真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

旧三部作完結編。「X-MEN ファイナル ディシジョン」(2006)

ブレット・ラトナー監督作品。

 

 本作は旧三部作のラストに当たるが、監督が交代している。なんでもこれまで監督を務めたブライアン・シンガー監督が、「スーパーマン リターンズ」の監督を務めることになり途中降板したらしい。まあ元々大味な作品なのでそこまでの違和感はない。ただネタを詰め込み過ぎて焦点がボケてると言うか、軸が何かぶれてる感じがした。

 

本作の最大のテーマ。突然変異は人としての進化か、それとも人としての病なのか。本作では「キュア」と呼ばれる突然変異の能力を無効化する特効薬が作られ、突然変異者たちに、その選択を迫る。能力のない人に戻るか、能力を持った突然変異者として生きるかと言うのがテーマの一つ。それとは別にシリーズ最大の力を持った突然変異者の覚醒とそれとの対決がもう一つのテーマなんですが、どっちも消化不良気味なんですよね。単純に尺が足りないというか…やっつけ感がありありです。特にサイクロップスとローグの件はもう少し何とかならなかったのか…。第1作から登場しているキャラなのに、…不憫です。いつもの事なのですが…。

 

人間と共存派のプロフェッサーX率いる一派は、キュアの使用を自由意思に任せる。そして、人間を撲滅して突然変異者達の世界を創造するマグニート—の一派は不満分子を集め、キュアの製造元の破壊と人類との決戦を挑む。それを向かい打つX-MEN達…。キュアーの秘密とシリーズ最大の能力者の覚醒が絡んでと…まあそんな感じの話。

 

完結編という事で画は非常に派手でカッコいい。非常に満足の出来である。しかし個人的には旧三部作でこの作品が一番楽しめなかった。私の中でX-MENとはプロフェッサーXとマグニート—とのブロマンス映画との認識があるので今作は少々、消化不良気味です。出番が若干少ないっす。ああ、プロフェッサー…。

 

しかし、少ないながらもやっぱり濃いのはお爺ちゃん二人なわけで、相変わらずこの二人はキャラがったってます。つくづく表裏一体と言うか、陰と陽と言うか、月と太陽と言うか、どこまでも2人で一セットな感じですねぇ。いやそこが堪らなく、ぐっとくるとこなんですが。…こればっか書いてるような気がするが、ホントにそこがこのシリーズは良いんです。

 

ところでこの二人の関係性って何かに似てるなとずーっと思っていたんですが、これってガンダムにおけるシャーとアムロの関係ですよね。マグニート—(シャー)とプロフェッサーX(アムロ)。…アムロに、より寛大な父性を持たして鋼のメンタルを装備させたハイスペックキャラがプロフェッサーXなんですが・・・。うーん、こうやって書くとプロフェッサーX、半端ねえな。ニュータイプと突然変異を変えてもシックリくるし、人類と地球を置き換えてもやはり同一の問題定義をしてると思うんですよね。人に絶望したマグニート—(シャー)と人に望みを賭けるプロフェッサーX(アムロ)。何かテーマが完全に逆シャーと被ってる感じなんですよね。まあそー言う話が好きなんで良いんですが。

 

ラストまで見ると、完結編と銘打ちながら続編作る気満々の終わり方。うーん。きっちり終わるのも一つの美しさだと思うですがね。本シリーズが気に入ってる方としたら妄想捻る感じで悪くないのかな。まあこの落ちで続編を決して作らないというのも結構美しい終わり方かもしれないと思いますが…。まだあるし続編…。なげーよ…。

 

しかし最後の最後で主人公ポジのウルヴァリンが活躍するするのは滾るね。

相変わらずもみあげスゲーし。って関係ないですか?そうですか…。

 

ぎゃふん!

 

 パトリック・スチュアートイアン・マッケランが最高でした。

 

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