真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

DAYS デイズ 〜fragment〜

 

本編がファンタジーで神話とするなら、これはそこに加われなかった人間達の外伝。もしくはその神話から弾かれない様に抗う者達の物語だ。

6編の短編からなっているのだが、個人的には伊藤の短編が一番響いた。正に神話に加われなかった者たちへの魂の鎮魂歌。伊藤、魂の悔恨の叫びだ。まあしかし、実際の所、全国優勝チームの万年ベンチ要員というのは選ばれた側の方ではあり、彼は神話の怪物達の末席に名を連ねる猛者なのだ。本編でも東京の他の大抵の高校ならレギュラーで10番と目される伊藤。現実にはそんな葛藤すら出来ない人間の方が多い訳なのだが。

世界というのはどこまでも不平等で残酷、故に尊い。そんなことを綺麗にまとめた良い短編だった。尊い。以上。