真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

ゴッドファーザーPARTⅢ

 

かくしてラスト、オーラスである。さてマイケル最後の物語である。老けたな、アル・パチーノというのが率直な感想であった。前作から16年後に制作されているので、いい感じで、作中の時間経過とリンクしている。史実混じりの虚構というものはどうしても私の心の琴線に触れる。PARTⅠからPARTⅢまで全編に散りばめられている大小無数のディテール。最初から最後まで通してブレない姿勢は素晴らしい。そして頑張れば頑張るほどドツボにはまるマイケルが不憫でならない。時に見限られ、時に足を引っ張られる。もはやテンプレである。結果、全てを操ってきたゴッドファーザーもファミリーという名の呪縛に囚われ続けた哀れな人間だったという皮肉。「敵を憎んではイカン。判断を誤る」「自分の考えを言葉に出すな」なかなかに含蓄深い言葉を残すも、生憎、後継者に恵まれない。いるのはアンディ・ガルシア、ビンセントことソニーの息子のみ。親父のイカン所ばかり似ている鉄砲玉気質のチンピラのみである。でも結局最終的にものを言うのは胆力だったりするので悩むだけ無駄な気もしないでもない。最後は因果応報な悲劇で幕を閉じる。そしてシリーズ全て同じ引き、アル・パチーノの過去の回想で終わる、落ちまでの様式美が整えられている。抜かりなく美しい。大河愛憎劇の幕引きとして見事であった。最終的な感想は、ただただ長い!とにく長かった!約3時間✕3は長すぎた。しかし、よくよく考えるとシリーズ全て3時間前後の上映時間って、単純にやべーし、凄まじいな。まあ面白かったけど、とにかく長い。以上。