真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

「ドリームシナリオ」を観た話。

 ニコケイ主演作。

 平凡な大学教授がある日突然、不特定大多数の夢の中に出現。特に何をするわけでもなくただ夢の中で傍観する人として時の人となる。しかしある日状況は一変、夢の中で人々を襲い始めた教授は世間のヘイトを集めてしまう。本人の意図しない夢での出来事にもかかわらず、現実で迫害されて、さあ大変みたいな話。

 これ序盤から中盤まではすごく面白かった。どう話を着地するのか非常にわくわくしたのだが、終盤、ドラえもんの秘密道具みたいなガジェットが出てきて一気に興が覚めてしまった。そう来るか…。予想外の展開で驚いたが、正直がっかりした。
 見終わって考えると星新一的なショートショートと思えばさほど悪くないし、さもありなんとか思うのだけど、序盤から中盤までのリアリティレベルと終盤のレベルが違いすぎて個人的にはのれなかった。
 SNSやらインターネットにおけるバズりと、昨今顕著な出る杭を容赦なく打ち付けてすぐに忘れ去る状況に非常にリンクした内容で、まさに今の映画という感じはした。忘れ去られた後でも擦り倒され消費しつくされるとこまで本当にリアルで切ない。
 ラストの「夢じゃなかったら良かったのに」という夢の中の件も皮肉がきいてて非常に切ない。以上。