真空断無弾

日々の色々な事柄の忘備録的感想。戯言。

はっきり言ってホラー。「きみと、波にのれたなら」

 

2019年の映画。

湯浅正明監督作品でなかったならば、間違いなく手を出さなかったでしょう。

粗筋と感想

リア充カップルの水難事故から死に別れてのゴースト展開という、超絶ファンタジーの王道ラブストリーです。しかし、それは表向きの話です。その裏側は角度を変えた視点で描いた、まごうことなきホラーであり呪いの話しであると私は感じました。

歌うことによって死んだ恋人が見えるようになるのは間違いなく呪詛。もしくは呪文でしょう。生者も死者も過去の呪縛に囚われ呪われる話であり、そこからの脱却と解放の話が本作の軸になります。

正直な話、物語冒頭のリア充カップルのバカップル展開に絶えれるかどうかが問題であり、中盤以降のホラー展開が全ての話であると思います。特に中盤以降のヒロインが端から見ると悲嘆にくれて壊れた人に見える展開が超絶怖くて可笑しかったです。

正直観る前はどうなることかと思ったのですが、ジャンル映画のパッケージにきっちり自分の色とやりたいことをぶち込んでくるあたりは流石の手腕だなと感じました。

鑑賞時間96分。