真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

明るさはあるが狂気が足りない気がする。「ハーレー・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」

 

2020年の映画。マット・リーヴス版のバットマンを見るに当たって、その前の関連作品を観とこうと思て観始めたのだがマーゴット・ロビーがこの役を演じたのはデヴィット・エアーのスースクからだっけ?最早、記憶が非常に曖昧。そんな状態で視聴。

本作のあらすじはざっくり言って、ジョーカーに振られたハーレイ・クインが独り立ちする話。ジョーカーという暗黒世界のプリンス、彼氏にして生みの親の後ろ盾を失ったハーレイ・クインが悪党に追われる話がメインになる。ハーレイ・クイン自体が性格破綻者なので恨み辛み嫉みでわんさか追いかけられる羽目になるのだが中でもユアン・マクレガー演じる所のブラックマスクが最大の敵としてひつこく追いすがってくることとなる。

正直な所、内容については可もなく不可もなくといった感想。基本的には楽しく観れたのだけど正直期待したほどの物でもないのも事実。何かがっかりしたのだが、なんにがっかりしたのかちょっとだけ考えてみた。

まず第一にマーゴット・ロビーユアン・マクレガーは良かったのだけどその他の配役がちょっと物足りなさすぎるような気がする。特に女性だけでチームを結成するのはいいが、正直スター力が足りなすぎるような気がした。手癖の悪い東洋系の小娘と要領の悪い女刑事はまあいいとして、残りの二人がちょっとキャラクターの存在感に対して俳優としてのスター力が足りない気がする。特に終盤のラストバトルでは埋没気味で、正直、段取り感満載でお遊戯にしか見えなかったアクションと共に残念に感じた。

第二に微妙だったのはハーレイ・クインのキャラクター。多少性格に難があるものの普通のいかれた人でいいのかという問題。想像する範疇のいかれた人間からはみ出していないキャラクター造形。それってどうなのか。私の知る限りではハーレイ・クインはジョーカーとの恋愛と犯罪行為に刺激を感じる元精神科医で、廃液タンクに放り込まれてリザレクションした正気を失った女ヴィランという認識だったのだが、本作では暴力的に過激ではあるが正気の人ではないか。少なくとも本作のハーレー・クインは正気を失ってはいないと私はそう感じた。実際、これでいいのかどうなのか、正直、原作未読なのでよく分からない。でもこのキャラクターからは明るさは感じたが狂気や危うさは感じなかった。

ラストの件からするとジョーカーと縁が切れて社会復帰(小悪党として)できるくらいは更生して独り立ちしたという事なのだろうけどヴィランのスピンオフとしてそのラストはどうなのか、あまりにも予定調和で正直なんか物足りなさが拭えなかった。

鑑賞時間109分。