常生活でどや顔決めてる人を見ると引くんだけどね。不思議だね。ぎゃふん!

 

 

 しかし一番感動するのはどんな国の人間にも香港武侠映画の素晴らしさが伝わるというこの事実!作品の出来不出来はひとまず置いといて武侠映画フォロワーとしてぜひとも頑張って新たなる武侠映画を作っていただきたいと強く感じるわけであります!頑張れ!フォロワー達!

 

 

 前作の感想はこちら。

g029.hatenablog.com