真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

一寸の虫にも五分の魂。「機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争」

 

1989年のOVA

少年の視点から描いた箱庭の戦争の話です。ざっくり言って、滅びの美学とか判官びいきとかの話のような気がします。まあ好きな人が多いタイプの話でしょうね。第2次世界大戦の日本軍のような、人なし物なし勝機なしの話です。絶対的に不利な状況下で新米の若造パイロットが壊れたザク改で知恵を絞り決死の覚悟でガンダムNT-1に挑戦する。どこの木枯し紋次郎だと突込みたくなりますし、ともすればなんという残酷な話なのかと言いたくなります。でも無茶、無謀は物語の花であり原動力ですし、寓話としてはそれもよいでしょう。最終的には非常にビターではあるが、そこしかない落としどころ落ち着きます。なんか色々ドンマイだし悲惨だけど…正直それでも切ない、いい話だなぁと思いましたよ。しかしお茶を濁すようですが、この話裏返すとバーニィ―どうのこうのよりもクリスのパイロットとしての腕前が絶望的だったのではという疑問が頭をよぎるのも否めません。

最後に言いたいのはこの作品、内容云々よりも心躍るのはガンダム初のOVAオリジナルビデオアニメーションという言葉の響きですよね。ほぼ世代の私としては当時のおもちゃ屋のポスターやらフライヤーやらに心ときめいたことを思い出します。懐かしい。…まあ実際に観たのは大人になってからでしたがね。

鑑賞時間163分。