真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

「火線上のハテルマ」全8巻 一粒で2度おいしいと思うか、味が変質したと思うか…。

どちらなのか判断するのが難しい。個人的には五分五分な感じ。

 

せきやてつじ作品。ビッグコミックスピリッツ誌上にて2013年~2016年まで連載されたトンデモアクションマンガ。この作者の他の作品は「ジャンゴ」は読んだことがあるが他は読んだことがない。

 

過去の失敗にトラウマを持つ日本人の元警官、梶。一族の恥と厄介払いで飛ばされたアメリカの地で梶は一人の男と出会う。男の名は波照間。謎多き凄腕の傭兵。波照間の強さに魅せられた梶は、波照間の所属する「エンパイアー・スクワット」なるSS*1集団に入隊を希望する。心に傷を負った梶の誇りを取り戻すための闘いの日々が始まる…みたいな話。

 

当初、普通のSS社会派人情物のような感じで始まった漫画なのだが物語中盤から超展開を向かえてオカルトSF的な週末黙示録と化す混沌とした物語。これを是とするか非とするかは各々の趣味が問われる所ではある。どちらかと言えば圧倒的に非の意見の方が多いような気がするが、個人的にはこんなトンデモオカルトSF展開も素敵なんじゃないかなとは思うのだが。物語序盤でもそんな感じは多少匂わせてる所もあったしね。ただ序盤の硬派な社会派人情SP物の線も面白く捨てがたい気もしないではない。ゆえに非の気持ちが分からんわけでもない。しかし綺麗にまとまった作品よりも歪に破綻したとしてもはっちゃけた作品の方に浪漫を感じる性質なのであえてこの路線に向かっていった事を評価してあげたい。素晴らしいハラショー!後半の中二病を拗らせっちゃたような頭の悪そうな世界観も個人的にはツボだったりする。良い。

 

話の長さもコンパクトにまとまっており個人的には満足な作品である。ただこの作品ウィキペディアにすら紹介されていないので人気はあんましなかったんだろうなぁ…。ぎゃふん。

 

 

火線上のハテルマ 8 (ビッグコミックス)

火線上のハテルマ 8 (ビッグコミックス)

 

 十字軍とか不死者とか…頭悪くて…最高なんじゃ。