真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

タイトルが秀逸。「狼は天使の匂い」

 

1972年の映画。止めどもない感想の覚え書きです。

粗筋と感想のようなもの

ヘリコプターの不慮の事故でジプシーの子供を巻き込んだ大量殺人を起こしてしまった主人公が恨まれ追われ、カナダまで逃げてもやっぱり追われ、偶然目撃した殺人事件に巻き込まれて、拉致られ、なんでか強盗団の一員になってしまい破滅に向かってレッツゴー!するみたいな話でした。突っこみ所しかないような話なのですが、何が良いって、とにかくタイトルが良いんです。普通は邦題が作品をくさすパターンが多い中、この作品はタイトルが、内容はともかく視聴者様が作品をピックアップする率を高めていると勝手に思うほど秀逸なタイトルなのです。このタイトル、内容にもちゃんとリンクしており、アウトローのおっさんたちが纏う、子供特有の無邪気な悪どさを表しているように思いました。物語冒頭で子供が意地悪で編み込みの袋をナイフで切り裂きビー玉を散乱させるシーンがあるのですが後半あざとくそこら辺を彷彿させるシーンが伏線的に差し込まれているのです。わかる。けどあざとい。要は主人公を含めた大人の悪党がやっていることは、子供時代のそれに等しいみたいな表現を盛り込んでくるんですよ。あざとい。いや、わかるけども。最も子供の悪行は、なあなあでも許されるかもしれんけど、大人になっても同じことをしでかすとそれなりの対価を支払うことになるという非常に教訓めいたラストになっています。うん、わかる。あざといけど、わかる話でした。

鑑賞時間141分。